・営団地下鉄05系

妙典駅開業記念のステッカーを貼った05-111以下10連  1988(昭和63)年10月、日比谷線用の03系を20m4扉車体とした仕様で東西線に投入された車両で、編成は10両で、初期車は高周波分巻方式のチョッパ制御で5M5T、後期車はIGBTインバータで4M6Tの組成とされ、特に前車では03系とは違って単相チョッパを使用した1M方式の電動車も組み込まれています。
 2000年4月現在、27編成が在籍し、1992年の4次車最後の14番は全車2mのワイドドアを採用し1C4M×2群のGTOインバータで4M6T編成、行先表示器をLED化、翌年の5次車ではワイドドアながら再びチョッパ制御化、1993年の6次車19編成以降は06系と同仕様で個別制御の3レベルIGBTインバータ制御化、2000年の8次車25編成以降は2レベルIGBTインバータで1C2M×2群化と前面形状変更というように、非常に複雑な変更が行われてきました。
2000.3.13 東西線西葛西駅にて撮影
 チョッパ車(三菱)走行音[sub05cma.ra/235KB] 直接再生
 4次車途中の13番までと5次車の15〜19番が03系と同様の高周波分巻方式のチョッパ制御を採用しています。但し、第5車両に1M方式の単相チョッパ車が組み込まれている点が異なるものの、実際のところは音も何ら変わらないようです。つまりは単相チョッパとすることでモーターの端子電圧がユニット車の半分になり、1M車として使うのに都合がいいということなのではないかと思います(というのはあくまで予想です)。
 この05系については現在1・4〜7、10・11・16編成のメーカーを調査したものの、いずれも三菱製のチョッパ装置で、もしかすると全編成が三菱製である可能性もあります。他社の装置があるとすれば1次車の2・3編成くらいしか可能性がなさそうです。というのも、03系でも1次車は2編成でメーカーが違っているものの、現在の調査ではそれ以降の車両は製造年次によってメーカーが統一されている様子なので・・・。
 録音はJR中央緩行線荻窪→西荻窪間です。お世辞にも熟練した運転士とは言えないような運転で、見事に回生ブレーキが高い速度で切れてしまっています。ある程度の速度が出ていたこの区間とこの次の西荻窪→吉祥寺間共に、このような運転だったので、高速からのブレーキングに自信がないんでしょうね・・・。ちなみに、こうなってしまうのは、電力の状態による回生失効という場合もありますが、ほとんどは一旦ブレーキを緩解してしまったことに起因するものです(少なくともこの時はこれが原因)。
 チョッパ車(三菱)走行音(異音車)[sub05cmb.ra/199KB] 直接再生
 これも同じく三菱製のチョッパ装置を積んだ車両ですが、「例のごとく」と言いたくなるほどたくさん存在するものとなりつつある異音バージョンの走行音です。それにしてもこの音の方が何となく好きになってしまうのが不思議なところです。
 録音は東西線南行徳→浦安間です。この区間はあまりスピードを出さないみたいですね・・・。
 VVVF車(三菱GTO)走行音[sub05gma.ra/189KB] 直接再生
 4次車第14編成には三菱製GTOサイリスタ使用のVVVFインバータ制御が採用されています。これまでのチョッパ車よりも更にMT比の低い4M6Tとされ、第2・3・8・9車両が電動車で、このうち、第2・8車両に1C4M×2群、つまり電動車2両分のインバータ装置が集中搭載されています。音は三菱GTO第2世代に属するタイプで、都営5300形などとは違って起動時に音が高くなっていき、ある程度の高さで一定の音が続き、その後同期モードで何回かパルスモードが変化するというようなパターンで、「第2世代Bタイプ」と勝手に呼んでいます。南北線用の9000系1次車の多くの編成でもこれと同じタイプのインバータが使用され、同じような音をたてています。
 録音は東西線南行徳→浦安間です。それなりに速度を出しているようですが、何となく非同期の終わりあたりから中速域での雰囲気が妙ですね・・・。インバータ装置本体からの音が強く重なっていたんでしょうかね・・・。もっとも、この編成は台車ごとに違う雰囲気をもっているという側面もあるようなので、録った場所はそういう音をたてる場所だったのかもしれません。
 VVVF車(三菱IGBT試験搭載)走行音[sub05ima.ra/178KB] 直接再生
 これも同じく第14編成の音ではあるのですが、1998年の夏前後の数ヶ月間にわたり、第8・9車両のユニットには今まで見たことの無いようなインバータ装置が積まれ、IGBTらしき音がしていました。冷房の使用されてしまう時期にしか積まれていなかったというのが残念なところではありますが、後になってみれば、どうも8次車で使用されることとなる2レベルIGBTインバータの実用試験か何かであったことに違いなさそうです。それにしても妙な音です・・・。209系950番代の三菱車と似てると言えば似ていますが、やはり何か雰囲気が違う・・・。
 録音は清水さんの提供で、東西線木場→東陽町間です。私もこの前日に乗りに行ったのですが、その時は運用されてなかった様子でして・・・。
 VVVF車(東芝IGBT)走行音[sub05isa.ra/192KB] 直接再生
 こちらは6・7次車の19〜24編成が該当する個別制御の東芝製3レベルIGBTインバータ制御車の走行音です。この時期の車両というのは、06・07系が登場した後でもあり、前面形状は従来の05系のままですが、側面の窓配置やドアの位置などは全て同車と同じになり、インバータも同様の個別制御IGBTインバータに、編成構成も同じ4M6Tという状況で、インバータのメーカーも考えれば06系と全くの同仕様と言っても過言でないくらいの酷似ぶりです。もちろん音も06系と同様で、何となく震えているような非同期音が特徴的です。
 録音は東西線門前仲町→木場間です。この時の車両は第24編成で、5000系アルミ車の車体外板などを使用したリサイクル車です。もっとも、車体にはリサイクル部品は使用されず、車内の部品が中心のようです。
 VVVF車(三菱IGBT)走行音[sub05imb.ra/229KB] 直接再生
 前面形状の変更された8次車の25〜27編成がこのタイプで、三菱製の2レベルIGBTインバータを装備しています。2レベルと3レベルとの違いはJR東日本の209系950番代の項で触れていますが、要はスイッチング素子の耐圧の違いによりインバータの構成が単純化できることが利点と言えるでしょう。一方で、6・7次車では個別制御とすることで、万一の故障時にモーター1個を解放しても定時運転が確保できるように設計されていましたが、このグループでは今まで営団ではMT比1:1の編成に使用してきた1C2Mの構成に変更されました。もちろん、万一インバータが1台故障したとしても3.5M6.5Tの状態となるわけで、T車がM車の倍を越えることはないため、とりあえず動けるので合格、という判断だと思います。
 モーター音は1998年に第14編成で試験が行われたときのものと同様で、この05系8次車と同時期に2レベルインバータを装備して登場した9000系16・17編成(東芝)や、7000系19編成(日立、VVVF化改造時に装備)と比べてもひときわ目立つ、不思議な音を出しているのが特徴です。それにしても、どう表現したらよいのか・・・。
 録音は東西線行徳→南行徳間です。
・その他の写真
 ワイドドア車の05114以下10連です。運転室直後以外は全て2m幅のドアということで、本当に巨大です。ちなみに、14番編成はGTOサイリスタ使用のVVVFインバータ制御、15〜18番編成は同じくワイドドア車ながらチョッパ制御です。05系ではこのグループから行先表示器がLED式になりました。
 1999.5.1 東西線西船橋駅にて撮影
 06系に準じた車体を採用した05124以下10連です。ちなみにこの編成はアルミリサイクルカーであり、それを示すシールが先頭部や側面などに貼られ、車内にはプレートも取り付けられています。
 2000.5.3 東西線葛西駅にて撮影
 前面形状が変更された05126以下10連です。今までの05系で十分だと個人的には感じているのですが、しばらく増備が途絶えていたこともあり、イメージの一新だとか、これまでの車両とは違うということをアピールするためだとか、そういう目的らしいです。もっとも、このグループの車両はイスがあまりにも硬すぎるということで不評でもあるらしいですが・・・。
 2000.3.13 東西線西船橋駅にて撮影
 05424車内のアルミリサイクルカーを示すプレートを撮影したものです。
 1998.5.28 東西線車内にて撮影
 05212の三菱製チョッパ装置です。形状などは03系と同様で、たぶん05系ではこの三菱製だけではないかと思います。
 1999.3.12 東西線中野駅にて撮影
 05804の三菱製チョッパ装置で、上記の写真の裏側に当たる部分です。表側には主チョッパということで、電機子を制御するチョッパ装置が、裏側には界磁チョッパ装置やコンデンサなどがあるようです。
 2000.5.3 東西線葛西駅にて撮影
 05505の三菱製チョッパ装置で、こちらは上の2つとは違い、1M方式の車両である第5車両に積まれている、単相チョッパ装置です。扱うモーターが半分ということもあり、非常にコンパクトになっています。
 2000.5.3 東西線葛西駅にて撮影
 05814のVVVF装置で、これは山側の側面の、2相分が並んでいる側です。三菱製GTOインバータ後期形の典型的な形と言っていいでしょう。ちなみに、9000系1次車の三菱製インバータも同じ形であるはずです。
 1999.5.1 JR中央本線三鷹駅にて撮影
 05214のVVVF装置で、上記の写真とは反対側の側面のものです。こちらは1相分とゲート制御装置などが並んでいるようです。
 1999.5.1 東西線西船橋駅にて撮影
 05222の東芝製個別制御タイプのVVVF装置です。06系と全く同じで、非常にシンプルな構成です。裏側にも全く同じものがあります。
 2000.5.3 東西線葛西駅にて撮影
 05925の三菱製2レベルIGBTのVVVF装置です。このグループでは1C2M×2群となったため、山側の側面にしか装置が見えなくなってしまいました。たったこれだけの大きさでありながら、しっかり左側でモーター2個分、右側でもモーター2個分のスイッチング素子が格納されています。
 2000.3.13 東西線西船橋駅にて撮影

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