作品の知名度、コアなファン層の多さからもカヴァーありそうなのですが意外に無いガンダムの歌。ちょうど今年一枚発売されたのでどうせならと御紹介します。
まずはMR.BIGのギタリスト、リッチー・コッツェンによるガンダムソングカヴァー集。ヘルシングのエンディング(だったかな?)もやってます(バンド名義)。洒落にならんほどビッグネームなんですけどアニメファン的には…どうなんでしょう。
内容はリッチーによる流麗かつダイナミックなハードロックギターとソウルフルなヴォーカル満載。曲の良さを生かしたというか、愛情持ったアレンジは好感持てます。洋楽好きには同僚の変態ベーシスト、ビリー・シーンが何曲か一緒にやってるのも聴き所。オリジナル曲も作ってたりして、好きなんだなぁ…。
こうしてカヴァーを聴くと、ガンダムの曲って初代はともかくとして、アニメっていう枠に捕われていない楽曲だったんだと再確認。僕は初代の曲の方が好きなんですけどね。
楽曲解釈の問題は好き嫌い別れるかもしれません。僕みたいな好き者は楽しんでますけど、ガンダム(特に初代)原理主義者にはどう聴こえるのかなぁ?「外人がアニメに(特に我々の)ガンダムに乗って商売してやがる、あいつらどうせ解らないだろ!」なんて意識丸出しにするのかなぁ?
そんな事はさておき楽曲ですが、アルバムタイトル曲の「哀 戦士」よりもニール・セダカ作曲の「Z・刻を越えて」のほうが僕にはカッコ良く聴こえます。外国人作曲で解釈がしやすかったのかな?悪くはないんですけどね。なんか本末転倒ですが、「哀 戦士」は歌詞の(日本語の)響きを含めかっこいい作品なので、ちょっと英訳は…なんて思ってしまいました。ただ、曲のみを抽出した場合はとてもかっこいい。
「風にひとりで」は訳詞の都合上でしょうか、全く別の曲に。でもいいんだよなぁ、ヴォーカル上手いし。
Gacktの曲は…いらないなぁ(笑)。やらんでもよかったんじゃないかぁ?その辺りは営業上、ちょうどZの映画公開と合わせて発売されたのでってところでしょう。
僕個人としては私の愛唱歌「シャアが来る」をやって欲しかったのですが。これはマニアの戯言です(笑)。
…で、もうひとつ。今は亡き池田貴族が99年に出した「サイケガンダム〜逆襲のフォウ〜」についても触れておきます。タイトルは…サイコガンダムのもじりですね。この辺りのセンスが僕は大好き。
池田がガンダム好き・フォウ好きという所から始まった様な企画なのでしょうか、音楽もやっている(って音楽が本業か?)池田自らがプロデュースもこなす気の入れよう、編曲はイケダNT研究所とありますが池田本人と思っても差し支えないと思います。そしてジャケは北爪!ここまで来ると笑えます。
Z・ZZはオリジナル歌手に歌わせ、池田本人も初代ガンダムのOP/EDを歌っているのですが、最大の聴き所は曲間のブリッジに「島津冴子」が台詞を入れている所(全てではないですが)です。やっぱフォウはこの声じゃないとね!
今で言う池田の「萌え」な部分なのでしょう、とても良いインパクトになっています。台詞回しもまた絶妙で僕もちょっときちゃいます(笑)。
本題のサウンドですが、基本は打込リズムにサイケ色(特にギター)を足したバックトラック!ドラムンベースの様な(様ながポイント)のもあったりして、さすが90年代の後半ですねぇ。こっちはこっちでまたかっこいいです。
紹介した両作ともにイイ作品で聴きごたえがありますが、日本人と外人との意識の違い、作品を中心に見る外国人と作品を見ながらもキャラ萌えに入る日本人との差が表れています。コアな所でとても思い入れが感じられる「サイケガンダム」の方が僕としては好きかなぁ?やっぱ僕は日本人です。
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