長宗我部氏関連スポット

道善御馬是へといふを相図に、
横山源兵衛、背より道善を刺殪す。
あなたこなたへ呼寄せ謀って、
一日の中に謀殺しけり(西国太平記より)

丈六寺じょうろくじ

「阿波の法隆寺」ともいわれる徳島県内きっての名刹。室町末期建造の三門は国の重要文化財。観音堂(国重文)には木造聖観音坐像(国重文)が安置されており、この仏像の丈が六尺であることから「丈六寺」という寺名がついている。宝物殿には阿波国守護であった細川氏関連の画像や文書が収蔵されているが、もっとも有名なのは「血天井」であろう。長宗我部元親に謀殺された新開道善の伝説を今に伝えている。JR徳島駅から幡多・五滝行きバス丈六寺前下車。


和唐様折衷の丈六寺三門。室町末期のものといわれる徳島県内ではもっとも古い木像建築物である。


血天井と呼ばれるものは日本各地にあるが、謀殺現場という血なまぐさい舞台としては丈六寺の血天井は格別なものであろう。天正九年(一五八一)、長宗我部元親は、阿波侵攻の際、和議と称して牛岐城主・新開道善をおびき寄せ、酒席で謀殺した。黒く点在しているものが血痕といわれ、中には人間の指状のものもある。


新開遠江守実綱(入道道善)の墓所。長宗我部元親によって丈六寺で謀殺された新開道善は、酒席で殺害されたということで、現在では禁酒の神様にもなっているとのことである。