10.心の中の鏡
私達は、2つの鏡を持っています。
1つは、目に見える物体として存在する「通常の鏡」です。
この鏡は、前に立った人をありのままに写します。
私が笑うと鏡の中の私も笑います。
私が怒ると鏡の中の私も怒ります。
髪型が崩れていれば、鏡の中の髪型も崩れて写ります。
鏡は、決して先に笑ったり、怒ったり、髪型を勝手に直したりしません。
あくまでも今のあるがままの姿を写します。
もう一つ私達が持っている鏡は、目に見えない肉体の中に存在する「心の鏡」です。
この鏡は、自分を写すことはできませんが、相手を写すことはできます。
相手が、自分に好意を持って接してくれば、心の鏡も好意をキャッチします。
相手が、怒りぶつけてくれば、心の鏡も同じように怒りを返します。
ただ、心の鏡は、教養や度量、性格、上下関係や利害関係など所有者の持っている
力量で、左右され表面に出てこない場合があります。この点が物質的な鏡と違います。
また、心の鏡は、心でキャッチしたものを頭の中に蓄積し、イメージ作っていきます。
そして、再びその人に接したとき、そのイメージの上に、新しい姿や言動を追加して行きます。
相手の心の鏡に、良い印象で写るように努力して行きたいと思います。
(2004.3.6)