蔵前橋通り脇にある新小岩公園から中川土手沿いに下っていくとすぐのところに、松島変電所があります。
これは、土手から写したところ。亀戸線は中川、荒川を越えて亀戸変電所まで電気を送っていくのです。
向かって右側の白い壁に囲まれているのが松島変電所。街中の変電所では、このように壁に囲まれていて、むき出しの鉄骨や碍子、電線を露出しないように配慮されています。ただ、壁はあっても屋根があるのかどうかまでは確認できていません。もともと、露天(と言うのかな)でも大丈夫なように設計されているはずですから、屋根が無くても不思議はないのですけど。
東京都江戸川区にて
鉄塔の一番てっぺんにあるものといえば、架空地線です。
架空地線とは「架空」にある「地線」です。「地線」とは「地面につながっている線」ということですから、アース(接地)線といったところ。
一方、鉄塔本体は地面の上に立っているわけです。基礎が地中にありますし、僕のような者が鉄塔に触れても感電しないということは、アース(大地)につながっているからでしょう。
この2点から、架空地線と鉄塔本体は電気的に接続されている、ということが予想されるのですが、この写真は別の意図が読めるのです。
鉄塔本体と架空地線を接続しないようにしている。
耐張型鉄塔で送電線がジャンパ線で迂回されているように、この鉄塔では架空地線がジャンパ線で迂回されているのです!
なんとまぁ、こんな注意書きがありました。
今まで他の場所では見たことがありません。この鉄塔特有のモノなのでしょうか?
架空地線には光ファイバーケーブルが仕込まれている場合もありますが、それとは関係ない感じがします。
真相は如何に?
ということで、おなじみHisaさんから、この件について情報をいただきました。いやぁ、そうだったんですか。
ところで、“架空をつなぐ”ですが、これは、当該鉄塔及び 前後の鉄塔が地気を生じているためにこういう事をしている 訳です。 地気とは、地面は実は同一電位ではなくて、地面(地下)を 流れる迷走電流によって電位を生じているのですが、それが 余りにも大きいと電蝕障害等が発生するので、敢えて架空地 線を絶縁する方法が取られます。 ただ、雷等の保護をしないといけないので絶縁は最小限にし てあります。 この手法はJR等(特に新幹線)の架空地線のように超長距 離にわたって送電線を引かないと行けない場合などに使われ る手法です。JRの場合は、碍子のところに2〜3cm程度 のギャップを設けてあります。
地面だって、完全な導体ではないですから電流が流れれば電圧が生じますもんね(これ、オームの法則です。思い出しました?みなさん)。
川を挟んで渡している送電線ということも関係しているのかもしれませんね。
電車は架線とレールで電気を通しているのにも関わらず同様の構造を有しているということは驚きです。架線はともかく、レールは導電率悪そうだもんな。
Hisaさん、ありがとうございました。