もとをただせばプーはおもちゃのクマで、子ども部屋の住人だった。
しかし、クリストファー・ロビンと片時も離れずに暮らしているうちに、
彼はいつしか人格を獲得して、子どもの分身となった。
おもちゃに命を与え、人間の自分には不可能な夢や空想を実現しようとしたり、悲喜こもごもの感情を分け合ったり、ときには秘密を打ち明けもし、
そのことによって絶対に信じられる友だちを獲得することが出来るのは、
子どもだけがもっている特権である。
子どもたちがプーの物語を愛するのはそのためだし、そのためにこの物語はいつまでも色あせないのである。


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