どうしたらもっと地球を大切に思えるだろうか?
地球がすごく大きいことは誰でも知っているけど。

地球がどれくらい大きいのか、肌で実感できるような遊びを考えてみた。


1. ジャンプして地平線の向こうを見よう!

地平線の向こうが見ることはできるだろうか。

それは私が夜の野原を走っていた時のことだ。辺りはもう真っ暗だった。家に帰る方角を見定めようと、途中でとまって思いっきり上にジャンプしてみた。
そうすると、ほんの数十cm上から見下ろしただけなのに、ずっと、遠くの方に家の明かりがたくさん見えたのだ。

その時はとにかくただ感動した。 まるで地平線の向こうが見えたような気持ちがしたが、たぶんそれは途中の地形に起伏があって向こうの景色を遮っていただけだったのだろう。

しかしそれでもジャンプするだけであんなに遠くの景色が見えたのはすごいと思った。

その時見えた景色はいったいどれくらい遠くだったのだろうか。
そもそもこの地球ではどのくらい遠くの景色まで見えるものだろう?

私の疑問は広がった。

いったい地平線や水平線までどのくらいの距離があるのだろうか。
数十kmくらいかなと思いきや、意外と「えっ」というくらいに短いのだ。
まず視点の高さによって見える距離は大きく変わるという点を知ってほしい。

例えば、高い山の崖っぷちから見下ろすと、「うひょー、世界はこんなにも広いものなのか。」と思うぐらいに眼下に果てしない世界が広がるんだが、しかし真っ平らな平地に身長1m半の少年が立ったときには、その少年から地平線までの距離はたった4〜5kmぐらいしかないのだ。

表1. 地平線までの距離

視点(cm)

地平線までの距離(km)

140

4.22

160

4.51

170

4.65
180

4.79

200
5.05
1,000
11.3


詳しくは下の計算を見てほしい。

図1.地平線までの距離の概念図

地球の半径は6364kmだから、

もっとも地平線の向こう側にある高い物なら見えるのだから、かなり遠くまで見えている実感があるのも無理ないかも知れない。 しかし地平線そのものはそのずっと手前にあることになる。

むしろ途中で草や石の高さの障害物があることを考慮すると実際に見える範囲はもっと短くなるはずだ。

これが高い物が何も無い水平線だったらもっと実感できるだろう。海の中でポッカリ浮いてるとそれほど遠くまで見えていないことに気づくものである。 

表1の視点はこれは背の高さではなく、眼の高さだ。
身長150cm(視点の高さ140cm)の少年が、仮に30cmジャンプしたとしよう。
仮に自分の眼と同じ高さに家の明かりがあるとしたら、8km(4kmの倍)より、遠くの家の明かりは見えないことになる。しかし、9kmより手前にあるのならジャンプすれば見えることになる。

わずか30cmのジャンプで見え隠れするその範囲は900mだ。十分にできそうなことではないか。平地をさがして跳んでみて地球のカーブを実感してみよう!


2. 一日中走って、一日24時間をどれだけか引き延ばそう!

もし太陽に向かって、飛行機か何かで地球の自転と同じ速度で飛んでいれば、いつまでたっても日は沈まないことが体験ができるはずだ。
でも飛行機で飛んでもなかなか実感なんかないだろう。

やはりここは足で走ることだと思ったが、無理すぎるので、まあ車かバイクにしよう。バイクで走ったら1日24時間をいったい、どれくらい引きのばせるのだろうか。

計算すると、仮に50ccのバイクで時速60kmで、ずっーと走ったとすると、24時間で1440km走れることになる。地球の円周は40000kmと決まってるから、

(1440/40000)× 24時間 × 60分 = 51.8分

となる。なんと24時間を1時間近くものばせるのだ。その日の1日は24時間52分の日なのだ。まるで光速近くで飛ぶ宇宙船のような気分になるに違いない。あとは赤道直下に整備された道路をまっすぐに作ってもらうのを待つだけだ。

だが、いや待て。
何も赤道まで行かなくても高緯度の地域の方が地球を一周しやすいではないか。緯度60度の地域なら、地球の円周は、

地球の半径 × sin30度 × 2π = 約20000km

となる。これなら先ほどと同じ52分引きのばすのに、時速30kmでいいことになる。これなら自転車でもいけるかも知れない(ちょっと無理か?)。

どこかの国が、地球環境の実感と健康のために高緯度地域に東西にまっすぐなサイクリングロードを作ってくれないものだろうか?

「誰が走るか〜」などと問うのは愚問だ。毎日、走り回っている地球に共感して、いっしょに1日くらい走る日があっても気持ちのいい汗を流せるかもしれなではないか。


3. 地球の明かりで本を読みたい(将来)。

地球の大きさを実感するのならこの目で確認するのが一番に違いない。

オリジナルの話ではないが、子供の時の参考書に「月から見た地球はとても明るい」ということが題材に取り上げられてあったことが忘れられない。

その月から見た地球の明るさというのは、地球から見た月の明るさなどの比ではないそうだ。なにしろ月より何倍も大きいのだ。なんと夜でも本が余裕で読めるほどらしい。

ぜひ、将来は(きっと人生の晩年かも知れないが)宇宙に出る観光旅行があったら行ってみたいものだ。

さらにその後知ったが、あの月は光学的にはかなり特殊な表面をしているらしい。光の入射角度と反射角度の関係が普通と逆になるそうで、月のはしっこに当たった光も月の真中に当たった光も入射角と同じ方向に反射するそうだ。

だから平面的な「おぼんのようなお月さま」に見えるのはそのまま事実なのだという。それなら、普通に球状に見える地球はさぞかしまるくリアルに見えることだろう。

どれくらいリアルにまるっぽく見えるのか、今から楽しみなことではある。


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