・京王電鉄1000系

1701以下5連  1995年、初期の3000系の置換えと、輸送力の増強のために投入された井の頭線初の20m車で、8000系を基本としながら車体幅は井の頭線の車両限界に合わせやや広くなっています。
 制御方式は井の頭線では初めてのVVVFインバータ制御で、2社の装置を併用した関係で高耐圧GTOによる2レベルインバータと低耐圧IGBTによる3レベルインバータが混在するという、極めて珍しい存在となっています。
 1998年までに10編成が製造され、第10編成ではシングルアームパンタグラフの試験が行われています。
1998.12.7 井の頭線明大前駅にて撮影
 走行音(東洋GTO)[ko10gta.ra/203KB] 直接再生
 奇数番号の編成には東洋電機製のGTOサイリスタを使用したインバータ装置が使用されています。1000系のインバータは1C4Mと書かれているのが普通ですが、実際に装置を見てみたところ、どうやら1C2M×2群のインバータを積んでいるものの、ゲート制御装置がモーター4個分に対して1台という構成になっているように思われます。とは言っても本当にそういう構成だと、万一インバータの故障が発生した場合1M4Tというとんでもない編成になってしまうんですよね。本当は1C2M×2群なんじゃないのかなぁ・・・。
 音のタイプとしては標準的な東洋電機のGTOインバータなわけですが、その中でも非同期モードは短めで、その非同期の中にも一時的に一定の高さになる部分があるなどの特徴があります。
 録音は井の頭線永福町→明大前間です。
 走行音(日立IGBT)[ko10iha.ra/178KB] 直接再生
 偶数番号の編成には日立製のIGBTインバータが搭載されています。結果的にごく一部の車両にしか使用されなかった第2世代のタイプとなっていて、類似車両はE351系量産車、東武30000系、近鉄16400系のみで、それ以降の新形式車両では違うタイプのインバータが使用されるようになっています。個人的には好きなタイプなんですがね・・・。
 録音は井の頭線三鷹台→久我山間です。
・その他の写真
 1001号車のVVVF装置で、これは奇数編成ですから東洋電機製のGTOインバータということになります。公表されているデータでは1C4Mとされていますが、このインバータを見る限りでは左右各ブロック内に1台車分の回路が内蔵されていると思われます。実際に制御する単位はモーター4個、インバータ2個をまとめて1台の制御装置が動かしているということで1C4Mと公表されているのではないか、と予想されます。
 1998.12.7 井の頭線明大前駅にて撮影
 こちらは1004号車のVVVF装置です。偶数編成ということで日立製のIGBTインバータです。実を言うと上のGTOインバータの仕組みを読んだのはこのIGBTインバータを見たときでした。冷却部分のすぐ上に左からU1、V1、W1と書いてあって、右側のブロックにはU2、V2、W2と書いてあるんですよね。これを見て明らかに1台車に対して1台のインバータが割り振られているな、と分かったわけです。まぁ、表記がなくてもこの形を見ればさすがに分かりますがね・・・。
 1998.12.7 井の頭線明大前駅にて撮影

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