9.甲申年はスクラップ&ビルドの年か
昨年未年は、「変化の始発点」と言いました。
昭和に入ってからの未年を見ると、6年に満州事変が勃発、第二次世界大戦へと
戦線は拡大して行きました。
18年の未年には山本五十六元帥戦死、日本の戦局はアッツ島玉砕、サイパン島玉砕、レイテ沖海戦で日本海軍は壊滅的な打撃を受け20年敗戦に至ります。
30年の未年は、洗濯機ブームから家電時代へ、そして神武景気が始まり、40年のいざなぎ景気からバブルへと高度成長期を突進しました。
42年の未年は、高見山初の外人関取誕生、いまや外国人力士が大活躍しています。
54年の未年は、第二次石油ショックによって省エネ意識が浸透して行きました。また、この年インベーダーゲームが流行し、現在ゲーム機はどんどん進化しています。
平成3年の未年は、湾岸戦争支援に90億ドルを支出しましたが、顔の見えない日本と評価もされませんでした。また、この年バブルは絶頂期を迎えましたが、翌年バブルが崩壊し、日本経済はどんどん沈下して行きました。
昨年平成15年の未年は、どうかというと……
イラク戦争勃発、3週間でフセイン政権崩壊。イラク復興支援のため自衛隊派遣決定。総選挙で自民、民主の2大政党時代へ流れが転換。
新型肺炎SARSアジアを席巻。治安悪化のイラクで日本人外交官殉職。北朝鮮核開発疑惑で6カ国協議開催。中国有人宇宙飛行成功。国産H2Aロケット打ち上げ失敗。
阪神18年ぶりにセ・リーグ優勝。ヤンキース松井ワールドシリーズで大活躍。と今までと違う方向に大きく舵が切られた気がします。
日本は、第二次世界大戦後1国平和主義を固執してきましたが、昨年ついに自衛隊をもって国際貢献をする道を開きました。昨年の衆議院選挙で、護憲派の共産・社民が大きく後退し、自民・民主の2大政党が躍進した背景には、国際社会における1国平和主義への疑問、犯罪の低年齢化、外国人犯罪の増加、宇宙船開発に象徴される日本の技術開発力の低下、教育現場におけるねじれた心の教育……等々、
私達は、国際社会における「日本人の誇りを取り戻す」必要性を、いま痛切に感じているのではないでしょうか?
今年は、「甲の申年」です。これは、兜をかぶった猿です。まさに戦う猿の姿です。しかも甲に手を付けると「押」です。先送りして逃げるな!積極的に前進せよ!ということではないでしょうか。
私達は、待ったなしの瀬戸際に追いつめられていることを自覚し、方向転換した昨年の行動をを大きく進めて行かなければならない時期にさしかかっているのではないでしょうか?そんな気がします。
余談ですが、「申」という字は、面白い字で、人偏を付けると「伸」、糸偏を付けると「紳」、ネ編を付けると「神」に変化します。
古人は、後世の我々に「人智を加えて伸びよ、紳士的に振る舞え、そうすると神は見捨てないぞ!」と諭しているのかも知れません。
(2004.1.16)