日々のあわわ

● Mail Magazine 日々のあわわ 2000年9月24日(日) 第2号

〜○。今日のあわわ〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜

フィレンツェの風に抱かれて(笑) その一

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 今年の2月、ツアーでフィレンツェに行きました。一週間ほど滞 在して美術館・博物館・教会をまわりまくるというツアーで、大変、 よかったのですが、名所旧跡の話は「地球の歩き方」や偉い人の書 いた旅行エッセイのほうが正確で楽しいと思うので、それ以外の話 をしようと思います。テレビの話などいかがでしょうか。

 フィレンツェに到着した日、ホテルでテレビのスイッチをいれる とサッカーのASローマのトッティがイエローカードをもらい退場 するシーンがでました。それが終わるとスタジオのおじさんたちが 熱心に話し合いを始めます。トッティの退場のシーンはくりかえさ れ、そのたびにスタジオのおじさんたちは侃々諤々。どうも、この イエローカードは是か非かということを討論しているらしいんです。 イタリアの人たちがサッカー好きって本当だったんだなあとそのと きは思いました。ところが翌日も翌々日も同じシーンが出て討論し ているのです。地元指向の強いイタリアで、名門の名選手とはいえ ローマの一ローカルチームの試合について延々話し合っているとは、 その判定はそんなに問題の多いものだったんでしょうか? サッカ ー好きにもほどがあるというか……。ひょっとして、暇なの? そ れとも、実はサッカーと全然関係ない話、天気とか政治の話をして いたとか?

 このサッカー討論(?)番組には出ていなかったのですが、他の トーク番組やバラエティ番組では、だいたい男性司会者の横には布 面積の少ない服装の女性アシスタントがついていました。胸元のあ いたボディコンシャスなトップにミニスカ。深夜のお色気番組でも ないのに。「イタリアの人って正直だよね」とは連れ合いの感想で した。

 しかし、何よりも驚いた番組は「一休さん」。「一休さん」とは、 とんち話で有名な一休さんの小坊主時代を描いたテレビアニメ(も ちろん、実在の一休さんとはかなり違うものです)で、たしか放映 開始は1975年。私も、幼いころに見たことがあります。で、その アニメにイタリアで再開してしまったのです。いやあ、驚いたのな んの。だって、朝、集合時間前にテレビをつけたら、いきなり、一 休さんがイタリア語をしゃべっているのですから。そりゃ、イタリ アなんだからイタリア語吹き替えなんだろう、と分かってはいるの ですが……。

 ここ数年、日本のアニメが海外で人気という話題がよくでるよう になりましたが、日本のアニメはかなり昔、「鉄腕アトム」の時代 から海外に輸出されていました。では、今と昔でどこが違うかと言 うと、昔は海外で放映されている日本製アニメが現地の人に日本製 だと認識されていることは少なかったが、現在は日本製だと認識し ている人が多少増えたということだと思います。余談ですが、海外 の日本アニメファン(おたくも含む)はジャパニメーションとは言 わないようです。日本アニメは「ANIME」、日本マンガは「MAN GA」といいます。海外旅行に行った人たちが滞在先でみた日本製 アニメの話をしてくれることもあったので、イタリアで日本のアニ メを見ることもあるだろうとは思っていましたが、それがよりによ って「一休さん」とは。

 だって、「リボンの騎士」とか「AKIRA」だったら、舞台は中 世ヨーロッパや近未来の東京、服装はほとんど無国籍な洋装なので、 イタリア語吹き替えでも「ここはイタリアだから、しょうがないよ ね」くらいで、気持ちは収まったと思うんです。でも、一休さんは 袈裟の僧侶や衣冠束帯の将軍様、打ち掛け姿の女性、つまり、こて こての日本民族衣裳の人たちがイタリア語をしゃべってるんですよ。 それぞれの名前は「イッキュウサン」「ショーグンサマ」「ヤヨイ サン」と、日本版と同じでしたが、またそういう日本人以外の何者 でもない名前の人たちがイタリア語しゃべってるというので、また 違和感がつのります。こうなると、ただ「変」というより「シュー ル」。朝の番組だったので、たぶんイタリアの子供向け番組として 放映されているのでしょうが、子供達はどう思って見ているのでし ょうか。ヨーロッパでもとんち話の類いはいっぱいあるので、一休 さんのような話が受け入れられるメンタリティはあるのかもしれま せんが……。日本人は今でもイッキュウサンと同じ格好してるとか、 一番偉いのはショーグンサマだと思い込んだりして。

 このイタリア語吹き替え「一休さん」で、一つ気掛かりなことが あります。集合時間のせいで最初と最後の主題歌を聞かなかったん です。劇中のBGMは日本版と同じでしたが、主題歌はどうなって たんでしょう。これもイタリア語吹き替えなのか、それともイタリ ア独自の歌をあててあるのか? イタリアで「一休さん」を見た方 はぜひ、教えて下さい。

 

〜○。あわわ後記〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜

 フィレンツェは街全体が美術館であり歴史博物館というような美 しい街で、教科書で見た名画や彫刻がほとんど見られます。日本で いえば奈良・京都のようなところでしょうか。イタリアの子供たち の修学旅行コースにもなっているようで、有名な美術館や教会には よく子供の団体客がいます。サン・マルコ修道院では修道僧の部屋 の壁画をスケッチしている子供たちもいました。宿題にしろ、フラ ・アンジェリコの絵がお手本とはうらやましい限りなのですが、そ う思うのは私が美術目当てに来ている観光客だからかもしれません ね。イタリア語が話せたら、子供たちにイッキュウサンも含めて、 いろいろ話を聞いてみたかったです。

 次回は10月8日の予定。もう一度フィレンツェの話をしたいと 思います。

 それでは、また、次回もよろしくお願いします。

                            真魚

                   e-mail:92104094@people.or.jp

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