ミヤマガラス
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| 青森の田んぼで意外だったのは、ミヤマガラスが結構いることだ。10月半ば、ハクチョウたちと時を同じくして大群が休耕田に舞い降りる。嘴が針のようにとんがった小ぶりのカラス。警戒心が強くて、なかなか近くに寄らせてくれないのはここでも同じだ。 鳥を見始めた頃に買った「フィールドガイド日本の野鳥」(高野伸二著)には、「主に九州地方に渡来」、「1980年1月には石川県で小群が観察」などと記されている。ミヤマガラスは九州の鳥というイメージが僕の頭にこびりついていた。初めての出会いはやはり九州。14年前、場所は諫早湾に向かう途中の干拓地だった。カラスの群は黒雲のように沸き上がった。まるで全体が一つの生き物であるかのように、少しずつ形を変え、天高く上っていく。圧倒される光景だった。 話変わって手元に届いたばかりの「野鳥」12月号。「鳥たちの今」と題して、鳥類全国分布調査・中間報告が特集されている。日本での鳥たちの繁殖状況を調査したものだ。この20年の間で衰退していった鳥と、勢力を拡大している鳥がくっきり色分けされる。カイツブリやヒバリでさえ繁殖分布域を減らしているのは驚きだ。 日本で繁殖する鳥たちの勢力図が知らぬ間に変わってしまったように、冬鳥のそれも大きく変わっているに違いない。 この5〜6年でミヤマガラスは普通の冬鳥になった。関西でも休耕田でその姿をよく見かけた。そして、ここ本州の果てでも何食わぬ顔でカラカラと鳴いている。冬鳥の分布が変わっていく過程をこれほどまで鮮やかに見せてくれた鳥も少ないだろう。 |
| (2000/11/26) |