マガン
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| 大阪の鳥仲間から「琵琶湖にオオヒシクイがやって来たらしい」とメールが届いた。時同じくして高知からも「もうガンなどきたのかな?」とメールを頂いた。そうか、もうガンの季節だったのかと、琵琶湖水鳥センターのホームページを開いてびっくり。9月の上旬には既に第一陣が青森を通り過ぎたらしい。「これは出遅れた」と、慌ててガン探しに出掛けた。 聞くところによると、青森では太平洋側がマガンの渡りのルート。そして日本海側はヒシクイのルートらしい。竜飛岬の鷹渡りも一応チェックするつもりで、足は日本海側に向いた。 ガン探しは岩木川の河口からスタートした。岩木川は白神山地に端を発し、津軽平野を流れ、十三湖から日本海に注ぎ込む。総延長100Km以上にも亘る長い川だ。流域には広大な水田地帯が広がる。 秋とは思えない程さんさんと降り注ぐ陽射しの下、堤防の芝生にノスリがヒョコンと座っている。刈り取りの終わった田んぼでは、アオサギが何かと格闘していた。芦原には冬羽のオオジュリン。見晴らしはとても良いのでガンがいればすぐ分かるはず。広い広い水田地帯をひたすら南に向かって走る。行けども行けどもガンは見あたらず、そのうち走る方が楽しくなって、ドライブに来たのか鳥を探しに来たのか分からなくなった。「仕方ないなあ・・・」だんだん時間も遅くなってきたので、最後は鶴田町の津軽富士見湖を覗いてみることにした。 津軽富士見湖は直径1.5Kmもある広大な溜め池。晴れた日には岩木山が良く見える。渡りの季節にはシギ・チドリやカモ類が数多く羽を休める場所だ。湖岸には、北方から渡ってきたカモたちが所狭しとひしめいていた。望遠鏡で一羽一羽丹念に見る。これは根性無しの僕がもっとも苦手とする作業だ。おまけにこの時期、カモたちは生殖羽に変わっていないので、何の種類だか遠目には非常に分かりにくい。そして、半分以上が眠っているのだから尚更性質が悪い。どうやらカルガモとオナガガモとコガモが殆どで、ぽつりぽつりとヒドリガモ、マガモが混じっているらしい。 「あー、イライラする・・・」芥子粒のようなカモに嫌気がさしてきた頃のことだった。「コーックルー、コーックルー」湖畔で町おこしのため飼育されているタンチョウの声が響いた。「カハン、カハン・・・」それに呼応するかのように空から声が聞こえる。「ん?」見上げると、二羽の鳥が旋回していた。「カハン、カハハン」「・・・マガンや!」鳥はぐるぐると何回も何回も空中を旋回し、地上の様子を伺っている。そしてようやく意を決したように着水した。よく見ると、湖岸にも仲間がいる。全部で8羽。8羽のマガンたちは草地をノソノソ歩きながら、のんびり餌探しを始めた。 「よかった、ガンが来ていて」そう思っていると、遠くの方で手を振る人が見えた。弘前のNさん一行だった。「マガン、来てますよー!」僕はNさんに向かって大きな声で叫んだ。 |
| (2000/10/1) |