果たして、この電柱は鉄塔なのか?
もちろん違うのである。それでは、この『新京葉線84−1−1』というプレートは何を意味しているのか? 以前紹介した「これも鉄塔・・・か?ポケッ塔」では、5本の鉄柱に同じようなプレートがついていました。
その謎が、今、明らかになります。千葉県柏市にて
ここらへん(利根川河川敷)には農地が広がっています。そのなかの農道の両側に、この電柱群がありました。それぞれ2本の上部には、3本の電線が渡っています。それも、1区間のみの電線です。どう考えても、ここに電気が流れているとは思えません。
ふと見上げると、新京葉線の送電線が、電柱群の電線の上を90度の角度で渡っているのがわかりました。そうです。ここがポイントなのです。
決定的なのは、上の写真の電線です。この写真ではわかりにくいのですが(申し訳ない)、3本の電線は、電柱の腕の部分ですべて電気的に接続されているのです。さらに、その電線が電柱の部分を降りていき土の中に吸い込まれていきます。
この電線は、「アース」なのです。
なぜアースが必要なのか?
勘の鋭い方は、もう御分かりかもしれませんね。つまり・・・。
『送電線の切断によって、充電部分がこの道路を通っている人に接触しないように』
ということなのです。(と思う)
人に接触する前に、アースに電気を逃がしてしまおう、ということなのです。
と書きましたが、「電力さん」から下記のような情報をいただきました。ということで、我々を保護するためのモノということは当たっていましたが、その内容は違っていました(汗)。
>★ これは、遮蔽線というものです。 > > 目的は、万一送電線がきれた場合のためにあるのではなく、 >静電誘導電圧を軽減(遮蔽)させる目的のものです。 > 静電誘導電圧とは、簡単にいうと送電線の電圧が高く、かつ >送電線の高さが低いところでは、電界が高くなってしまうため >もうけるものです。 > 具体的に言うと、雨の日など上記の送電線のしたを傘をさして >歩いたりすると”ぴりぴり”と電気を感じることがあります。こ >のようなことを防止するため設置してあります。
なお、この情報をいただいてから、『架空送電規程』を見てみました。
「第10−1条 誘導障害の防止」の中で、という項がありました。
3.人に対する静電誘導障害の防止
さらに、『電気設備技術基準・解釈』の第102条にも同様の条文(誘電障害の防止)がありました。
まさに、これです。 「電力さん」ありがとうございました。19991008
先日、最初の3枚の写真を撮ってから二月後に、この現場を訪れてみると、僕の予想がほぼ的中していたことを実感しました。この看板によると、これらの電柱、鉄柱、電線は「遮蔽線」というものなのです。何を遮蔽するのかといえば、送電線を・・・。
万が一のときに、我々を守ってくれる(かもしれない)構造物だったのです。