2. 危険な業務改善なしの費用削減                   


 改善提案活動のコンサルタントをやっていますと、「こう景気が悪いと改善提案活動の指導は忙しいでしょう」とよくいわれますが、世間一般と同じで不景気になると仕事量は、同じように減っております。

 会社は、経営を維持して行くために利益を上げなければなりませんが、そのためには二つのことを行わなければなりません。一つは『売上を伸ばす』、もう一つは『原価を下げる』ことです。

 不景気で売上が思うように伸びないときは、「売上を伸ばすための改善」と「原価を引き下げるための改善」を真剣に考えなければなりません。

 このことは、皆様方も十分ご存知のことと思います。ですから「こう景気が悪いと改善提案活動の指導は忙しいでしょう」とおっしゃる方が多いのだと思います。

 しかし、売上が落ちるとまず削られるのが、交際費・広告宣伝費・教育費の3Kです。
 そして、最後は人件費削減のもとにリストラの断行です。

 夫々の担当者が業務改善をして、その結果費用が削減できたのであれば立派な「ムダ」排除ですが、業務改善もせずに頭からの何パーセント削減では、社員は萎縮し勤労意欲をなくします。
 やる気をなくした企業ほど恐ろしいものはありません。

 それを防ぐ道は、各担当者が自らの業務を改善する前向きの姿勢をいかに維持するかにかかっているのではないでしょうか?
                                                       (2001.11.30)