*** アトピー性皮膚炎のスキンケア ***


アトピー性皮膚炎のスキンケアーは治療するものではなく、
角層のバリアー機能の破綻の修復改善を助け、
再燃を防止するのが目的です。
そのため、まず清潔にして、その後保湿することが主体となります。
スキンケアを実行していきますと、
確かにそれまで使っていた外用剤の量を減らすことができます。 
望ましいスキンケアが行われるためには、
的確な治療が同時に行われている、
という条件が満たされていなければなりません。
スキンケアも治療と同じように患者家族、
特に母親の協力なしには事は進みません。
そのためには、なぜスキンケアが必要であるかを目の前で実証し、
理解を求める努力が大切です。


<<入浴・シャワー及び石鹸の使用に際しての注意>> 

入浴はスキンケアーの基本中の基本です。
皮膚の汚れ(汗、アカ、フケなど)は本症のカユミを増強し、
皮膚炎を悪化させます。
又、細菌(黄色ブドウ球菌等)、カビ、ダニ、ホコリの付着により、
更に皮膚炎を悪化させることも知られています。
実際に、汚れた皮膚のままで外用療法を行うと、
外用薬と共に皮膚の汚れもすり込むため皮膚炎はなかなか改善しません。
毎日入浴、あるいはシャワーを浴びて、
石鹸を使って皮膚を清潔に保つことが必要です。

〔湯加減〕
熱いお湯はカユミを増強してくるので、
ややぬるいお湯を使用しましょう。

〔石鹸の使用〕
軽症、中等症のアトピー性皮膚炎では
普通の石鹸を使用してください。
重症では低刺激性の石鹸を使用し、
軽快したならば普通の石鹸にかえてください。
石鹸使用後、石鹸成分が残らないようによく流しましょう。
又、薬用石鹸を湿疹、
皮膚炎用の石鹸と思っている方がいますが、
殺菌剤が入っているので消毒用石鹸と解釈し、
使用しない方がよいです。

〔洗い方〕
やわらかいタオルであまりこすらないように洗うのがコツで、
乳幼児の場合は、母親の手に石鹸をつけて
あまり力を入れず撫でるように洗いましょう。
ナイロンタオル・ボディーブラシなど硬いものは、
刺激が強いのでよくないです。
入浴を患児のみに任せず大人が一緒に入って洗い方を教えることも大切です。 

〔シャンプー、リンス〕 
普通のシャンプーで良いのですが、
重症では低刺激性のシャンプーを使用してください。
リンスは入浴後、乾燥、カユミを軽減する場合が少なくないので
使用してください。
頭を洗った後シャンプー、リンスの成分を残さないよう
よくすすいでください。
又、爪を立てて洗わないよう注意してください。

〔入浴剤、沐浴剤〕 
皮膚の保湿効果を示すものは良いと思われますが、
皮膚温度を高めるものや
入浴後に皮膚乾燥を起こすものは避けた方が良いでしょう。
通常の治療によって皮疹の改善を見ないアトピー性皮膚炎では、
どのような入浴剤を使用しているかを
確かめることも必要になってきます。 


<<運動と発汗>> 

運動を制限する必要はありません。
むしろ積極的に心身の健康の為奨励すべきです。
運動すると当然、発汗します。
この時、汗がアカ・フケなどの成分を溶かして悪化させますが、
運動後早く入浴・シャワーで洗い落とせば問題はありません。
ただ、全国的にシャワー室を持っている
保育園・幼稚園・学校が少ないのが残念です。


<<海水浴とプール>> 

プールでの遊泳は子供の発育上、身体的、精神的にも良いもので、
普通に行っても差し支えありませんが、
プール熱、流行性角膜炎などの感染防止の観点から、
消毒のための塩素が使用されており、
皮膚の刺激を受けやすい子供さんもいらっしゃいます。
明らかに悪化する乳幼児には控える必要がありますが、
軽度でしたらプール後の全身シャワーで良く洗い、
その後、軟膏など塗って皮膚の手入れをすれば問題はありません。

海水浴についてですが、海に入ることは特に問題はありません。
子供さんにとって、ご家族と一緒に行くということは、
楽しく開放感があり、ストレス発散にはもってこいです。
ただ、海水が体についたままの状態はよくないので、
帰ったら早くシャワーで流す必要があります。 


症状はすぐには良くなりませんが、気長に気楽に付き合って下さい。


診療費用や、その他の詳細などお気軽にお問い合わせ下さい。
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