SHOH's LIVE REPORTS

Midge Ure (May 8,1999 at Sweet Basil 139,Tokyo)


THIN LIZZYというより元ULTRA VOXというほうが通りがいいんだろうな。でも、私としては元THIN LIZZYで、しかもソロアルバム「BREATHE」にHOTHOUSE FLOWERSのリアムが参加していたからという理由で聴いたものだから、ULTRA VOXはまったく知らないままのライヴ初体験。

一応チケットを予約する前に彼のホームページで最近のライヴのセットリストを確認したところ、「BREATHE」からの曲がほとんどということで行く決心をした。決心なんていうと大袈裟だけど、1時間ちょっとのショウで7000円だもの、慎重にもなる(^^;)。

初めての会場だったが、BLUE NOTEよりはもっとレストランっぽいというか、空間がたっぷりとってあって落ち着ける。ハードなロックのライヴには向かないが、お酒を飲みながら座ってしっとりと聴きたいものには向いていると思う。そのわりにはラインアップがいまひとつ不可思議なのだが・・・(^^;)。

ショウは30分ほど遅れて開始。ステージに登場したミッジは予想以上に小柄で地味。フード付きで袖に白いラインの入った黒のジャージのような服を着ているせいもあるのだが、田舎の高校の体育の教師みたい。髪もかなり少ない。でも、顔は意外に若々しくて、そんなに不健康な生活はしてなかったのかな、という感じ。

ミッジがギターを弾きながら歌い、バックはキーボード、ドラム、ベース、それにギターやらイーリアンパイプやらマンドリン(?)やらを忙しく持ち替えて演奏する人の計4人。

「BREATHE」のタイトル曲では女性の声をテープで流したりして、小人数でもちゃんとアルバムの音をそれなりに出していたのには感心。 いちばん驚いたのはミッジがちゃんと歌えること。こんな書き方をしたら失礼だけれど、私としてはthin lizzyの助っ人ギタリストとしてのイメージしかないのだから無理もないでしょう? ソロアルバムでもゲスト・ヴォーカリストをたくさん使っていたから、本人はあまり歌えないのかと思っていた。

が、顔は苦しげにゆがめながらではあるが、声量もかなりあるし、高い部分のファルセット・ヴォイスの加減もなかなかよく、とても気持ちよく聴くことができた。

下調べ通り、セットリストは「BREATHE」からの曲がほとんどに、私は知らなかったが客席がどよめいたULTRA VOXの曲を2曲ほどやった。1時間じゃ短すぎると思っていたけれど、座ってじっくり歌の世界に浸れたせいか、終わったときに物足りないという気分にはならなかった。コストパフォーマンスを考えると疑問な点もあるけれど、ライヴ・パフォーマンスとしては文句のない出来だったと思う。どうせだったらちゃんとしたライヴハウスでやればいいのになあ。


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