● Mail Magazine 日々のあわわ 2002年02月25日(月) 第39号
〜○。今日のあわわ〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜
ノストラダムス 戦慄の啓示
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先日、ネットで調べものをしていたときに、幸福の科学出版の月刊誌「ザ・ リバティ」という雑誌のウェブにあたりました。幸福の科学出版はその名から 分かるように宗教法人、幸福の科学の出版社。幸福の科学が広く知られるよう になったのは、写真週刊誌への抗議行動がニュースになってからだったと思い ます。信者には女優の小川知子さんや作家の故景山民夫さんがいます。
「ザ・リバティ」のウェブではバックナンバーの目次を見ることができるの で、つい、どんなものかとウェブを開いてみました。宗教法人の雑誌ですから、 教義のプロパガンダがほとんどで、なかには教育や経済関係の目次もありまし た。そのバックナンバーの目次で、ちょっと目をひかれたものがありました。
それは2000年３月号。「昭和天皇 霊界からの伝言」と「景山民夫さんか ら新年のメッセージ」です。御存じのように、2000年にはお二人ともすでに 故人。あの世からこの世のみなさんのためにメッセージを送ってきたそうです。 そういえば、幸福の科学っていろんな偉人の霊言を出していて、たしか、宗教 団体のGLAから教祖の名前を勝手に使ったと怒られていたこともあったなあ。
昭和天皇と景山民夫。いったい、どんなことが載っているんだろう…。見た くてたまらなくなった私は、近所の書店に頼んで、バックナンバーを取り寄せ てもらいました。雑誌の表紙からして、すでにでかでかと「昭和天皇 霊界か らの伝言（メッセージ）」とあって、びびりました。ひょっとして、店員さん に信者と思われたかもと少し心配ですが、まあ、いいか。
さて、記事によると「霊界からの伝言」とは、「人間の魂は死後も個性と知 性をもって存在する。時々、あの世の高次元世界から、高級霊が人類の向上と 発展のために霊言などの形を借りて送ってくる」ものだそうです。幸福の科学 では「死人に口あり」ってことなんですね。それにしても、高次元世界とか高 級霊とか、幸福の科学では死後の世界にも階級があるなんて、人間、うかうか と死ねないですね。
昭和天皇は高級霊になり、日本の神々が住んでいる高天原にいて、日本の行 く末を案じるあまり、1999年12月22日夜８時10分に伝言（メッセージ）を送 って来たそうです。メッセージの内容は「不況が緩和され国民が豊かになるよ うに」「（外交について、特に北朝鮮と中国の将来を思い）深い文化的理解と 共感がお互いに必要」「徳をもって民を慈しむことこそ皇室の使命」など。当 たり障りないことを言っているように見えますが、所々に「橋本龍太郎前総理 に返り咲いて、国政の改革を成し遂げてほしい」とか、「道徳が学校教育、家 庭教育によみがえることを心より祈念する」などの見すごせないというか、い ささか偏向したお言葉もあります。宗教について「あやしきものがはびこって いるが、国民が真の宗教を見い出し、美しい心を持ち、情緒豊かになることを 望む」とありますが、この雑誌でいうからには、「真の宗教」って幸福の科学 のことでしょうか？ それとも「あやしきもの」っていうのが幸福の科学のこ となんでしょうか？
記事ではメッセージにいろいろと補足説明があるのですが、ほとんどが「昭 和天皇は〜とお思いになったにちがいない」などの推測というか、希望的観測。 その書き方を見ていると、週刊誌のスキャンダル記事とあまり変わりないよう に見えます。
もう一つ、気になった景山民夫さんのメッセージはというと、天上界から新 年に向けてメッセージを送ってきたというもの。なんでも霊界は生前、大川隆 法先生の著書にあったとおりで、「『あれも本当だった。これも本当だった』 と発見、発見、そして自己確認の連続」。霊界で夏目漱石にあって「恥ずかし くて消えてしまいたくなるほど」感動、しかもノストラダムスにも会っちゃい ます。景山さんはノストラダムスに、1999年の恐怖の予言は何だったのかと ついて聞いちゃいます。ノストラダムスは「『太陽の法』が東の国で説かれ、 ヘルメスの繁栄が甦った時、わが予言は朝霧のごとく消えるしかないのだ」と 答えたそうです。つまり、1999年、世界が無事だったのは幸福の科学、ひい ては大川隆法先生のおかげということですね。もしも、予言があたってれば 「みんなが幸福の科学を信じなかったからだ」と言ったと思います。
この号には他にも、幸福の科学の霊査（霊の調査ですか？）ではカントは予 言者ダニエルの生まれ変わりで、転生する前に霊界で釈尊に指導を受けていた とか、「講釈師見てきたような…」みたいなお話も載っていました。
幸福の科学の信者の方は、この霊言とやらを本当に信じていらっしゃるんで しょうか？ 私はこの「霊界からの伝言（メッセージ）」を読んで、昭和天皇 も景山民夫さんも大川隆法さんをヨイショするために利用されているようにし か思えず、いくら死人とはいえ、気の毒になりました。こういうのって、死者 を冒涜しているってことにはならないんでしょうか？
宗教の自由は尊重します。しかし、私は言論の自由をもってこう言わせても らいます。
「馬鹿も休み休み言え」
〜○。あわわ後記〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜
また、この号には「イライラしないで生きる」という記事で、「魂の特性か ら見て、感性に優れた女性は、心のひだが深く、それが女性の美しさや優しさ の源泉である。しかし、それだけにナイーブな面も否めず、それが人間関係に おいては、極端な好き嫌いとなって現れがちだ」などのように、同じ女性なの に、私には納得できないお話もありました。なんだよ、「魂の特性」って。 「それが女性（男性）の本能だから」と言われて、いろんな理不尽を強いられ てきたのが、今度は「魂の特性」になったのか？
それにしても、昭和天皇の霊言なんて、右翼とか皇室ファンの方は怒ったり しないのかなあ。右翼の方は「噂の真相」編集長を襲撃したり、NHKに立て こもってる場合じゃないですよ。
次回は３月10日（日）を予定しています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
真魚
e-mail：92104094@people.or.jp
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