ゴイサギ


 ゴイサギは、田んぼや池や河原など、身近な場所にいるくせに、夜間活動するので昼間はあまり姿を見せない。どちらかというと、木の茂みの中で、目を閉じてデコイのようにじっとしている姿を見かける方が多い。夕方、お日様が沈むと、やおらはりきって塒を飛び立つ。夜道を歩いていると、空から「クワッ!」という声が聞こえてびっくりすることがあるが、こいつが声の主だ。
 そんなゴイサギが案外好きだ。成鳥の真っ赤な目が良い。たまに昼間活動しているときに出会うと、不信感に満ちた目でこちらを見る。もう、目をまん丸にして、「寄るな、見るな、来るな!」という感じだ。平素から野鳥に優しいカメラマンを目指している私だが、そんなゴイサギにはつい、意地悪になってしまい、全然絵にならないと分かっていながらもカメラを向ける。ゴイサギはますます目をまん丸にして、「なぜだ!なぜカメラを向けるんだ!」という顔になる。カメラを引っ込めた時の安堵の表情がまた可笑しい。
 真夏の真っ昼間に出会ったときも面白かった(上の写真)。なんで、こんな日に出てきたのかと思うほどの暑い日。さすがに彼も「失敗したなあ」というような表情だった。口を開けて喉をカラカラと動かし、「もう、どうにでもしてくれ・・・」という顔。こちらはこちらで汗をダラダラ流しながら、何でこんな日にこんな場所へ来たのかなあと思いつつ、「ゴイサギだ、ゴイサギだ」と、反射的にカメラを向けているのだった。 
(1999/7/24)