アオゲラ
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| 何故だか、縁のない鳥がいる。僕の場合、アオゲラがそうだ。日本特産種のキツツキで、緑の翼が里山の風景に良く似合う。姿を見ることができないわけではない。近くの山にでかければ、いつも見かけるお馴染みさんだ。それなのに、カメラのファインダーには納まってくれない不思議な鳥。この鳥を、いつか納得いく絵で撮りたいものだとずっと思い続けてきた。 4年前、東京で個展を開催した折り、お客さんと話をしていて話題がアオゲラに及んだ。僕が、「なぜだかアオゲラが撮れません。」と言うと、その中年男性は、「東京では、公園の木にハチミツを塗っておくと、アオゲラがやって来るんだ。アオゲラがハチミツを舐める前に撮らないと、嘴にハチミツがくっついて、絵にならないんだ。ワハハハハ・・・」とさも愉快そうに答えた。公園にアオゲラが来るのは羨ましいけど、ハチミツ塗って撮るのもなんだかなあ、と思いながら、僕は呆然とお客さんの話しを聞いていた。 それから3年、昨年のちょうど今頃のこと。大阪府の北部にある能勢妙見山に、ムギマキというヒタキの仲間の渡り鳥が沢山やってきた。ムギマキたちはカラスザンショウの実を次から次へとついばんで、軽快に飛び回っていた。ムギマキ撮影に夢中になっていると、もっと大きな鳥がやってきた。「アオゲラ!」アオゲラがカラスザンショウの実をついばみに来たのだ。突然のチャンスに構図もピントも滅茶苦茶。7枚撮って、アオゲラと分かる写真は1枚だけだった。 この1枚の写真を見るたび、自分の腕の未熟さが情けなくなる。そして、もう一度こんなチャンスが巡ってくるよう、ひたすら祈るのだ。 |
| (1999/10/23) |