外道も多彩。大原の大型ヤリイカ&メバル

この日のイカ以外の成果。


  1. 日時:98年4月4日(土)
  2. 場所:御宿沖(午前)、大原沖(午後)
  3. 参加メンバー:上甲(funeturi-MLのOLM)
  4. 時間:午前5時30分〜午後6時00分頃


釣行記

4月4日土曜日、InternetのMLであるfuneturi-mlのOLM(OFF LINE MEETING)に参加してきました。
今回は千葉・外房は大原の「臼井丸」から午前中はヤリイカ、午後はメバルを狙う予定です。

午前の部は出船4時半と早いので、午前1時に新百合丘の自宅を出発。東名・首都高(湾岸線)・東関道・京葉道路を経由し茂原を抜けて大原に到着したのが3時半であった。それから船宿を探したり、駐車スペースを探したりして、4時10分前に船宿に行ってみる。まだ船宿の電気はついていない。雨がぱらついているのが気にはなる。

玄関をのぞきこんだりしてると今回感じの稲井さんがやってきて挨拶をしてくれたので自己紹介をする。そんなことをしているうちに宿に明かりが灯り、中に入る。いわゆる釣り船屋というよりは本当に「宿」の形態である。奥の広間に通され、しばし歓談。となりの部屋には前泊のMLの方々が眠っていて、宿の女将さんに叩き起こされていた。

出船時間近くになったので港に移動する。くじ引きで座席を決めて乗り込む。13名の仕立てにも関わらず大型船だ。今回の臼井丸の若船長もMLに参加しており、各自挨拶をしながら支度をする。

4時半になり出船。当然あたりはまだ暗い。1時間ほど走るとのことなのでキャビンに入る。

5時半前に釣り場に到着し、船がスローダウンしたので釣り座に戻り仕掛けをセットする。

外海にありがちなうねりはあるものの、船の揺れはさほどでもない。が、雨はまだ降っている。僚船は20隻ほどで広い範囲に散らばっている。ここは御宿沖らしいが、陸が見えないほどの沖合である。

「はい、いいよ。底からあまり上げないで」という合図で開始。投入器は船にないので吹き流し方式で投入する。重り150号に5本角、ハリス3号、幹糸5号の市販のヤリイカ仕掛けである。140mで着底。そっとしゃくり上げて20m程上げたらまた底に落とすというやり方をしてみる。が、なかなかイカからのシグナルがない。

トモの人はフラッシャーサビキでやっていて良型サバを上げている。なかなかイカのアタリがないので試しにやや上目のタナまでしゃくる。すると90m付近で激しいアタリ。竿を叩く引きはおそらくサバなので高速巻きで巻き上げる。途中でオマツリしたみたいで更に重くなる。
「お、乗りましたか?」「いえ、多分サバです」
といいながらやっと仕掛けが上がってきた。黒っぽい魚体が見える。やはりサバか、と思ったがよく見るとこれがなんと大きなアジだ。念のためタモで取り込んだが、イカヅノが胃の中まで入り込んでいてはずすことが出来ないほど。このオマツリで仕掛けがダメになったので、新しい仕掛けを付け再投入。また90m付近まで上げてみるとさっきと同じようなアタリ。しかしこれはマサバの一荷。大きい方だけキープする。この後、船中ではぽつぽつと大型のヤリイカが上がりだした。

 イカヅノで大型アジを上げた私の雄姿。

また竿先にアタリが出る。が、どうもイカの引きとは違う。水面に浮上したのは赤っぽい魚だ。なんと今度は大型のオキメバルだ。12Lのクーラーしか持ってこなかったため、このイカ以外の獲物3匹で既に半分以上のスペースが埋まってしまった。

6時をまわった。重りが着底後、やや糸をふけさせてからしゃくると待望のイカのアタリ。中速で慎重に巻き上がる。水面に白い影が見えてきた。ヤリイカだ。しかもでかい。竿を置いて取り込むと本当に大きい。胴長40センチはある大型ヤリイカだ。すかさず仕掛けを再投入する。またアタリがある。しばし追い乗りを待ってから巻き上げる。が90m付近でガクガクという感触が伝わり竿先が軽くなる。どうやらサバがいたずらし、その影響でイカはばれたらしい。しかたないのでこの後はイカを掛けたあとは高速で巻き上げることにする。そのせいか、バラしも相当多い。

ぽつぽつと大型ヤリイカを3バイ上げた6時半頃の投入時、今日のピークがやってきた。着底後、ふわふわとしたイカのアタリ。じっくり追い乗りを待ってから巻き上げる。竿が海中に突き刺さるほど重い。クンクンと引きがあることからオマツリではなさそうだ。しかし尋常な重さではないでの回りにオマツリしているような人はいないか確かめながら巻き上がる。やっと仕掛けが上がって生きた。水面を覗くと白い影が複数見える。なんとこれが大型の4点掛け。道理で重いはずである。イカを取り込んだとき、4点掛けの興奮で手前まつりしてしまい、これをほどいてから再投入。少しタイムロス。あちらこちらで一荷でイカが揚がっている。まさに入れ乗りのようだ。

重りが着底。すぐにイカのシグナル。ここでも十分に追い乗りを待つ。ゆっくりリールを10m巻いたところで電動スイッチオン。またしてもかなりの重さだ。が、これは30m程巻いたところの大きな引き込みで竿先がふっと軽くなった。ばれた軽さではなく、重りがないような軽さだ。上げてみると角1本を残して幹糸が切れてしまっている。「このへんのイカ釣りは幹糸8号でないと切られることがある」と言われ、半信半疑であったが目の当たりにしてみるとやはり驚きだ。大型ヤリイカ4点掛けの2連続に5号幹糸が耐えられなかったようだ。

今度は6本角にして再開するが、ピークは過ぎ去ったようで、この後はぽつぽつと大型のヤリイカの乗る程度になる。

東京湾や相模湾のイカ釣りと異なり、この周辺では「大流し」の釣りで、イカの群を追ってせわしく移動することはなく、じっくり流して釣るので1流しで何度も投入することが可能だ。

雨はあいかわらずぽつぽつ降っている。このような天気の日はイカの乗りが長く続くのだそうだ。

中層で乗ることはほとんどなく、着程度に糸ふけを少しだし、ややたたき釣り気味に竿先を上下してしゃくりあげるとかなりの確率でアタリが来る。が、途中でバレるケースがかなり多く、数が伸びない。

時間が経つにつれてだんだんと北東風も強くなり、海にもウサギが飛ぶようになってきた。うねりも高くなってきたので、やや早い11時半頃に沖上がりになった。

 ヤリイカの成果。とにかくでかい。

結局胴長40センチ程度の大型ヤリイカが11パイ、中型が2ハイの計13バイ。数こそ少ないが、その大きさを考えると十分な釣果だ。外道にはアジ34センチ1、サバ33センチ1、オキメバル34センチ1で、12Lのクーラーはふたが閉まらないくらいに満タンになった。

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1時間程で帰港すると、港では女将さん達が食事(カレー)を用意して待っていた。一度下船し、港で食事を済ませ、30分後には午後の部がスタートになった。午後は仕立てではなく乗合になったが、船は同じで、他のお客さんが1名乗り込んだのみであった。

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午後の部のメバルはイカの場の荒れ方から出船が心配されたが、大原沖はさほど海は悪くないので決行となった。

仕掛けは船宿特製のものを使う。16号のセイゴ針にハリスは3号、重りは50号とメバルにしてはごつい仕掛けだ。餌は塩漬けのシコイワシを使う。

午後釣り用の竿ともう一つの12Lのクーラーを積み込む。1時前に港を出た船が20分ほど走った大原沖でスローダウンし開始となった。水深20ちょっとのこの場所ではアタリがなくすぐ移動になった。次の場所ではアタリがあったが餌を取られただけ。胴の間では船中1号のクロメバルが上がった。

誘い上げたり、頻繁に底ダチを取り直したりしてがんばってみるがなかなか魚が顔を見せない。

3回目の移動の後、底ダチを取り直した仕掛けにやや違和感を感じ、から合わせをしてみると激しく竿先を叩く引き。途中、強い引きを竿のタメでかわし、あがってきたのは黒い魚体。これは36センチのなかなかの真ハタだ。メバルの様子が今ひとつなのでみんなの羨望のまなざしを受ける。

この後は時々当たるが餌を取られるだけ。まわりでもメバルはぽつぽつ程度。外道にアナハゼや餌が落ちた針に20センチ程度のアジが掛かったりする。時々船は潮回りするが、状況は好転しない。

4時を回って真ハタとアジが2つのみ。本命のメバルは未だ掛からず。

日が傾いたのと北風のせいでだいぶ寒い。完全防寒装備で来なかったのでだんだんと体が冷えてきてしまい、耐えきれずしばしキャビンにて仮眠を兼ねて休憩する。

30程たったところで復帰すると「メバルだめだからアジ釣っているよ」と隣のMさん。からばりやサビキでアジが結構上がっているようだ。私も餌をつけすカラバリ3本の仕掛けを落とす。と、20m付近で落下が止まり、竿先が震えている。心地よい引きを楽しみながら上げると3本針にアジがパーフェクトについている。取り込んで再投入し、誘いながらしゃくっていると同じく20m付近でアタリ。なんと今度は20センチ強のクロメバル。あんなに塩イワシ餌で狙ってだめだったのにカラバリに食いついてくるとは。

 カラバリに食らいついてきたメバル

この後も時々アジがかかるが、サビキ仕掛けの人にはかなわないようだ。また、シコイワシもからばりに掛かるようになり、これをそのまま沈めてメバルを上げる人もいた。

ミヨシではハタや良型のホウボウが上がったようだ。隣のトモのMさんが大きく竿をしならせている。水面に浮かんできたのは茶褐色の魚体。なんとヒラメだ。ソゲ級ではあるが、釣れたイワシを餌にして掛かったようだ。

時間は6時前。普通なら5時頃には上がるのだが、今日は釣果が今ひとつのため、ぎりぎりまで粘ってくれているようだ。そのかいがあってか、終了間際の流しでやっとイワシ餌でメバルをゲットできた。

竿をしまい始めた6時、隣のMさんの竿がまた大きく曲がる。今度は1.3kgのマトウダイだ。

結局6時過ぎに終了になった。午前の部から合わせると11時間くらい船上にいたことになる。さすがにみんなお疲れのようだ。

午後の釣果は36センチの真ハタ1、22〜26センチのクロメバル2、20センチ前後のアジ8であった。午後も数は今ひとつだが、いろいろ釣れて面白かったのと、しばしアジの入れ食いを堪能できたので、満足度は高かった。

7時過ぎに帰港、船宿でラーメンをご馳走になったあと、精算を済ませ、MLの皆さんに挨拶してから船宿を後にした。

さすがにこれだけ1日釣りをすると充実感を感じることが出来た。また他種類の魚が釣れたことも数が伸びなかった割に満足度が高い要因であろう。


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