25.永保寺開山堂 国宝第177号
所在地 岐阜県多治見市虎渓山町1−40 (JR中央本線多治見駅・東濃鉄道バス「虎渓山」・歩三分)
宗 派
山号寺名
臨済宗南禅寺派(禅宗)
こけいざん えいほうじ
虎渓山 永保寺
建築形式 げじん しょうどう らいどう
外陣(昭堂・礼堂とも言う、写真右手) 正面三間、側面三間、一重、入母屋造、檜皮葺
あいのま               りょうさげづくり
相の間(写真中央板張り部分) 両下造
    しどう                           もこし
内陣(祠堂、写真左手) 正面一間、側面一間、一重、裳階付、入母屋造、檜皮葺
建築様式 禅宗様 開山堂
こんりゅう  
建立年代
十四世紀。寛政四年(1792)の住持歴代には、「開山塔」(祠堂)貞和三年(1347)造立と
記述されているが、昭堂はやや遅れて建立されたものと考えられている。
特 徴 祠堂は基壇上に建ち小規模ながら禅宗様仏殿の基本形式を満たしている。
       げんのうほんげん ぼとう    ほうきょういんとう    むそうそせき  ちんぞう(木造)
内部に開山元翁本元の墓塔として宝篋印塔、元翁と夢窓疎石の頂相が祀られている。
祠堂の裳階正面柱を省略し、相の間と昭堂内部の一体化による広々とした自由な室内構成。
        みてさきつめぐみ  おおぎだるき はなはざま さんからど
昭堂外観は、三手先詰め組、扇垂木、花狭間付桟唐戸、大きな軒反りなどが禅宗様の特徴。
歴 史 鎌倉時代末期、京都天竜寺など多くの禅宗寺院を開いた夢窓疎石(夢想国師)が、正和二年(1313)この地、長瀬山を訪れ中国禅宗寺院の名刹で名高い江西省廬山の虎渓の景色に似ていることから、虎渓山と名付け法弟の元翁本元らと庵をたてたのが草創とされている。
その後、足利将軍の庇護を受け、開山堂、観音堂などを初め多くの堂塔が建立され、室町時代中頃には境内に三十余りの塔頭や僧坊を構えた。
美濃焼の町、多治見市を見下ろす風光明媚な地に夢窓疎石作の名園「永保寺庭園」を持つ禅宗寺院の名刹である。
リンク 永保寺HP