SHOH's LIVE REPORTS

Buckcherry (January 1,2000, Zepp Tokyo, Tokyo)



旦早々、お台場に行ってきました。ZEPP TOKYOは初めてだったのですが、最寄り駅にさえ着けばなんとかなるだろうと思ったのが甘く、臨海副都心線の東京テレポート駅で降りても、どっちに行っていいのかなんの標識もなく、20分以上も無駄に歩いてしまいました。なにしろ元旦なもので駅も無人で聞く人がいないんですもの。

それでもなんとか開場には間に合い、入ってみると中はかなり細かくブロック分けされていて、前のほうは段差がまったくなくてステージが見えそうにないので、うしろの1段高くなったところの柵に陣取りました。

開演直前にMETALLICAの"Seek And Destroy"がかかるとフロア全体から腕が突き上げられ、一緒に叫ぶ声が聞こえます。もうみんなやる気充分という感じ。個人的にはこの日いちばん燃えたかも(^^;)。

前のほうはかなりぎっしり入っていましたが、私のいた前のFブロックから後ろは人と人の間にちゃんと間隔をおいて立てるくらいの混み具合で、全体としては9割くらいの入りだったのでしょうか。演奏が始まると前のほうではかなり暴れてる人もいるみたいでしたが、私の周囲は首を振ったり腕を振り上げたりする程度で、いたってラクに見ていることができました。

メンバーは想像していたよりはずっと普通のお兄さんたちで、ちょっと拍子抜けしました(^^)。ただドラマーの腕がものすごく太くて、それにふさわしいヘヴィーな音を聞かせてくれたのは予想外の収獲でした。もっとノリ重視で軽い感じの音かと思っていたもので。ギターの音色も時々「お」と思わせるものがあったのですが、残念なことにライヴが進むにつれて音量がだんだん大きくなっていって、最後のほうには気分が悪くなりそうなほど全体の音が大きくなってしまったので、音色うんぬんと言ってられなくなりました。いくらロックンロールだからって、限度ってものがあります。鼓膜に釘をつっこまれてるような気になるほどの音量は非常識だと思いました。

ヴォーカルのジョシュアは、最初は白っぽい長めのコートを前をはだけて着ていましたが、3曲目くらいで脱いで、例の刺青がいっぱいの上半身を見せてくれました。いやあ、めっちゃめちゃいい体。贅肉のひとかけらもなく、筋肉の標本みたいです。上半身と下半身を微妙に動かしながらステージをすべるように動くパフォーマンスは、なかなかの見物でした。ただ、曲によってはそれほど動かずにいたりすることもあって、動きを練習してる曲としてない曲があるのかなあ、なんて思ってしまいました。真ん中分けした髪を両方の耳にかけているのですが、動いてそれが乱れると、いちいち神経質に直しているのも見ているほうからは気になってしまいました。無意識にやってるんでしょうが、ああいう癖ってフロントマンとしては早く直したほうがいいんじゃないかなあ。

観客の反応は前のほうでは最初から最後まで熱狂的で、みんな飛び跳ねていましたが、私がいるあたりから後ろは途中からだれてきたような感じでした。曲がどれも似たような感じであるのに加えて、パフォーマンスも同じようでメリハリがないので、ちょっとあきちゃうんですよね。たった1時間だったんですが、もっと長く感じました。

悪くはないんだけどいまひとつ強烈にこちらを惹きつけて離さないだけのものがない、これは多分キャリアのせいもあるのでしょう。ジョシュアの背中の刺青がトランプ模様だったせいもあって、凄みよりもきれいな包装紙でも見ているような気になってしまったのと同様、彼らのパフォーマンスも、今までにロックの世界を揺るがせてきた色んなバンドに似てはいるんだけれど、彼らが持っていた破壊的なほどのパワーというのは感じられませんでした。それとも私の感性が鈍ってきただけなのかな。

  1. Dirty Mind
  2. Lawless & Lulu
  3. Baby
  4. Late Nights In Voodoo
  5. Fastback 69
  6. Related
  7. Dead Again
  8. Check Your Head
  9. Lit Up
  10. Drink The Water
  11. For The Movies
  12. Crushed
    - Encorer -
  13. Borderline
  14. Get Back
  15. Anything



2000 I INDEX I Bの目次へ I TOP PAGE