カラフトアオアシシギ
![]() |
| 兵庫県西宮市の鳴尾浜沖合、阪神高速湾岸線のすぐ南に甲子園埋立地がある。広さ約80ヘクタール。1995年には震災で発生した大量のガレキを処理するための仮置場となり、土壁と腐った木材の臭いが辺りに漂う、そんな場所だった。 それから2年経ち、廃材が撤去され、工事が再開されると、埋立地はにわかにその姿を変えていった。ガレキの取り除かれた後は、雑草が生い茂り、埋立地の真ん中には広大な水たまりができた。 昨年9月、その埋立地に珍鳥がやって来た。カラフトアオアシシギ。短足馬面で地味、容姿端麗とはおよそ言い難いが、とにかく数が少ないそうで、世界的な貴重種。その鳥がまとめて3羽もやってきた。樺太から東南アジアへの渡りの途中で立ち寄ってくれたようだ。空から見た埋立地は彼等の目にきっと、広大な湿地と映ったに違いない。 埋立地には他にも多くの鳥たちが舞い降りた。エリマキシギやコオバシギなど、思わぬ出会いもあった。彼等が滞在していた約10日間、関西、関東を問わず、多くのバードウオッチャーがこの埋立地を訪れ、シギ・チドリを堪能していった。 今年、当地では埋立工事が進み、日々変貌を遂げている。ヒトが自然に手を加えていく中で、一瞬だけ生まれた渡り鳥の楽園。西宮の空を通り過ぎるシギたちの目に、今年の埋立地はどう映っているだろうか。 |
| (1999/9/5) |