ベニヒワ
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| 職場の旅行で札幌に行ってきた。職場の旅行と言っても、夜の宴会でビールを飲んでジンギスカンを食べる以外は殆ど自由行動だったから、ザックに400ミリのレンズとスパッツを突っ込み、手には三脚を提げて出掛けた。 飛行機に乗ってしまえば、青森からたったの45分で千歳空港に到着する。遠いように思っていたが、よく考えたらお隣の県(道)なのだ。 札幌市の西のはずれ、円山のふもとにある円山公園は、今回で4度目。数日前に降った雪が30センチほど積もっていた。まだ午後2時すぎというのに、冬枯れの木々は早くも長い影を落としている。人影まばらな公園に入るや、ゴジュウカラの声が聞こえてきた。仰ぎ見れば、梢をシジュウカラやゴジュウカラ、ヒガラにハシブトガラが賑やかに渡って行く。青森に越して以来、山の小鳥たちにとんとご無沙汰していたので、カラ類の群に出会えるだけで妙に嬉しい。 雪を踏みしめながら公園内を行く。サクッサクッという感触が靴の裏に心地よい。風は無い。厚着をしすぎたので、10分で背中に汗がにじんでくる。肩に担いだ三脚を下ろして一休みしていると、目の前の大木で何かが動いた。「お、いたいた」エゾリスが太い幹を機械のような動きでカリッカリッと上っていた。僕はエゾリスの木登りを見ながら、初めてこの場所に来た日のことを思い出していた。 ここを初めて訪れたのは、大学の卒業記念に北海道をぐるっと回った時だった。3月中旬のよく晴れた日、エゾリスが雪の上を飛ぶように走り、ミヤマカケスが針葉樹の梢で首を傾げてこちらを見ていた。そして、思いがけず出会ったのがベニヒワだった。体長13センチ少々。吹けば飛ぶような小さな鳥。頭の赤い羽がベレー帽のようだ。木の芽をカリカリ囓るその鳥は、たった3羽しかいなかったが、雪の照り返しに映える姿が深く印象に残った(写真はその時撮影したもの)。 残念ながらその後、この場所でベニヒワに会ったことはない。ただ、懐かしい風景に惹かれ、札幌を訪れる度ここに来てしまう。 新しい風景に出会うのも旅の楽しみなら、思い出の場所を再び訪れるのも旅の楽しみだ。最近そんな風に思えるようになってきたのは、おじさんになった証拠だろうか。 |
| (2000/12/3) |