エゾビタキ
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| 思い立って、木の実のなり具合の偵察に、六甲山の森林植物園へ行って来た。まだ陽射しは強く、ツクツクボウシが賑やかに鳴いていたが、季節は確実に進んでいるようで、ムラサキシキブは薄紫の小さな実をたわわに実らせ、イイギリもまだ色のつかない実を沢山ぶら下げていた。ヒメコマツが松ぼっくりを沢山つけ、ヤマガラが忙しそうにその種をついばみ、緑色のエゴノキの実にもまたヤマガラが沢山集まっていた。 本日の僕のお目当てはアカメガシワだった。六甲山系のあちこちに生え、夏の終わりに黒い小さな実を沢山つける。ちょうど、渡りの時期を迎えた小鳥たちに、「どうぞお召し上がり下さい」と言っているかのようだ。 そんなアカメガシワ食堂に毎年いち早く駆けつけるのがエゾビタキ。体長15センチにも満たない小さな身体に、ヒタキ類特有のクリクリッとした丸い目。色は灰色で全く地味としか言いようがないが、枝先からヒラリと飛び立ち、また戻ってくる軽い身のこなしは、見ていて飽きることがない。 残念ながら本日、アカメガシワ食堂は開店休業だった。たわわに実った黒い実は食べられた形跡が殆ど無い。実を一つ、指先でつまんでみると、中からジワーっと汁が染み出してきた。「こんなのが美味しいのだろうか?」一瞬食べようかと思ったが、やめにした。鳥も食わぬアカメガシワがうまいはずがない。「今度、エゾビタキがやって来たら、一粒だけよばれてみよう」、そんな事を考えながら、夕刻、植物園を後にした。 |
| (1999/9/19) |