’98SUGOロードレース選手権 第4戦 GP125(2st125cc)クラス’98年7月5日

7月5日のSUGO第4戦。GP125クラスは全6戦の今回が3戦目、前半戦が 終わることになる。
ここまでの2戦とも予選落ちだった工藤。2週間前のエビス選手権の結果も悪くなく、 この時発覚したRrサスの不具合にも対応し、準備は万全のはずだったが、 6月中頃から引きはじめた夏風邪が何時までたっても治らない。結局、この間1週間 前の練習の予定もキャンセルし、Rrサスの確認もできないまま、レースウィークに突入するのであった。


◎7月3日(金):練習走行

というわけで、5月の選手権以来約2ヶ月ぶりとなるSUGO。前日の夜22時まで残業をしたため、 久々に高速を飛ばしてのSUGO入り。途中蔵王のあたりから雨が降り始め、風邪を悪化させたくない工藤は、 祈りながらどしゃ降りの中、3時ごろにSUGO着。 このころには雨は小降りになり、翌朝は何とか路面もドライへ。
エビスでおろしたピストンでは距離が足りないだろうと、まずは新品ピストンの慣らしにでる。 慣らしに2本走って(やりすぎだ、1本で十分である)3本目は全開走行。この日は自分一人だったので、 正確なタイム計測はできずに、タンクの上に張り付けた時計を、裏のストレートの真ん中のポストの前で押す事で、 周回数とタイムのチェック。約45〜44秒のタイムで周回。

それは、3本目の走行中、12周目の1コーナーでの出来事であった。いつものように150mの看板をすぎて、 100m看板に差し掛かったところで上体を起こし、さぁ、フルブレーキングだ!

すかっ
あれ?ブレーキは、どうした?手応えがない!え?止まらないよー!!さて、こまったどうしよう。 必死でリアブレーキを踏み込むが、あまり効果なし。マシンを寝かすが、当然思ったようには曲がらない。 しょうがないのでマシンを起こし、縁石を乗り越えグリーンへ。そのままグラベルを駆け上がる! このグラベルってのは、とっても深〜く小石(砂よりは大粒の)が敷き詰めてあるので、コースに復帰する 意思がある場合はアクセル全開にしなければ抜けられないくらい、確かに減速させるには効果的である。 が、2輪車の場合、ここで下手にFrブレーキなどかけようものなら、フロントタイヤが突き刺さり、 バイクに背負い投げを食らってしまう。今回はそのつもりもないので、必死に足を取られて転ばないように気をつけ、 マシンが止まるまでしのぎきった。止まったところは、ハイポイントコーナーの手前。 ちょうど、改修前の旧コースを走ったようなものである。 さて、いったい何が起きたのだ?とマシンを見ると、ブレーキキャリパーがぷらぷらしている。 ボルトが脱落し、キャリパーが落ちていたのだ。恐らく増し締めを忘れたためによるものと思われる。 整備不良、自業自得である。まだ逃げ場のある1コーナーだっただけ、マシだった。 脱落したボルトを探すのは無理だろうから、代わりのボルトを探して工具箱をあさるがみつからない。 隣のピットのひとから、使えそうなボルトを借りることができ、なんとか4本目の走行を終える。 結局タイムは43秒台があったが、手動の誤差があるのでどこまで信用してよいものか。

すると、今度は走行後の整備中。シリンダーをあけてびっくり。なんとシリンダー内壁のニッケルめっきが 剥げ落ちて、ピストンが傷だらけになっているではないか。そんなー、せっかく今日つくった新品ピストンが、 150kmでおしまい?(普段は500kmで交換。シリンダーも寿命の2000kmにはなってなかった) どうやら、リングの合口がポートの柱から逃げて落ちたようである。 シリンダーは、まだ予備のがあったのでこれを引っ張り出し、ピストンはエビスで使ったものを使うことにする。 組み合わせが違うので、明日の1本目はまた慣らしになってしまうが仕方ない。決勝レースを走れるだけの距離 が残っていたのは、不幸中の幸いというものだろう。 整備を終えて、ご飯を食べに大河原の町に降りると、またも雨。今日はとことんついてないらしい(T-T)


◎7月4日(土):練習走行・2

この日も、前日の夜の雨の影響は無い。1本目の走行は44秒台。昨日の1コーナーのおかげで、 ブレーキを遅らせても何とかなるもんだ(ぉぃ)ということが結構効いてて、1コーナーの通過スピードが 若干上がったような気がする。 ところで、例のRrサスであるが、O/Hの効果はてきめん(^^;バイクが思ったように、曲がってくれるよう になった。サスがへたっている事に気がつかなかった自分の問題なのだが、だいぶ遠回りしてしまった感が有る。 昔の感覚を徐々に取り戻してきたようだ。2本目の走行は1'43"4とベストのコンマ2秒落ち。 一人で走って出したタイムだから、調子は取り戻したと思っていいだろう。明日は42秒に入れたいものだ。

ところが、またも整備中、こんどはピストンリングのスティック発生。このピストンに起きやすい現象で あることは知っていたが予備のリングは用意していなかった。 なんとか、再利用できないかと慎重にリングをはずすが、かなり変形させなくては外れないことが分かり断念。 今回はこのピストンは使えそうに無い。しかたなく以前に400kmまで走行して、たまたま捨てずに取って おいてあった中古ピストンを投入。慣らしの時間は無いが、明日の予選、決勝だけ持ってくれればOKだ。 整備中に夕立があるも、夜には満天の星空。夜空のしたでチーム員とビールを空けて、多少の不安がるものの、 明日の予選こそ初の通過といきたいところだ。


◎7月5日(日):予選・決勝

明けて日曜日の予選。天気は晴れ、気温26℃。今回は予選A組だが、出走はBが先。 B組が終わってからの出走となる。ちょっとメインジェットが濃かったよう(デトカン0という状態) で思ったほどマシンが走らなかった。タイムはベストにわずか及ばず1'43"301。 A組14番手という位置だったが、B組は23番手までが工藤のタイムを上回り、 結局予選37位で、辛うじて初の予選通過となった。(ボーダーは1'43"42

そして、本日もまた、新たなネタを作ることを忘れない工藤。今度も整備中の出来事だった。 排気チャンバーの口元のスプリングをはずぞうと(レーサーはボルトではなく、口元をスプリングの張力で 止めています)工具を引っかけ、下に思いっきり引っ張ったとき、工具がスプリングからはずれ、 勢いあまった工藤の頭は、

がんっ☆
目の前に星が飛ぶとはこの事だ。バイクのどこかに頭をぶつけたらしい。でも痛みはさほどない。 そのまま作業を続けようとすると「おいおい、額から血が出てるぞ」といわれて、 「はぁ、そーですか、じゃあ、あらっておきますわ〜」かなんか、間の抜けた返事をしながら鏡を見てびっくり。 眉毛の上の切り口から、結構な血がでている。痛くないのは、傷口が麻痺しているかららしい。 サーキット内にはメディカルセンターがあるので、とりあえず傷を押さえてもらおうといってみると。

「あらー、結構深いねー、じゃー、そこのベッドに寝てー」
「え?」
「んー、縫わなきゃだめでしょー、傷口残るよー」
「あのー、このあとレースなんですけど...」
「んー?メカニックじゃないの?ライダー?あ、そー、でも問題無いよー。親知らずとかぬいたことある?」
「は、はぁ」
「じゃ、麻酔は大じょぶだね。」
「え?え?」
「はい、麻酔うつよー。痛くないよね?」
「え、ええ」
「はい、じゃー、縫うよ。はい、おしまい」
「え?終わりすか?」

つーわけで、一針縫われてしまうのだった。(その傷は結局残ってます(爆)) ほんとに、決勝レース。大丈夫なのか?

とりあえず、麻酔が効いているのもあって、頭は痛くない。メットをかぶるのが難儀するが、 なんとかなっているようだ。
初めてのSUGOの決勝は、10列目の一番アウト側。 前に見た事も無い数のバイクがならんでいてすごく緊張する。
今回はエビスのようなロケットスタートはできず、スタートに失敗し、最後尾から2番目で1コーナーに進入。 なんとか前に出ようとするが、右から左からたくさんの数のバイクに被せられ、ぶつけられ、 思わず引いてしまう工藤。こればっかりは、経験の差なのか、根性の問題か。結局、すぐに最後尾となってしまうと、 前がどんどん離れていき、ついていけない。タイムは44〜45秒と予選にとどかない。
そしてレース中盤頃、いいときにきれてくる麻酔。アドレナリンが出ていれば痛くないとはよく言われるが、 限度があるのか、うそなのか。痛いものは痛いのだ。特にブレーキのときの減速G。 傷口に全身の血液が集まってくるようで、痛くて集中できない。 追いあげる事もままならず、後半は46秒までタイムを落とすと、結局、完走中最下位の33位で フィニッシュとなるのだった。


ということで、決勝はあまり納得のいくものではありませんでした。 次回は8月、エビスとSUGOが同日に重なりましたが、現時点で得るものが大きいのはエビスのほうだろう と判断し、こちらに出ることにしました。(よってSUGO第5戦は欠場です。)


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原文作成:'98-Jul-5 HTML版作成:'98-Aug-30 最新改定:'98-Oct-9