今回が初めての MEGADETH 体験で す。というのも過去ずっとデイヴの声が苦手で MEGADETH というバンドが聴け なかったのです。前々作(?)の中の "FFF" を友人からバンド名を知らされず に聴かせてもらったらとても気に入り、それからちょっとずつ馴らしてきたら新譜がまた大のお気に入りになってしまったという、にわかファンです。ですので勘違いしてる部分もあると思いますがご容赦くださいm(__)m。
正直言って、あの1回のライヴを見ただけでは 「家でアルバムを聴いていれば充分かも」 と思いました。7500円あれば、まだ持っていない過去のアルバムそろえられますから。なんといってもがっかりしたのが 「遅かった」 ことです。別に彼らが速いだけのスラッシュメタル・バンドだと誤解しているわけではないんですが、もっと緊密で緊張感のある演奏を期待していました。全員が手探りで演奏しているように感じてしまいました。頭を振ろうと思っても、必ずどこかで外される部分があるというのは、かなり消化不良状態になりますね。ドラマーのリズム感がイマイチなのがすべての原因のように思えましたが、どうなんでしょう?
私はマーティがいた頃のライヴを見ていないので、代役のアル・ピトレリはとてもよく弾けていると思いました。けっこうスポットライトも当たっていました。途中で一度、彼がステージの左側にきて弾いていたら(定位置は右)、デイヴが小さく顎で合図したときがありました。そうしたら彼、あわてて定位置に戻り、そこにスポットライトが当たってソロを弾きはじめたという・・・。あれは、ソロを忘れて左側に行ってしまったアルにデイヴが教えてあげたのでしょう。でも、デイヴに顎で使われてる雇われギタリストの図にも見えて、思わず笑ってしまいました。あ、でも、期待していた "She-Wolf" でのツインギターのハモリの素晴らしさには感動。うん、あれが聴けたから、やっぱりライヴに行った価値はあったかな(=^^=)。
それにしても、デイヴのパフォーマンスが予想していたよりずっと繊細で、なおかつフレンドリーなのに驚きました。もちろん、いい意味でです。身体つ きのせいなのかもしれませんが、手や指先の動きがとても華奢で美しい。ギタ ーを弾くために右の肘を曲げた状態から、ぱっと腕を横に払うようにするポー ズがお得意のように見えましたが、その仕種はまるでダンサーのように優雅で した。曲が終わったあとに深々と頭を下げる姿や、マイクスタンドにつけてい るピックを客席に投げてあげる様子にも驚かされました。ひとつだけ残念だったのは、ビデオクリップを見るたびに感嘆していた、スリムジーンズに包まれた長くてすらっとした脚が見られなかったことです。腿のあたりにやけにゆとりのあるストレートパンツを履いていましたが、あれはやはり体型の変化を隠すためなのかなあ。上半身を見る限りではとても引き締まっているように見えましたが。
私は1階席の後ろのほうだったので床が高くなっていて、ステージ全体が見渡せる位置だったんですが、どうしても視線はデイヴのほうに行ってしまいました。あの髪がまた絵になる。昔からの MEGADETH ファンに言わせると短くなってしまったようですが、量が多いから、頭を振ったときの迫力があります。あと、どの曲のときだったかなあ、最初に 「ハロー!」 と言ってオーディエンスにも 「ハロー!」 と返させたあとに、冗談のつもりで 「サバ?」 「ブエノスディアス?」 と続けたら、あんまりわかってもらえなくてシラけてしまいました。その時のデイヴの反応が、いかにも 「不器用な生き方しか出来ない男」 らしくて気に入りました。←変なヤツかも〜(^^;)
「RISK」 が気に入ってライヴのチケットを買ったくらいですから、「RISK」 からの曲がどんなふうに演奏されるのかとても楽しみにしていました。なかでもメロディアスな "Breadline" には期待していたのですが、これにはかなりがっかりしました。他の曲と違いすぎるので浮いてしまう、というのもあるでしょうが、最大の問題は練習不足ではないかな? メリハリがなくて、ダレダレで、途中でもうやめてほしいと思いました。ノリやすい "Crush 'Em" のほうはオーディエンスの参加もあり、凄い迫力だったんですが。
アンコールは2回あったのですが、最初のアンコールは BLACK SABBATH の "Paranoid" で、これは後で友人に聞いたらライヴでの定番カヴァーだそうですね。でも、私は知らなかったのでびっくりしました。しかし、演奏のテンションが低く、あっさりやってあっさり引っ込んでしまったので物足りなさを感じました。適当にお茶を濁してる印象が強かったです。
2曲目のアンコールは予想通り "Anarchy In The UK" でしたが、これはどうなんだろう? 曲の内容といい、アナーキーでもなんでもなくなった大人のバンドとしてのキャリアを考えても、もう演奏することにあまり意味はないのではないかと思ってしまいました。他にいくらでも自分たちの曲でいいものがあるわけですしね。ただ、このあたりは、代役のアルがオリジナルの曲をそんなに覚えきれなかった、という事情もあったのかもしれません。
私は、ロックバンドというのは、よいアルバムを作ることはもちろんです が、ライヴでタイトな演奏が出来ることも必須だと思っていますので(もちろ ん最初からライヴをしないと決めているバンドは別ですが)、今回の MEGADETH のショウにはちょっと落胆しました。もちろん事情(マーティが抜けてしまい、代役を立てなくてはならなかった)は承知していますが、だからといってチケット代を割引してくれたわけではありませんし(^^;)。
このあと正規の後任ギタリストが決まり、一緒によいアルバムを作り、そのメンバーで来日ということになった場合は、また行くと思いますが、ドラマーに関しては不安が残ります。
- Prince Of Darkness
- Holy Wars
- Darkest Hour
- Reckoning Day
- Hanger 18
- Breadline
- She Wolf
- Tout Le Monde
- Almost Honest
- Use The Man
- Crush 'Em
- Trust
- Sweatin Bullets
- Symphony
- Peace Sells
- Encore -
- Paranoid
- Anarchy In Tokyo