7.神様の作った人間のシステム設計           

 最近、ふと疑問に思ったのですが、神様は人間を創造するとき

  プログラム1.過去は、心に蓄積できるようにする。
  プログラム2.未来は、分からないようにする。
  プログラム3.願望を立て、努力すれば達成できるようにする。

 この3つを基本に、システム設計をしたのではないでしょうか?。
 
 なぜ?人間には、このようなシステムが良いのでしょうか?

 私達は「前向きに生きろ!日々前進こそ大事!過ぎ去った過去にしがみつくな、忘れてしまえ!これからのことをよく考えろ!」などと言われますが、このような前向きな生き方をするためには、過去の蓄積よりも未来を予知する能力があると非常に助かると思います。

 しかし、神様は、人間を作るとき「未来予知能力」をシステムに組み込まなかったのです。
 それは、なぜだろうか?神様の意図はどこにあるのだろう?疑問に思いませんか?

 私は、たぶん神様は「人間の心の弱さ」を知っていたからではないかと思います。
 そのため、人間のシステム設計をするとき、過去は心に蓄積できるようにし、未来は分からないようにしたのではないでしょうか?

 今、私達は、過去を懐かしむことができます。過去の良い想い出は、心を癒します。また、過去を反省し、より良い方法を模索することもできます。

 一方、私達は、明日どんな災難に遭うかも知れません。明日死ぬかも知れません。明日盗難に遭うかも知れません。明日仕事上のトラブルに巻き込まれるかも知れません。

 要するに私達は、明日のことは分からないのです。勝手に今日の延長線上に明日はあると思い、私達は生きているのです。その点私達は、極めて極楽トンボ的な生活をしているのです。

 もし、私達に「未来予知能力」があったとしたらどうでしょう。
 事前に未来を知ったとしたら私達は「科挙の夢」をやってしまうのではないでしょうか。

 昔、中国では科挙の制度(官吏登用試験)がありました。
 ある時、この試験を受けるために田舎から若者が出てきました。旅の途中木陰で一服し、昼寝をしました。夢で自分が登用試験に合格して、栄華を極めるのですが、妬まれ殺されてしまったのです。若者は、昼寝から覚めると田舎に戻ったそうです。

 人間は、未来を知ったら悲観して自殺する人も出るでしょう。逆に、喜んで怠ける人も出るでしょう。だから、知らせない方が幸せだと神様は思ったのではないでしょうか。

 しかし、神様は、未来は教えないが「将来の姿を想像し、目標を立てて努力をすれば達成できる」ように第3のプログラムを追加しました。

 私達がよくいうところの「願望は必ず達成される」とか「強く願えば成就する」とか言われるものです。何人もの人が、それを経験しておられますし、その体験談はいろんな本に書かれています。

 私達は、目標を立て、努力をすれば、必ず報われるようにシステム設計されているのです。
 私は、神様が作ってくれた「第3のプログラム」を大いに活用したいと思います。

(2002.7.1)