新版インターネットを使いこなそう

 ここには、拙著 「新版インターネットを使いこなそう」(岩波ジュニア新書、岩波書店)の正誤表や、寄せられたご意見、ご感想を掲載します。

 本書に対するご意見、ご感想がございましたら、著者の私までお送りください。

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Last update 2004/02/28



お知らせ

2002/09/11:
 正誤表を更新しました。

2002/07/04:
 本書が、岩波の「夏の課外授業」フェアの1冊に選ばれました。いま、大きな書店に行くと、「夏の課外授業」のコーナーに並んでいるそうです。

2002/04/13:
 フォローを更新しました。ご意見や現場の先生方の感想を載せました。

2002/03/09:
 正誤表を更新しました。

2002/02/23:
 正誤表に間違いを載せました。いずれも、担当編集者のSさんが気づいたものです。214ページの下から8行目の「home page」は「homepage」にすべきかどうかは、まだ思案中です。1語のhomepageでもいいかもしれないとは思っています。この辺については、フォローを読んでください。


目次

 「インターネットを使いこなそう」の目次です。
 中高生やその先生が読むことが多いジュニア新書ということもあって、インターネットに挑戦している学校の取材レポートがあるところが、類書とはずいぶんと違います。目次から直接、それらの学校に飛んでいけるようにしていますから、試してみてください。

第1章 インターネットってどんな世界?
 1.1 インターネットの衝撃
 1.2 インターネットに息づく精神
 1.3 インターネットの問題点

第2章 インターネットの歴史と技術
 2.1 インターネットの歴史
 2.2 インターネットのしくみ
 2.3 いま注目の技術
 2.4 未来への技術上の課題

第3章 インターネットのサービス
 3.1 インターネットを利用するには
 3.2 WWW(Web)
 3.3 ホームページをつくる
 3.4 電子メール
 3.5 メーリングリスト
 3.6 NetNewsとFTP
 3.7 そのほかのサービス

第4章 セキュリティに注意しよう
 4.1 無防備では危ないインターネット
 4.2 ウイルスやワームって何だろう
 4.3 セキュリティ確保の技術
 4.4 こうして自分の身を守ろう

第5章 コミュニケートする学校
 5.1 生徒がつくるアクセス数25万件を誇るサイト
   秋田県立能代工業高等学校
   http://noshitech.ed.jp/

 5.2 200近いホームページの閲覧から
   北海道上川町立上川中学校
   http://kjhs.cool.ne.jp/

 5.3 インテリジェントスクール誕生
   学校方印桜丘女子学園桜丘女子中学・高等学校
   http://www.sakuragaoka.ac.jp/shs/
 コラム 「ネットティーチャー」が教育現場を変える

おわりに

付録1 用語集
付録2 リソースガイド
付録3 主な国と地域のカントリーコード
付録4 インターネット関連書籍

索引

正誤表

 初刷は、以下の部分に誤植など間違いがあります。ここにお詫びして訂正いたします。第2刷にもまだあるものは、(2刷)と書いて示します。同様に第N刷にもまだあるものは、(N刷)と書いて示します。

 もし、ほかに間違いを見つけた方は、著者までお知らせください。

News

2002/09/11
 自分で見つけたものを反映しました。なんでこれに気づかなかったんだろうと思います。^^; CERNがどこにあるかという話なんですが、普通はスイスなのでフランスというのはさすがに無理があるのですが、実際はスイスとフランスの国境にまたがってるんですね。
2002/03/09
 足立さんが見つけたものを反映しました。ありがとうございました。
2002/02/23
 印刷が上がってきて、本が書店に並ぶ前に、見つかったものです。発見者は、担当編集者のSさんです。

■96ページの上から8行目。発見者はぼくです。(2002/09/11)

 CERN(セルン)というフランスにあるヨーロッパの物理学研究施設で,

 CERN(セルン)というスイスとフランスにまたがるヨーロッパの高エネルギー物理学の共同利用研究機関で,

■118ページの下から6行目。その他、図3-12の中に2箇所、図のキャプションに2箇所あります。発見者は担当編集者のSさんです。(2002/02/23)

 機種異存

 機種依存

■202ページ上から9行目。発見者は担当編集者のSさんです。(2002/02/23)

 Infomation

 Information

■207ページの「グヌーテラ」の説明。発見者は足立さんです(2002/03/09)

 音楽データ以外のあらゆるファイルをやりとりできる

 音楽データ以外にもあらゆるファイルをやりとりできる


フォロー

 ここには、本書に対して寄せられたご感想やご意見を掲載します。ご意見、ご感想は、著者までお寄せください。

「新版インターネットを使いこなそう」が「ぼくたちの今」に

 拙著「新版インターネットを使いこなそう」(岩波ジュニア新書)が、岩波書店編集部編「ぼくたちの今 岩波ジュニア新書を読む」で紹介されました。山梨大学講師の畑中忠雄さんが「科学を学ぶおもしろさ」で紹介してくださいました。ありがとうございます。

「新版インターネットを使いこなそう」が「夏の課外授業」フェアに

 拙著「新版インターネットを使いこなそう」(岩波ジュニア新書)が、岩波の「夏の課外授業」フェアの1冊に選ばれました。

■鈴木康夫さんから、98ページのホームページという言葉の説明は、誤用を容認し、広める危険があるので書き直すほうがいいというご意見(2002/04/13)
中村 正三郎様

はじめまして。

『新版 インターネットを使いこなそう』を読ませて
いただきました。98ページの"ホームページ"という
単語の説明について一言。

'いまでは、ホームページと呼ばれています'と
書かれていますが、私の印象では、数年前に
インターネットが一般の方にブームになったときに
ウェッブサイトの意味で"ホームページ"が使われ
るという誤用が広まり、ようやく最近になって、
"ウェッブサイト"などの正しい言葉づかいが
広まって来たかな、というふうに感じています。

"ホームページ"では一枚のページという印象が
強いように思います。複数のページが相互に
リンクし合って一つの作品となる"ウェッブサイト"の
方が、専門用語としての本来の意味は別として、
より良いのではないかと思っています。

中村様の書き方では、"ホームページ"の
誤用を容認し、広めてしまう危険もあるかと
思います。次回以降の改訂で修正されては、
と思います。

入門書としてインターネットのいろいろな側面が
網羅されており、良い本だけに、上記の点が
気になりメールを送らせていただきました。

それでは、失礼します。
                                鈴木 康弘

 2002/03/21に頂戴したメールですが、回答が非常に遅くなってすみません。まず、この点、お詫びします。

 本題ですが、結論を先にいえば、修正する必要はないと思っています。理由はいくつかありますが、まず、鈴木さんがおっしゃるような正しい使い方は、広まっていないというのが、ぼくの認識です。NHKやテレビ各局の言葉遣い、朝読毎などの大新聞、いずれも、いまだに誤用を続けています。誤用を容認し、広めてしまう危険は、ぼくの本より、これら大メディアのほうがはるかに大きいと思います。

 そして、このページだけの一部だけ読んで揚げ足取りのよういわれてもなあという思いがあります。98ページから引用します。

 ブラウザを起動したときに最初に表示されるページが、本来の意味でのホームページですが、いまでは、Webページのことを何でもホームページとよぶのが一般的になっています。そのサイトやサービスの入り口になるページは、トップページやウェルカムページといいますが、これもいまでは、ホームページとよばれています。

 これを読んでいただければ、ホームページは誤用が広まったものであり、ぼくが誤用を苦々しく思っている気持ちは伝わると考えています。さらにこのことは、はっきりと明確にですね(鈴木宗男調 笑)、用語解説で書いています。214ページのホームページの用語解説を引用します。

 本来は、Webブラウザが起動したときに最初に表示するページのこと。Webページのことを何でもホームページとよぶのは誤用だが、現在は、NHKや朝日新聞ですら誤用をそのまま使っている。ほかに、Webサーバにおける玄関のような役割を果たすページをトップページやウェルカムページというが、これをホームページとよぶ誤用もある。本書では、誤用と知りながら、入門書としてのわかりやすさを優先させてホームページと書いている部分がある。

 最初に書いたときは、本文にこの用語解説のようなことを書いてみたものの、そこで妙に重くなるので用語解説に回した記憶があります。

 ぼくはこれで本としては十分尽くしていると思っています。これを知った上で、この先の、どういう状況でどういう言葉を使うかは、本書を読んでくれた生徒の判断、成熟によるものと思っています。

 立教女学院中学・高等学校教諭の山岸さんから。岩波ジュニア新書編集部に送られてきたものです。
「インターネットを使いこなそう」(中村正三郎著)を読んで

 ここ数年のインターネットの発達には目を見張るものがありま
す。学校では、教師である大人よりも子ども達の方が、その発達の
恩恵に与る度合いが大きいようです。昨年度あたりから、「調べも
のをさせると皆インターネットで引いて来て、それで終わりなんだ
から・・・!」という先生方のつぶやきが聞こえるようになりまし
た。最近では教師の方も、生徒のレポートについては、「自分の言
葉で文章を書いてきているか、話の筋道が通っているか、単なる継
ぎ接ぎになっていないか」など、まめにチェックしないとだめだと
覚悟を決めています。インターネットの世界の発達は目覚しく、い
ちおう理科系を出たはずの私も、ボーっとしてる間に意味不明の言
葉が飛び交っていて驚きます。学生のころ、basicでプログラムを
作ったり、ビットを数えながら二進法で考えていた頃が懐かしく思
い出されます。そして、通信ソフトを自分でインストールし、モデ
ムを購入してつなぎ、それぞれの相性の間で悩んだり、パソコンの
容量の小ささに悩んだり、というのも今となっては昔話。変化の激
しい分野です。この本も、ちょくちょく改定していただけるとあり
がたい。というか、寿命的には長くはならない種類の題材ですが、
タイムリーな使命も大きい題材でしょう。付録の用語集はとても役
に立ちます。意味不明のカタカナ用語などは、引けば出ているの
で。この本は、ジュニアだけではなくて、シニアにもお薦めです
ね。第2章「インターネットの歴史と技術」は、そういう意味で、
私自身が大変役に立ちました。
 さて、著者は、「個々の小さなコミュニティーの充実こそが全体
の充実につながると考えるインターネット」と言っていますが、ま
さにそういった価値の転換点に私達の時代はあるのだと感じまし
た。私のある友人(小さなベンチャーで、ソフトやホームページの
作成などをしている)は、「人間中身がなくちゃだめ。結局、何を
表現したいか、でしょ?パソコンだけ使えたって何にもならない
よ。」と言っていました。本当にそうだなと感じます。本当の意味
でのコミュニケーション能力が、実は試される場でもあると感じま
す。何のためにホームページを開くのか、その目的の実現のために
はどのように構成するのが適当か、など。教育現場で、この点は、
今後特に意識されるべきでしょう。
  学校で教えなくても、ほとんどの生徒がインターネットを使う
ようになりました。この本には、学校では教えていない、でも今ま
さに必要な知識や考え方が詰まっていると感じます。アイデア次第
で、本当に色々なことができるけれど、その世界のルールを知るこ
とは大切です。中高生は、まだ怖いもの知らずで、彼らの話にひや
ひやすることもよくあります。個人情報の管理など、独立した個人
としての常識も問われてしまいます。しかし、それを教える場、人
はどこなのかしら、と思うのです。
 第5章「コミュニケートする学校」からは、これからの新しい学
校の姿がイメージされます。現場の先生方の苦労が伝わってきまし
た。桜丘女子のWebサイトには感心しました。保護者や関係者との
コミュニケーションツールとして用いていくというのが、これから
の方向性でしょう。インターネットを強力な武器としていきたいも
のです。また、Webページ製作作業を通して、発表のプレゼンテー
ション力がアップしていくということは、教員として特に意識して
いきたい点だと感じました。
 生徒にも薦めたい本ですが、大人にもうれしい本です。そして、
時代の方向性、教育の方向性について考えさせられました。
 北星学園新札幌高等学校司書の柴田さんから。岩波ジュニア新書編集部に送られてきたものです。
 ジュニア新書モニターをしている、北星学園新札幌高等学校
(2002年4月より北星学園大学付属高等学校に校名変更)司書の柴
田と申します。本を送っていただきありがとうございました。本に
ついての感想を書かせていただきます。
 「インターネットを使いこなそう」は、全体的にわかりやすく説
明されていましたが、情報検索についてもう少し掘り下げた記述が
あるとよかったと思いました。この本はあくまでもインターネット
についての本ですが、冊子体としての図書資料との具体的な比較が
あると、両者の特性をより理解してもらえると思います。
 「高校生なんでも相談」は最近の高校生の事情にマッチしたよい
内容だと思います。図書室でも生徒に薦めてみたいです。欲を言え
ば、異性関係についての相談の例がもう少しあった方が、生徒もよ
り興味を持って読んでくれるのではないかと思います。図書室を利
用する生徒の話の中で一番聞こえてくる話題は、やはり異性関係で
すから。
 都留文科大学講師の畑中さんから。岩波ジュニア新書編集部に送られてきたものです。
「インターネットを使いこなそう」    中村正三郎編著

現在はコンピュータの時代、世の中はコンピュータがなければ動き
ません。ひと昔前には、想像もできなかった発展の速さです。それ
と共に、コンピュータがらみの犯罪も増えてきました。
普通は、新しくパソコンに触れる人も、新製品に買いかえた人も、
立ち上げてメールの送受信ができた、インターネットにつながっ
た…と、これで喜んで、早速仕事や趣味に使います。コンピュータ
とは何なのかなど、あまり考えることはないでしょう。

かなり飛躍をしますが、これでは、体ができあがって、予防注射も
終わってしつけも済んだ大人の犬を買ってくるようなものです。元
気がない、お腹をこわしたようだ、風邪をひいたのかなと、朝から
晩まで心配して、ときには徹夜で見守りながら子犬から育てるのと
は違います。
コンピュータも、これと同じような気がします。初心に返ってコン
ピュータとは何なのか、どのように発展し使われてきたのか、から
勉強してほしいのです。コンピュータは何ができて、何がその限界
なのか、インターネットとは何なのか、抱えている問題点は何かな
どを考えて、はじめてコンピュータ社会に生きる自分なりの倫理観
が育つのです。まさに本書は、こうした要望にしっかり応えてくれ
るものになっています。ぜひ、若者たちに読んで欲しい、また、現
在パソコンを使いこなしている大人たち、先生たちにも読んでいた
だき、自己のコンピュータ観を確立して欲しいと思います。
■214ページの下から8行目のホームページの英語スペルは、「home page」がいいのか「homepage」がいいかという問題(2002/02/23)

 この件については、ASAHIネットのjouwa/salonや、私のウェブで意見を募ったら、さまざまな意見が寄せられています。ぼく個人は、「home page」と2語に分ける方がいいと思っていますが、世の中「homepage」もあるようで、それならそれでいいかなと思っています。^^;

 ASAHIネットのjouwa/salon。ふねをさんから。

いま、手近な辞書を調べてみたところ

・小学館「ランダムハウス英語辞典」(CD-ROM):
 homepageでも、home pageでも検索できる
 (両方の綴りが見出し語として並記してある)
 語義は「ホームページ:ワールドワイドウェブの情報画面」

・研究社「英和コンピューター用語辞典」(2000年):home page
 語義は「ホームページ、HP インターネットのWWWで、ある情報発信者が
 発信するページの総体;元来はその入り口となる表紙・目次のようなページ
 (=welcome page)」
 用例として "set up a home page on the Internet"
 とあります。

・Oxford Exglish Dictionary CD-ROM version 2.01
 見つかりませんでした。

・日経BP「情報・通信 新語辞典」2001年版
 ホーム・ページ [home page]
 語義は長いので省略します。

・日経BP「情報・通信 新語辞典」97年版
 上に同じ

こうやって見ていると、どうも「両方使われている」ようです。

 ASAHIネットのjouwa/salon。Kenjiさんから。

Google検索によれば
www.nasa.gov では home page
www.nsf.gov では home page
Yahoo! では home page
www.w3.org にも home page
ですねえ。もっとも、 homepage でもたくさん出てくるので、
どっちでもいいのではないかという気はします(慣例としては)。
個人的には2語かなあ。

 これへのコメント。

 ぼくも、Kenjiさんと同じく、Googleで調べてみたんです。
 それで、Kenjiさんが挙げているように、インターネットの初期からあるサ
イトほど、home pageと2語だなあと思いました。
 だから、homepageは、割と新しいんじゃないかなと。

 メールも頂戴しています。ASAHIネットのjouwa/salonで紹介したものから。

---
 メールでも情報をもらっています。
 小池さんから。
--- ここから ---
さて、homepageかhome pageかの話ですが、2語になっているhome pageという
のは信頼できる新聞や雑誌では見た記憶はありません。
homepageは実際に使われていますし、間違いではないようですが、それほど多
くは見ない気がします。
日本語の「ホームページ」の意味ではWeb pageかWeb siteが多いような気がし
ます。普通、頭はcapital letterです。
HPという略語はHewlett Packardをまず連想するようで、これは日本人が書く
文章以外ではみた記憶はありません。

以上ですが、私は英語の専門家ではありませんので信頼できる情報とは言い難
いですが、一応英検1級をもっており、英語を趣味としています。(^^;)
--- ここまで ---

 ぼくは、経験上、インターネットの初期からあるサイトほど、home pageと2
語に分けていると感じています。ウェブと新聞や雑誌は違うでしょうが、信頼
できる新聞や雑誌で、2語になっているのを見た記憶がないというのは、ちょ
っと驚きでした。
 染葉さんから。
--- ここから ---
英語のPAGEには、日本語で「(紙などを)めくる」という意味がありま
す。 HOME(家庭)をめくるわけにはゆきませんし、出発点のページで
すから、一つの単語とするのが合理的だと思いますよ。
--- ここまで ---

 染葉さんの意見はぼくには全然納得いかない話です。
 そもそもぼくが2語で書いたのは、home pageがUNIXなどでいうhome 
directoryのことだと思っているからです。
 WWWを考案したTim Berners-Lee自身が、ウェブサイトのことをhome pageと
いってしまう誤用について書いていて、いま、その文書がちょっと見つけられ
なかったのですが、しかし、いってたことはよくわかって、先に述べたように、
home pageというのは、ブラウザを起動したときに最初に表示されるページの
ことで、UNIXでいえばhome directoryのことなんですよね。
 home directoryが1語のhomedirectoryになっていることは聞いてないので、
homepageも1語になっているのが、ある意味不思議というか、言葉は生き物だ
なあと思いました。pageが文字列として短いから、くっつけやすかったんでし
ょうかね。^^;

 ぼく個人は、どっちでもいいんですが、辞典の類が1語にしているのが、多
いなら1語でいいかなと。

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