日々のあわわ

● Mail Magazine　日々のあわわ 2003年07月20日(日) 第72号

～○。今日のあわわ～～○。～○。～～○。～○。～～○。～○。～

　自転車吐息

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　私の住んでいる千葉ではまだまだ梅雨明けしてくれないのですが、みなさん、じめじめしていませんか？

　梅雨のない国、フランスでは今、自転車レースのツール・ド・フランスが行われています（27日まで）。今年でツール・ド・フランスは100周年。今回は、この記念すべき年に栄光のマイヨ・ジョーヌ（総合チャンピオンに与えられる黄色のジャージ）を着るのは誰か……という話ではありません。クラフトワークのニューアルバム「Tour De France Soundtracks」がでるという話です。いつもながら強引なオチの付け方ですみません。

　クラフトワークって誰？という人のために、ちょっと説明します。クラフトワークはドイツのテクノユニットです。1968年、ラルフ・ヒュッターとフローリアン・シュナイダーが出会い、オーガナイゼーションというユニットを結成しました。それは商業的には成功しないまま解散。二人は70年にクラフトワーク（ドイツ語読みではクラフトヴェルク。発電所という意味）として再出発します。ラルフ・ヒュッターとフローリアン・シュナイダー以外は何度かメンバーをチェンジしながらヒット曲をとばし、「アウトバーン」（74年）「放射能」（75年）「コンピューターワールド」（81年）「エレクトリック・カフェ」（86年）などのアルバムをマイペースでリリース。現在のテクノのオリジネイターのオリジネイターともいうべき存在です。81年、98年、02 年に来日してライブもやっています。

　そんなクラフトワークの新しいアルバムが出る。

　この話を聞いたときはびっくりしました。だって、新譜の噂があるたびに、誰もが、「本当に出たらいいけど、きっとウソだよ」と半ばあきらめ気味で聞き、そのあげく噂はがせネタで、思った通りだったということが長く続いていたのです。それが、正式アナウンスがあったと聞いた日にゃあ、驚かずにはいられません。リミクス盤「THE MIX」（91年）、シングルでは「Tour De Fr ance」（83年にリリース、99年に再発）「Expo 2000」（99年）などが出てはいましたが、アルバムは「エレクトリック・カフェ」が出てから17年ぶりですよ。クラフトワーク聞くのに、一生かけろってことですか。

　そのアルバムのタイトルが「Tour De France Soundtracks」。「『テクノポップ』じゃないの？」と思った私は過去を引きずりすぎていたようです。

　アルバムに先立ってシングル「Tour De France2003」（以下「03」とします）が発売されたのですが、これは83年のシングル「Tour De France」のリミクスかと思ったら、全く違う曲でした。これを聞いて、やっと、ニューアルバムも本気なんだろうと思いました。

　「03」のケースには「CENTENAIRE DU TURE DE FRANCE 1903・2003」とステッカーがはってあります。ということは、これはツール・ド・フランス 100周年記念グッズみたいなものなのか？　レコード屋さんのHMV（http:// www.hmv.co.jp/）のウェブによると「『Tour De France Soundtracks』はツール・ド・フランス100周年を記念したものとなるようで、曲は「03」を中心にツール・ド・フランスのサウンドトラック的なものとなるらしい」とありました。でも、発売日は輸入盤が8月4日で、国内盤が9月10日。ツール・ド・フランスは終わっているのですが、関係ないのかな。

　コンセプトやタイトルにツール・ド・フランスをもってきたのは、ひょっとすると、ラルフ・ヒュッターがあいかわらず自転車キチガイで、ツール・ド・フランス100周年に浮かれてしまったあげくのことかもしれません。もしも、そうだとしたら、ラルフ・ヒュッターはかつて自転車事故で死にかかって、アルバム「テクノポップ」の制作を中断させたこともあるのに（「テクノポップ」はほかにもいろいろあって、断念された。83年のシングル「Tour De France」は「テクノポップ」に入る予定だった。そのほかの曲はリワークされて「エレクトリック・カフェ」に収録）、こりないオヤジだってことですね。

　もっとも、「03」はおもしろかったので、新しいアルバムにも期待しています。あとは、また来日してライブをしてほしいなあ。せめて、この10年ぐらいの間にね。

～○。あわわ後記～～○。～○。～～○。～○。～～○。～○。～

　私は99年に再発されたシングル「Tour De France」を持っていますが、このCDにはプロモーションビデオが入っています。昔のツール・ド・フランスの様子を収録したモノクロ映像でした。しかし、「Tour De France」には本来、もう一つプロモビデオが存在していました。それは、当時のクラフトワークのメンバー4人（ヒュッター、シュナイダー、カール・バルトス、ヴォルフガング・フルーア）がひたすら自転車こいでるというものだそうです。バルトスとフルーアが脱退したため、このビデオは現在、お蔵入り。今度、出る新譜につけてくれないかなあ、などと思いますが、絶対無理でしょうね。

　でも、すごく見てみたいので、映像を持ってる方、御一報ください。

　今回は、いつもにまして極私的でわかりにくい話ですみませんでした。

　次回は08月03日（日）を予定しています。

　どうぞ、よろしくお願いいたします。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　真魚

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　e-mail：92104094@people.or.jp

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