Q5.提案賞金の体系について教えてください 
       


 当社の提案賞金は、一番下が5000円 です。
 一般に賞金額が低いから提案が出ないという話は聞きますが、
5000円という賞金を出しているのに、全社で年間約100件の提案しか出ません。

 提案対象者は約4000人いますが、ほとんどの人は年間1件の提案も出していない
のが現状です。
 賞金に何か問題があるような気がしますが・・・いかがなものでしょうか?



A5.提案賞金が高すぎるため、かえって提案が出ないのだと思います


(1)低い提案賞金のメリット

 提案制度では、提出された提案を評価して賞金を出していますが、一番下の賞金額は、
一般に200円か300円ぐらいです。これは缶コーヒー1、2本程度の金額です。

 金額が低いと身の回りの小さな改善を奨励しやすくなりますし、提案者も小さな改善を
出しやすくなります。

 提案賞金を高くすると、一見その金額に釣られて提案が増えるような錯覚をしますが、
出された提案を評価するとき審査者は、「こんな内容でこんな高額の賞金を出せるか」と
思い、小さな改善は却下してしまいます。

 そうなると提案者も小さな改善よりも大きな改善をと頑張りますが、大きな改善が職場
にざらにあるとは限りません。そのため、提案件数は自然と低下します。

 賞金額が低いと審査者も気軽に小さな改善を通すことができます。
 そのため提案者は、身近な改善を心がけることになります。その結果、全員参加の提
案活動が可能になり、職場も活性化します。


(2)賞金体系

 一般に改善提案の9割は、身近な小さな改善です。
 従って、この部分の賞金は、奨励賞200円(基本的には提出したら渡す)、提案賞300円
(効果のある提案に対し渡す)、努力賞500円(効果のある程度大きな提案に対し渡す)の
3段階程度にし、審査は現場の監督者や管理者の裁量にまかせるのがよいと思います。

 残り1割は、大きな改善ということになりますので、審査会を開いて厳密に評価し、部長賞・
事業部長(工場長)賞・社長賞等を設定し、万円単位の賞金を出すのがよいと思います。