クラヴィコード製作日記 − 98.4




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98.4.12

製作を開始した。最初に製作用のクランプをつくる。写真aはその完成品。

a

98.4.14

baseboardに反りをつけた状態でdiagonal braceという斜交いを固定する。写真aは接着中,写真bは接着作業が終了した状態。

a

b

98.4.16

右手にwrest plank(チューニングピンを挿していく角材)を固定する(写真a)。

a

98.4.19

同様に左手にはbass hitchrail(弦を引っかけるピンを挿していく角材)を固定する(写真a)。wrest plankには,低音の共鳴のための切れ込みをつける(写真b)。baseboardの裏からwrest plankとbass hitchrailに向かって木ネジ(2インチ)をさすが(写真c),その下穴が説明書では「3.8mmのドリルで50mm,その上から4.5mmのドリルで20mm」となっていた。3.8mmのドリルがなかったので4.0mmで代用したが,それでやってみると,木ネジが2cmほど突き出したところで,いくらやっても回らなくなってしまった。説明書では,「固い場合は電気ドリルを前後左右に回して少し穴を広げてみるのがよい」とあったのでそうしたが,全く変わらなかった。たまらず4.2mmのドリルを使ってしまったが,それでも木ネジが1.5cmほど突き出したところで,それ以上進まなかった。面倒くさくなって,4.5mmのドリルで深さ50mmまで穴を広げてしまった。それでやっとなんとか全長が埋まるようになったが,それでも相当固かった。更に説明書では「木ネジの皿が埋まるまで回せ」と書いてあったが,とてもじゃないがそんなに回せる固さではなかった。仕方ないので小刀で穴の周りを皿状にカットして,ようやく木ネジの皿を全部埋めることができた(写真d)。つぎに本体の周囲の板を張っていく。この日はまず右側を固定(写真e)。

a

b

c

d

e

98.4.25

次に本体前面の板を張るが,本体周囲の板は,微調節のために若干寸法が大きくカットされているので,これをノミで少しカットし,丁度よい寸法になったところで糊付けする。ハタ金(クランプ)を使ってwrest plankに密着するようにし,またbase boardとなるべく垂直を保つよう,仮止めテープも使用した(写真a)。

a

98.4.26

本体前面の板は固定された(写真a)。次に順に左側,後面の板を貼って行くことになるが,左の板の長さの微調整に若干失敗し,削りすぎた。これは後で修正することにし,後面を先に固定した。次にはback-touch rail(本体後面に接した板材)を固定することになるので現物あわせをしてみたところ,左端がごくわずか幅広すぎ,入らなかったので,1ミリほど削った(写真b,c)。 一方,他の部品の加工もある程度平行して進めることにした。まず,belly rail(響版の左端を固定する部分)にあける音穴の加工を行った。最初の状態は直径2cmほどの穴がいくつか並んであいているものだが,これを連結し,長丸穴に仕上げる(写真d,e)。 次に,鍵盤の加工も少し行った。鍵盤は半オクターブ分がつながった形のものが供給され,取りあえず一番下の組から始めてみる。説明書には最初に全ての鍵盤を並べて,案内線とそれをある程度の深さにけがいた装飾線をひくようになっているが,現物には既に案内線が2本ひいてあり,これを元にすれば特に全てを並べる必要はなかった。バランスピンを通す穴を,附属の工具でたたいて所定の形にする作業を行った(写真f)。

a

b

c

d

e

f

98.4.29

back-touch railを接着し,更に釘を打ちつけた(写真a)。説明書では釘はそのまま打ち込んでしまってよいと書いてあったのでそうしてみたが,上にrackを乗せてみると,かなり打ちつけても釘の頭がどうしても邪魔になって浮いてしまうので,ヤスリでなるべく削って頭がback-touch railの面から出ないようにした。釘を打つ場所が少し内側過ぎ,rack(鍵盤のガイドのためのスロットが切ってある角材)を乗せたときに一部見えてしまうものが出てきてしまったが,今更仕方ない。次にrackを接着した。本体後面の板を糊付けしたときには,baseboardとの直角はなるべく気を使ったつもりだったが,rackを乗せてみると密着しない(rackの反りの可能性も無くはない)。そこでクランプを上下,前後の両方になるべく均等に力が加わるように使用して固定した(写真b)。 一方,前に削りすぎた,本体左側面の板を修正するため,材質(マホガニー)の色となるべく近い材料としてカリンの板を購入し,これを削りすぎた面に糊付けした(写真c)。本当は木目の方向をそろえるべきところだが,それには購入すべき材料が大きくなり過ぎ,また適当な工具もないので,若干難はあるが木目の方向には目をつぶることにした。

a

b

c

98.4.30

左側板につけたカリン材を削り,本体に合うように仕上げた(写真a)。

a



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