8.未年は変化の始発点                


 私の本箱に「十二支開運術/鹿島秀峰著/梧桐書院・昭和58年8月発行」が
ありますが、今年はどんな年かなとその年の干支を見るのを楽しみにしています。

 この本によると「未年は、春の陽の気が大いに伸長発展して、萬草木を茂らせ、滋味が加わる」とあります。未は、季節でいえば7月の小暑から8月の立秋の前日までの1ヶ月間で、暑さは残って炎暑の感がしますが、すでに頂点を過ぎて、きびしい夏の余熱が残っている残暑の時を示すそうです。

 また、五行では、未は「土」の性だそうです。
 この土は、陽の気をたっぷりと吸い込んでエネルギーを包蔵した豊かな土で、生物を生成発展させる力をいっぱい持っております。

 この土は、太陽の光熱というエネルギーを萬草木の育成のために、惜しみなく捧げる優しさ、献身的な忍耐強さといった美徳を持った土だそうです。
 土は、沈黙の性を持っています。派手な動きはしませんが、縁の下の力持ちのような役割に甘んじるところがあります。

 こうした、「土の特性が、未の気を形成する根本となっている」そうです。
 そうしたことから未年生まれの人は、物腰柔らかく、柔順で穏和であり、人情に厚く、人にも親切で、誰にでもソフトで好感を与えます。

 また、未年生まれの人は、人と対立し、争うことを嫌い、常に平穏と無事を願う平和主義的なところがあります。そのため人間関係も平穏で波乱がありません。
 思慮深く、軽率でなく、何事にも熟慮を重ね慎重に進退するため、その行動は極めて用心深く、消極的で時には気弱となり、優柔不断となって、他人と歩調がそろわないことがあります。

 今年生まれてくる赤子は、多かれ少なかれこうした性格を持たされているのかと思うと不思議な気がします。昭和41年丙午(ひのえうま)の年には出生率が落ちたように、十二支が子供の性格を左右するとなると、子供をつくる親の責任は重大だなと思います。

 昭和に入ってからの未年を見ると、6年に満州事変が勃発、第二次世界大戦へと戦線は拡大して行きました。

 18年の未年には山本五十六元帥戦死、日本の戦局はアッツ島玉砕、サイパン島玉砕、レイテ沖海戦で日本海軍は壊滅的な打撃を受け20年敗戦に至りました。

 30年の未年は、洗濯機ブームから家電時代へ、そして神武景気が始まり、40年のいざなぎ景気からバブルへと高度成長期を突進しました。

 42年の未年は、高見山初の外人関取誕生、いまや外国人力士が大活躍しています。

 54年の未年は、第二次石油ショックによって省エネ意識が浸透して行きました。また、この年インベーダーゲームが流行し、現在ゲーム機はどんどん進化しています。

 平成3年の未年は、湾岸戦争支援に90億ドルを支出しましたが、顔の見えない日本と評価もされませんでした。現在イージス艦が派遣されています。また、この年バブルは絶頂期を迎えましたが、翌年バブルが崩壊し、いまや日本経済は底の見えない状態です。

 このように未年は、新しい時代のキッカケが起きる年のようです。さて今年は、時代の転換点として何が起きるのでしょうか?デフレ解消に向かえば良いのですが・・・
 
(2003.1.1)