日々のあわわ

● Mail Magazine 日々のあわわ 2002年08月27日(火) 第51号

〜○。今日のあわわ〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜

 陽はまた昇る

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 みなさんは、NHKの「プロジェクトX」という番組をご存知ですか。NHK のウェブの番組紹介によると「熱い情熱を抱き、使命感に燃えて、戦後の画期 的な事業を実現させてきた「無名の日本人」を主人公とする「組織と群像の知 られざる物語」である」だそうです。

 ホントはこんなこと説明するまでもない人気番組ですよね。

 人気番組ゆえ、ネットには番組のイントロ部分のパロディ映像が溢れていま す。ネタは時事ネタが多く、例えば、先日、人気漫画家が淫行で捕まったとき などは、彼をネタにしたパロディが出ていました。あの中島みゆきの「地上の 星」にのせて、漫画家の写真やマンガなどの画像と彼のプロフィルや事件の内 容を説明する文字のフラッシュ映像が流れていくといった具合。数あるパロデ ィの中には出来が良くて、おもしろいものもあります。

 こんな調子で、番組のイントロのパロディだけは、たぶん30本は確実に見 ている私ですが、本当の「プロジェクトX」となるとまともに見た事がありま せん。見た事があるのも、イントロ部分ぐらい。それも、パロディ映像を何本 か見た後に、「本家本元はどんなだろう」と思って、たまたま、番組の始まる 時間にチャンネルを合わせたという本末転倒ぶりでした(たしか、5月に放送 された「東京ドーム エアー作戦」だったと思う)。で、イントロ部分だけ見 て、「パロディ映像にそっくりだなあ」と思い、そのまま、本編を見ずにチャ ンネルを変えたのでした。

 たしかに、パロディがあふれるはずです。画像や文字の入れ方など見事に形 式が決まっているんだもの。しかも、このイントロ部分だけで、本編の内容の 起承転結をほとんど説明しています。開発の際の苦労話や危機、打開策など、 従来なら、本編まで隠しておくようなことも出しちゃいます。視聴者は前もっ て、どこではらはらし、感涙にむせぶべきか教えてもらっているのです。ご親 切なことです。それとも高齢者や心臓の弱い人への配慮でしょうか。知人から 聞いた話では、このイントロ部分からすでに涙ぐんでいる人もいるそうです。

 私が、イントロ部分だけ見て、チャンネルを変えてしまったのも、それで内 容がほとんど分かったこと、それに、本編を見る気がしなかったからです。多 分、本編は「いい話」てんこもりなんだろうなあと思うのですが、それも、会 社のためにがんばりましたっ!という雰囲気がただよっていて、いかにも、経 営者のおっさんが喜びそうな感じで、気持ち悪いんですね。

 そういえば、「プロジェクトX」でも人気のあったVHS開発の話(「窓際族 が世界規格を作った〜VHS・執念の逆転劇〜 」)が、「陽はまた昇る」と いう映画になっていましたよね。「プロジェクトX」の映画化作品と勘違いす る人もいたそうですが、あくまでも、「プロジェクトX」でもとりあげられた VHS開発の話の映画化で原作は「映像メディアの世紀 ビデオ・男たちの産業史」 (佐藤正明著)。もっとも、原作者の佐藤正明さんは「プロジェクトX」にも ゲスト出演されていたそうだし、宣伝なども、どうも、テレビの人気番組にあ やかってる感じは否めなかったし、勘違いする人がいてもしょうがないと思う けど。

 「陽はまた昇る」は見てないのですが、なぜ、見てないかというと、いつの 間にか終わってたとか、西田敏行の顔が嫌いだなどもあるのですが、何よりも、 ポスターのコピーに圧倒されたからだと思います。そのコピーとは「会社を救 ったのは会社に見放された人間たちであった」。

 そうか、会社に見放されていても、それを恨みに思わず滅私奉公すれば、会 社はまた拾ってくれるってことなんだね。これも、「プロジェクトX」と同じ ような、経営者のおっさんが喜ぶ話かい、嫌だなあ。

 しかし、社員をリストラしなきゃならないっていうのは、そもそも、経営陣 が無能無策だからですよね。そんな経営陣のために、必死になって働く必要が あるのでしょうか。世界規格を作れるだけの能力のある人たちなら、さっさと 独立して会社起こして、特許とって儲けるとか、その能力をもって、他社に売 り込み、有利な条件で雇ってもらうとかすりゃーいいじゃん。などと、思うの ですが、これも時代なんでしょうね。当時の人たちは会社の中で耐えて、我が 身を削って良いものつくって、それで、会社を見返してやるという方法を取ら ざるを得なかったんでしょう。それは、現代の大半の会社員もそうなのかもし れません。もっとも、それで、得するのは会社なんだけどね。

 なるほど、日本でベンチャーが育ちにくいわけですね。

〜○。あわわ後記〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜

 「陽はまた昇る」という映画ができると聞いた時、「プロジェクトX」うん ぬんよりも、映画でビデオ開発の話をするということ自体に、ちょっと驚きま した。かつて、ビデオは映画の敵のように、言われていたのにね。でも、今は、 ビデオ(DVD)化することを前提に映画を作る時代だし、それがなきゃ、映 画産業はやっていけないもんね。これも「時代」なんでしょうね。

 次回は9月8日(日)を予定しています。

 どうぞ、よろしくお願いいたします。

                            真魚

                   e-mail:92104094@people.or.jp

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