ジギングでヒラマサ、豪州遠征二日目

シマアジにヒラマサ!


  1. 日時:2000年11月30日(木)
  2. 場所:シドニー近辺
  3. 参加メンバー:泰介、恵美
  4. 時間:午前7時00分〜午後3時00分頃


釣行記

●2日目はKing!
シドニーでの釣り2日目。昨日より天気はよい感じ。なんせ異国の地なので天気予報もよく分からないし、まして海上の風波なんて分かるはずはない。が、昨日の釣りの最中の西蔵氏の話では「明日は午後は嵐になる」とのこと。Late Stormと呼ぶらしい。これにあたったらイヤなので、本来2日目に予定していたトローリングはキャンセルし、マダイ・ヒラマサ狙いの底釣りに変更してもらった。そもそもの底釣りの狙いはこの2魚種。昨日はお目にかかれなかったのも変更の動機付けのひとつである。

今日はジギングも結構やるとのことで、西蔵さんはマイロッドを持参。気合が入っている。

●まずはジギング
船は湾を出ると、昨日以上に凪の海をひたすら沖へ走る。風に逆らって飛ばすので、キャビン前方にいると結構はげしくバウンドしてイスから落ちそうになる。それでもキャビンに横になって待つこと40分。陸がだいぶ小さく見えてきたあたりで船は停止した。さすがにここまで沖に出るとやや風も強いが、日差しが既に強く、日焼け止めは必須である。

 凪に快晴!

ここは「12mile」と言われる場所。その名のとおり陸から12マイルの根回りらしい。ヒラマサのジギングでは有名なポイントのようだ。

●初の本格ジギング
水深を聞くとなんと130m。ジグは120g程度のものを使用するようで、キャプテンが用意してくれたタックルを受け取ってさっそくジグを落としてみた。この水深なので船はアンカーを入れずの流し釣り。風を左舷に受けてのいわゆる「横流し」のような状態である。そんななので、左舷で釣っている私のジグは結構向こう側に流されていく。最初の着底のシグナルを見落とすといくらでも糸が出て行ってしまうと思うので、集中して糸の状態をみる。レンタルタックルの道糸はグリーン単色の新素材。どれだけ糸が出て行ったのか不明だが、かなりスプールの厚みが減ったところで糸ふけが出た。すかさずベールを起こしてジグング開始。

「反応は結構出ているそうですよ」と西蔵さん。3人で気合をいれてジギングする。が、私も嫁さんもジギングはほとんど素人。見よう見まねでやってはいるが、なかなかアタリがない。キャプテンによればタナは底から中層。底の方にビッグワンがいるってことで底付近を重点的に攻める。

アタリのないまま最初の流しが終了。ポイントはせまいそうで、何度も船を戻すよ、とキャプテンは言う。

●さすがキャプテン
潮周り。しばらくアタリなし。キャプテンがコックピットから降りてきてジギングを始めた。「おかしいなぁ、kingは下にいるよ」とのこと。口を使わないのかな、と思ったとき、いきなり船長のジギングロッドがしなった。「Fish!」針掛かりを確認した船長は竿を嫁さんに渡した。いきなりヒラマサのかかった竿を渡された嫁さんは時折竿先をのされながらも懸命にファイトしている。これを見て私と西蔵さんもジギングの腕に力が入る。すると西蔵さんの竿がしなる。更になんと再びキャプテンにヒット。「ハッハー、どうだ、みたか?」と嬉しそうなキャプテン。その竿は私が受け取りやりとり開始。

初めてのヒラマサ。ヒットしたタナはけっこう浅めのようだし、それなりに粘りのあるロッドのようで走った時に軽く糸を出してやれば問題なくやり取りできる。ポンピング動作は万国共通だ。

●一荷?
しばらくして、嫁さんの魚が見えてきた。「We get fish!」と西蔵さんが叫ぶ。船長がネットを持ってくる。どうやら西蔵さんのタックルとおまつりしているようであるが、何とかランディングにかかる。「あれれ?2ついるぞ」そう、2尾いっぺんにあがってきたのだ。なんとかキャプテンが2尾いっしょにタモ入れに成功。しかしそのタモの中に西蔵さんのジグな見当たらない。そうこうしているうちに私のヒラマサも見えてきて無事ランディング。3尾のヒラマサが船上を飾る。

なんと嫁さんのジグの2本のフックに1尾づつ2尾のヒラマサがかかっていたらしい。なんとも珍しいヒラマサの一荷。西蔵さんのタックルはこれにオマツリしてきただけのようだが、2人分のパワーで何とか上がったということか。ヒラマサのサイズは70センチ級。重さにして4kgほどであろうか。この地でまだまだ小さい方である(60センチ以下はリリース対象)。

 初ヒラマサ!

開始早々で本命の顔を見れたので、皆一安心。まだまだ反応が出ているということで引き続き釣り続ける。「Very Hard Work!」と船長が言うようにこのジギングは非常に重労働である。

●時合か?
「あれあれあれ?掛かったみたい」と嫁さん。落とし込みで食ってきたらしい。「フォーリングでバイトしてきた」って感じか?嫁さんのやり取り中にまたもキャプテンにヒット。この竿はまたも私が受け取る。なかなか自分で掛けられないので悔しいが。。。
「あ、いっちゃった」と嫁さん。合わせが足りずにフックオフしてしまったようだ。程なく私の竿のヒラマサが見えてきた。先ほどより一回り小さい感じ。が、これは取り込みに失敗し海面でバラし。さぁ、今が時合だ!

 嫁さんのゲット!

しかし、この後はしばらく沈黙が続く。何回かキャプテンは船を回すが「Fish is gone」とつぶやくキャプテン。このまま終わるのは悔しいので疲労のたまった腕nにムチ打ってジギングを続ける。

その甲斐があったが、底から10mほどジギングしたところでアタリ。「Fish!」と叫ぶ。かなり深場でかかったことから合わせが足りないと判断。最初の突っ込みが止まったところで合わせようと思う。

●あっ!
引きの感じからして先ほどの魚よりかなり大きな感じ。走りが止まった。合わせ!と思った瞬間再びヒラマサが疾走。「あ!」と思った瞬間に「プツン」という音が聞こえそうなくらいの感触が腕に伝わる。
痛恨のラインブレイクである。「Ohh,too hard...」と船長。やりとりがキツすぎたようだ。確かにラインはPEの3号程度。無理をしたら切れる強度だろう。糸を巻き取ると、どうもリーダーとの結び目からいってしまったようだ。うむむ、非常に残念である。

この後はしばらく粘ったが、沈黙。「キングは頭がいいから、2〜3尾釣られるとみんな釣れなくなってしまうんだ」と笑いながらキャプテン。

 お世話になりました

●トローリングでのんびり
この場所を諦めて今度は「ピーク」と呼ばれるポイントに移動。移動中はライトトローリングをやりながら行くらしい。ライトと言ってもカジキならば70kgくらいなのだそうだ。
合計4本のトローリング道具を流しながらゆっくりと船は進む。のんびりイスに座ってビールを飲みつつ休憩。湿度が低いので暑さは気にならなかったが、聞くと35度あったそうな。紫外線対策が不十分だった私はその後、顔や腕が真っ赤になってしまった。

40分ほどでピークに到着。トローリングは結局不発であった。トローリング道具をしまってからキャプテンが再びジギングタックルを準備してくれた。ここの一級のポイントらしいが、時合は去っているようで終始沈黙。1時間ほどで見切りをつけて今度はオリンピックのビーチバレーの舞台となったボンダイビーチ沖へマダイ狙いで移動するとのこと。

●繰船体験
アンカーを上げる際の操船してくれとキャプテン。幸い日本の4級船舶免許を持っているので操船に抵抗はない。キャプテンにスロットルと舵の操作方法一通り教えてもらう。その後、キャプテンが船首に回ってアンカー回収作業開始。と言っても、微速前進にアンカー巻き上げモーターのUPとストップの操作だけであったが。

●ボンダイビーチ沖
30分ほど快適にクルージングしてボンダイビーチ沖に到着。とりあえず私はジギング、嫁さんは餌釣り。ここはヒラマサやマダイの他にシマアジも出るそうだ。釣り方は昨日の同様。水深は40m前後。
ここでもジギングは不発だが、嫁さんの餌釣りに良型カマスやSweepなど多彩な魚たちが針掛かりして楽しませてくれているようだ。ここで私も餌釣りに変更する。

 良型カマス

仕掛けを日本から持参のフラッシャーサビキに変更。この仕掛けは一番下の針はハリスが長くヒラメと両狙い出来るものだ。と、いきなりゴゴゴンというアタリ。グングンと下に突っ込む。ちょっといい感じの魚かな、と思いつつ巻き上げると、一番下の身餌針に小ぶりのピンクの魚。そう本命のマダイSnapperである。「Snapper!」とキャプテンも喜ぶがすかさずメジャーが取り出された。ここでは28センチ以下のマダイはリリースしなくてはいけないのだ。計測の結果26.5センチと1.5センチ足りない。針を飲んでいたので、ハリスを切ってリリース。日本ならば十分塩焼きサイズのマダイだが。

 左はマダイ、但しリリース

この後はマアジ、カマス、カサゴ、エソなど仕掛けを入れれば必ず何かの魚が釣れるという状態が続き、面白い。カマスなどはほとんど入れ食い。クーラーの氷も気になるのでほとんどをリリースとした。マダイをもう一尾掛けることが出来たが残念ながらこれも25センチ程度とリリースサイズであった。

 レザージャケット

●シマアジ
そしてまたも一際強い魚信。これは、と思い大事にやりとり。やっとキープサイズのマダイか、と思ったが海面には銀色の魚体。「シマアジだ!」すかさずキャプテンがネットで救う。「シマアジ〜」と何故かこの魚の和名をキャプテンは知っているようだ。日本人はみんなこの魚を追いかけているのだろうな。このシマアジは40センチ弱。十分刺身になるサイズだ。

●!!!
嫁さんの竿に異変。中小物が掛かってやりとりの最中に突然ドラグガ滑って糸が出始めた。どうやら何か大物が針掛かり魚に食った様子。「ゆっくりやりなよ〜」と声をかけ、船上の注目が集まったその瞬間、竿先が戻ってしまった。上げてみるとしゃぶられた跡のあるSweepが針にかかっていた。キャプテンは「シャーク」という言うが、鋭い歯形はついていないのでもしかしたら大型ヒラマサだったかも・・・???

カマスに好かれた嫁さん、終了間際に強い引きの魚をキャッチ。なんとこれが先ほどと同型のシマアジ。初めて釣ったシマアジに大喜びである。

このまま続ければいつまでの釣れ続きそうだったが、15時に時間切れとなり豪州2日間の釣りを終了することになった。

 船上での1枚

<釣果>
・King fishヒラマサ 70センチ級3尾(4kg程度?)
・Silver trevaly シマアジ 40センチ級2尾
・Snapper マダイ 27センチ2尾(リリース)
・Yellow tail マアジ 35センチ級 5〜6尾
・Pike カマス 45センチ 10尾程度
・Red snapper ナンヨウキンメ? 25センチ級 10尾程度
・他カワハギ、カサゴ、べら、エソ・・・

 この日のクーラー

残念ながら本命のマダイの顔を拝むことは出来なかった。キャプテンは「水温が上昇してのっこみの始まる9月にまたおいで、大きいのが釣れるよ」とのこと。近い未来の再開を約束して港を後にした。

 シマアジ活け作り???

今日は同じくノースシドニーの「Y’s」というお店に魚を持ち込んでもらう。このお店はイタリア風の日本料理レストランとのこと。その晩はヒラマサ、シマアジなどが中心のメニューを魚に豪州産のワインを楽しみ、次回のシドニーでの釣りの作戦会議などをする釣りバカ夫婦なのでした。


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