・223系
223系0番代5連(車号不明)
関空快速に活躍する0番代5連(車号不明)
1999.9.7 阪和線浅香駅にて撮影
 0番代は1994年の関西国際空港開港に合わせて登場した「関空快速」用の車両として制作されました。主要機器は207系1000番代に準じ、個別制御のGTOインバータを使用しています。室内は空港アクセス用として、大形の荷物の持ち込みを考慮し1+2列の転換クロスシート配置となっています。2M4Tの6連9本と1M1Tの2連5本が製造されましたが、1999年の紀州路快速新設と関空・紀州路快速併結運転に伴う組成変更で後述する2500番代4両を加え2M3Tの5連と1M2Tの3連各9本となりました。
 1995年夏には新快速用として130km/h運転も可能な1000番代が登場しました。223系は全てステンレス製ですが、0番代でビード無しだったものの、この1000番代では再びビード付の車体に戻っています。この車両の最大の特徴は制御装置と補助電源装置を一体化したことで、万一補助電源がダウンした場合に個別制御の走行用インバータ1台を開放し、補助電源に転用するという大胆な発想を実現しています。1000番代は当初3M5Tの8連、2M2Tの4連とも4本ずつが製造され、1997年に8連5本と4連1本が増備されています。
 1999年春には、翌年からの新快速全列車130km/h運転化と223系化の実施のため大量増備されることとなるコスト削減バージョンの2000番代が登場しました。このグループは再びビード無しの車体となり、運転台ユニットや妻面などはボルト結合として将来の転用に備えているようです。制御システムは1000番代とほぼ同様ですがMT比率を調整するため一部を3軸のみ電装した3000番代車としています。2000番代は3M5T(1両は3軸駆動)の8連18本と、2M2T(両M車とも3軸駆動で実質3M5T)の4連23本が在籍しています。
 2000番代と時を同じくして、関空・紀州路快速用に0番代の追加増備的な役割で登場したのが2500番代です。下回りは2000番代と類似しているものの、0番代との併結を最優先したものとなっています。室内は0番代に合わせて2+1列配置となりましたが、使用するシートは2000番代と同じもののようです。こちらはクモハ、クハが2両ずつ製造され、どちらも5連の先頭車に使用されています。
 0番代走行音[223-0a.ra/238KB] 直接再生
 関空・紀州路快速で使用されている0番代車の走行音です。GTOインバータのため207系1000番代と似た音ではあるのですが、歯数比が違うせいか、やや雰囲気が異なっています。207系よりも滑らかといえば滑らかなような・・・、というところでしょうか。
 録音は「関空快速23号」(当時)の西九条→弁天町間です。
 0番代走行音(異音車)[223-0b.ra/210KB] 直接再生
 これも0番代の車両ですが、時々このような異音車両があるようです。まぁあまりよくはわからないかもしれませんが、373系に以前存在した異音車のような雰囲気が感じられるというところでしょうか。
 録音は「関空・紀州路快速」の堺市→三国ヶ丘間です。
 チャイム(終着用)[223_ca.wav/WAVE(11kHz 8bit mono)/80.2KB]
 0/2500番代車が装備している、関空快速用の車内放送チャイムです。終着駅到着時のみこのチャイムが鳴り自動放送が続きます。その他の駅では走行音のファイルで聞こえるとおりの短縮版(?)が鳴ります。
 録音は「関空快速16号」(当時)の京橋到着時です。
 ファイルの形式は11kHz、8bitモノラルのWAVEファイルです。
 自動放送[kkr16a.ra/106KB] 直接再生
 こちらは京橋到着時の自動放送です。上のWAVEファイルはこの自動放送の始まりの部分だけ切り出したものだったりもします。ということで録音は当然「関空快速16号」の京橋到着時のものです。
 1000番代走行音(三菱)[223-1ma.ra/424KB] 直接再生
 こちらはIGBTインバータとなった1000番代のうち、三菱製の制御装置を搭載した車両です。クモハの車号でいうと1006、1010、1011の8連と1003の4連が編成中全てこのタイプ、1001の編成のクモハのみ、1014の編成のクモハと編成中央に入ったモハがこのタイプのインバータを積んでいます。モータの種類はまた違いがあるようなのでVVVF音自体は同じでもモータ音の雰囲気の違うものも存在するようです。
 VVVF音については三菱製のIGBTではごく標準的なものですね。この頃は三菱と言えばこれ、というくらいでした。最近は迷走してる気もしますが・・・。
 録音は湖西線北小松→近江舞子間です。
 1000番代走行音(東芝その1)[223-1s1a.ra/270KB] 直接再生
 こちらは1次車で東芝製インバータを装備した車両の走行音です。クモハの1004番の8連と1008番の4連、そして1001編成の中間モハがこれに該当します。音の特徴としては本当に初期の東芝IGBTらしく、はっきりと非同期モードの音が3段階にわかれているのが分かります。
 録音は湖西線近江舞子→北小松間です。
 1000番代走行音(東芝その2)[223-1s2a.ra/337KB] 直接再生
 2次車の東芝製インバータ搭載車は1次車とは違った装置となりました。1次車も2次車も同じ装置で通した三菱とも、形はほとんど同じながら音は全く違った日立とも異なり、東芝製は装置の形状も鳴らす音も違うものになりました。東芝製のIGBTでは第2世代と言っていいと思います。正直言って第1世代の方があまり耳障りでなかった気がするんですがね・・・。このタイプはやたら甲高いし一旦非同期の音が消えたかと思ったらまた復活したりと、あまりほめられたものではない気もします。その割には非同期から1パルスモードへの移行は妙にスムーズだったりと、結局一長一短ということなんでしょうかね。
 録音は琵琶湖線(東海道本線)守山→野洲間です。
 1000番代走行音(日立その1)[223-1h1a.ra/365KB] 直接再生
 1000番代1次車のうち、日立製のインバータ装置を搭載した車両の走行音です。鳴っている音は本当に初期の日立製IGBTインバータに採用されたものです。同じタイプの車両では時々激しくインバータ装置が高音をまき散らすものもありますが、この車両はそうではないようです。該当する車両はクモハの1005番の8連、1002番の4連、1007番の4連の他、1001編成の姫路寄りのモハです。
 録音は湖西線安曇川→新旭間です。
 1000番代走行音(日立その2)[223-1h2a.ra/410KB] 直接再生
 日立製についても2次車は1次車と違う音になりました。ただし、東芝製は装置の形状も変化したのに対し、日立製についてはVVVF音だけが変化したのが特徴です(三菱はどちらも変化なし)。1次車の日立製はあまりはっきりと聞き取れないような非同期モードの音でしたが、2次車の方がはっきりとした聞こえ方になったとも言えます。2次車登場の97年からしばらくの間は日立のVVVF装置と言えばこのタイプ、という状況が続いたものです。
 ちなみに、この録音をしたときは小雨が降っている状況で、編成中の一番後ろの電動車であったにも関わらず空転気味ですね。ここまでひどいと低MT比思想には強く疑問を感じるものですが・・・。
 該当する車両はクモハの1013番の4連と、1014番の8連のうちの姫路寄りモハだけと、たった3両の電動車しかないレアな存在でもあります。
 録音は琵琶湖線(東海道本線)大津→石山間です。
 2000番代走行音(日立)[223-20ha.ra/239KB] 直接再生
 こちらは新快速の130km/h運転開始と、223系への全面置換えに備えて登場したコスト削減版である2000番代のうち、日立製の制御装置を装備した車両の走行音です。音は1000番代2次車のものとほぼ同じですが、非同期から1パルスモードへの移行時に鳴る「ヒュルル・・・」という音が1000番代よりもはっきりしているのが特徴です。制御装置の形状についても微妙な変化があるようです。
 録音は琵琶湖線(東海道本線)守山→栗東間です。
 2000番代走行音(東芝)[223-20sa.ra/359KB] 直接再生
 こちらは2000番代のうち、東芝製のインバータ装置を装備した車両の走行音です。1000番代2次車と音も同じだし、装置の形状も同じです。強いて言えば1000番代よりもよく聞こえるということくらいでしょうか(^^;コンプレッサもうるさくなった気がしますが、作動中に動き出しているにも関わらずVVVF音ははっきり聞こえますしね。ちなみに、該当する車両ですが、自分で調べているわけでもないし、両数も非常に多いし、音を聞けば区別もできるわけでもあるので、ここでの掲載は見合わせます。ネット上を探せば223系に対象を絞ったホームページなどもあり、そういったところで編成表と共に公開されてもいるようなので探してみるといいかもしれません。
 録音は琵琶湖線(東海道本線)能登川→稲枝間です。
 2000番代走行音(三菱)[223-20ma.ra/268KB] 直接再生
 こちらは三菱製のインバータを装備した車両です。1000番代とは音も違っているし、インバータ装置の形状にも変化が出ています。2レベルインバータ時代への移行直前に流行ったタイプとも言えるようですね。同社のIGBT車に特徴的な「シュルシュル・・・」系の音ではありますが、動き出すなりいきなり高さが変化し始めるのはこの時期のものに多く見られます。
 録音は北陸本線坂田→田村間です。
 2000番代走行音(三菱異音?タイプ)[223-20mb.ra/254KB] 直接再生
 こちらも同じく三菱製のインバータを装備した車両ですが、ちょっと変わった音のモータを積んでいるようです。こういう音の車両も比較的たくさん存在はするのですが、ここまではっきりと分かる車両はなかなかないと思うので紹介したいと思います。中高速域で「キーーン」という感じの音が響いてはいますが、これが速度の変化に伴い、段階的に高さが変わっていくのがはっきり分かるかと思います。同じような音はこのページの1000番代日立その2でも聞けますが、強さが全く違っているのが分かるでしょう。天気があまりよくなかったのでどこかに滑走が入っていそうな気もしているのですが、よくわかりません(^^;
 録音は琵琶湖線(東海道本線)守山→栗東間です。
・その他の写真
 1000番代車、クハ222-1005以下8連です。0番代はビード無しの車体でしたが、1000番代は再びビード付になったことが特徴です。また、0番代は関空快速用に登場したため独特のラインカラーですが、1000番代では221系に準じた帯を巻いています。
 2001.3.13 湖西線近江今津駅にて撮影
 2000番代車、クモハ223-3017以下8連です。2000番代グループでは3軸だけモータを搭載した車両を3000代として区別しているため、クモハは全て3000代の番号が振られています。車体はビードなしですが、0番代とは工法が違っているようです。帯の色は1000番代と同様となっています。
 2001.3.1 山陽本線姫路駅にて撮影
 こちらは2500番代車、クハ222-2501以下8連です。とは言っても2500番代はこの写真の先頭車と5両目のクモハの2両だけで残りは0番代グループが組まれています。後の3連はクハ222-101他でした。この写真は「関空・紀州路快速」のものですが、2500番代はまさにこの紀州路快速を運転するために生まれた車両と言えます。
 1999.9.7 阪和線浅香駅にて撮影
 1000番代のうち三菱製インバータの写真です。左2個はモータの駆動用、右の1個はSIV、中央にはゲート制御部、という配置になっているはずです。裏側を見るとこの写真でいう左2個の箱のちょうど裏側にやはり2組のモータ駆動用インバータ部があります。この組み合わせが223系1000番代以降、JR西日本の標準となったわけです。
 車号はモハ223-1018です。
 1999.3.1 大阪駅にて撮影
 こちらは東芝製のインバータ装置です。配置に関しては三菱製と同様ですが、形状には特徴があります。この時期の東芝製というのは最も特異な形状だったのではないでしょうか。車号はクモハ223-1008だと思うのですが、記録が曖昧なので、モハ223-1012かもしれません。いずれにしても同じ形状ですが・・・。
 1999.3.11 湖西線近江今津駅にて撮影
 同じく東芝製インバータですが、これは2次車のものです。1次車ではかなり独特の形状だったのに、2次車ではすっかり普通の箱になってしまいました。車号はモハ223-1013です。それにしてもすごく汚れてますね・・・。
 1999.9.7 京都駅にて撮影
 日立製のインバータです。日立製は表面の細かい網目が特徴で、すぐにそれと分かります。複数のインバータユニットを一つの覆いに入れてしまうのも日立の特徴でしょうか。中には他社製と同様の配置のブロックが見えると思います。車号はモハ223-1008です。
 2001.3.13 湖西線近江今津駅にて撮影
 同じく日立製インバータで、2次車のものです。1次車とほとんど同じにも見えますが、よく見ると覆いの横幅が狭くなって、ゲート制御部の表面が広く見えるようになっていますね。後は錯覚かもしれませんが、網状の部分が少し上下に大きくなって、下部の傾斜した部分の角度がきつくなっているようにも思います(撮影した角度の問題だけかもしれませんが)。車号はモハ223-1023です。
 1999.9.7 京都駅にて撮影
 こちらは2000番代の日立製インバータです。パッと見たところでは1000番代と似たようなものですが、よく見ると縦寸法は1000番代1次車、横寸法は1000番代2次車と同じようで、いつの間にか小型化されていたということになるのではないかと思います。インバータ装置の左隣に見えるフィルタリアクトルの形状も全く違うものになっているようですね(たぶんインバータのメーカーと合わせていると思うんですが・・・)。ちなみに、クモハ223-3035の写真ですので、番号で分かる通り3個モータ車です。このため一番左側のブロックが抜けているのがよく見れば分かると思います。
 2001.1.9 米原駅にて撮影
 2000番代の東芝製インバータです。ほぼ1000番代2次車と同じではないかと思います。微妙に違うと言えばせいぜい車体からのつり下げ部分の形状くらいでしょうか。この車両はクモハ223-3021なのでやはりモータ1個分、一番左のブロックが埋められています。
 2001.1.9 米原駅にて撮影
 同じく2000番代の東芝製インバータです。これはモハ222-3021のものであるため、SIVは装備していないし、3個しかモータを積んでないし、ということで海側の側面には1ユニットしかインバータユニットが入っていません。反対側の側面はどのタイプをとっても2個のインバータユニットがあるんですがね・・・。
 2001.1.9 米原駅にて撮影
 2000番代の三菱製インバータです。1000番代とはだいぶ違う形に変化しています。これはモハ223-2010のものなので、SIV搭載の4個モータ車ということで、1000番代の電動車と同様全5ユニットのインバータがフル装備となっています。ちなみに、2500番代では2501が東芝、2502が日立のインバータを積んでいて、三菱製はありませんが、装置の配置はこのモハ223形2000番代と同様となっています(もちろん形状は各メーカー製の2000番代と同じですよ)。
 2001.1.9 大阪駅にて撮影

前のページに戻る