サウンドのノイズ除去
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だいぶ前,テレビか何かで昔録音されたテープなどからコンピュータを使ってヒスノイズを取り除く技術があるという話を聞いたことがありましたが,SoundHackにもその機能がありました。SoundHackはだいぶ前から持っていましが,先日@NIFTYのFAVフォーラムでノイズ除去の話題があったのを契機に見直して気が付きました。
ドキュメントは良く読んでいませんが,この機能は,音が小さい所を無音にする様な単純なものでなく,大小色々な音が混じっている中から,指定したレベル以下の音だけを選択的にカットする様です。ある程度本格的なサウンド処理ソフトでは,この機能を持っているものがある様です。
手持ちのテープから取り込んだ曲で試してみたところ,下記の様な操作でヒスノイズを除去できました。ただし,除去するノイズと同レベル以下の本来も音も失われるためか,静かな部分ではオーディオマニアでない私にも分かる音色の変化があります。
- サウンドデータをAIFFなどのSoundHackが対応するフォーマットにする。
- そのサウンドデータをSoundHackで開く。
- 「Hack」メニューの「Spectral Dynamics」を選択(command+D)し,以下の設定を行う。
- ポップアップメニューで「Gate-Duck」を選択。
- 「Bands」というポップアップメニューは,周波数帯を幾つに分割して処理するかということの様ですが,大きくした方が結果が良い様に感じました。また,大きい方が処理が速い様です。(PB2400c/G3 400MHz+SoundHack0.888PPCでは,図の設定で再生速度と同じかちょっと速いくらいです)
- 「Lowest Band」と「Highest Band」は,処理対象とする周波数帯を指定する様です。図の例は全域を対象とすることになると思います。
- 「3rd Octave Band Grouping」と「Use Smoothed Amplitude」は,ヒスノイズ除去では図の様にするのが良さそうでした。
- 「Gain/Reduction(dB)」は,処理対象とする音のレベルをどう変化させるかということで,ヒスノイズ除去では大きな負の値を指定します。-120dB当たりでほぼ完全に消えると思います。ヒスノイズと同レベルのノイズ以外の音が消えることで音色が変化したりするのが困る場合,ノイズの完全除去は諦めて減衰量を控え目にするのも良いかも知れません。
- 「Below Thresh」にすると,「Threshold Level(dB)」に指定したレベル以下の音が処理対象となり,「Above Thresh」にすると「Threshold Level(dB)」に指定したレベル以上の音が処理対象となります。このため,図の設定を「Above Thresh」に変えると,除去される音を確認できるということになると思われます。「Above Thresh」の使い方としては,邪魔な音に埋もれた小さい音を拾い出すのにも使えそうです。刑事ものドラマなどで,犯人が電話を掛けて来たとき,かすかに聞こえる特徴的な背景音から居場所を突き止めるってのがありますね。
- 「Threshold Relative to Peak Amp.」をチェックしない場合「Threshold Level(dB)」は最大レベル(0dB)を基準にしたレベルになり,「Threshold Relative to Peak Amp.」をチェックした場合はその時々の一番大きな音のレベルを基準にしたレベルということの様です。ヒスノイズ除去ではここはチェックなしがよい様ですが,騒がしい所で会議や口述を録音したものとか,音楽関係で1つのパートだけ録音したものを処理する場合はチェックする使い道もあるでしょうか。
- 「Use Soundfile for Thresholds」は,周波数帯ごとに異なるレベルを設定したい場合に,各周波数帯に目的のレベルの音を含むファイルを指定する様です。(ヒスノイズだけのサウンドファイルを指定するとか)
- 図の様に単純に「Threshold Level(dB)」で指定する場合,処理するデータ毎に適切なレベルを探します。SoundHackは,Controlメニューで設定を保存することが出来るので,予め「Threshold Level(dB)」を変えた幾つかの設定を保存して置き,それをダブルクリックして設定を切り替えると楽でした。
- 図のdB値などの入力エリアが狭いため上手く表示されない場合がありました。このため,ResEditで表示エリアを拡大する改造をしています。
- 最後に「Process」ボタンを押し,格納先を指定。試しでちょっとだけ処理するときは,途中で「command+.」で停止して処理した部分だけ聞けます。
SoundHackは見栄えは一見あっさりしていますが,上記の機能以外にも色々と高度な機能があり,凝ったサウンドを作るのに役立ちそうです。
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