中川一郎 第36回 公然ギグ(「地下から空へ #20」)
2002年10月12日(土) 18:30開場 19:00開演
@ 御茶ノ水 OCCビル B1F アイリーンホール
当日配布したフレーズの数々は ここをクリック
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前回4月のライブの後、半年ほど時間が経ってしまいました。その間、パソコン購入(ADSL導入)、ダイレクトエンコード機能付MP3録音プレイヤー購入など徐々に、簡単に自分の音源をmp3化して発表できる環境を整えることができました。
今までですと、VS880EXにて録音⇒倍速でCD-R作成⇒リッピング⇒MP3化というプロセスを経なければならず、MP3の音源をアップロードするまでに結構な手間がかかりました。が、今度は、VS880EXにて録音⇒ダイレクトエンコードでmp3化という簡単さになったので、一度っきりしか歌わないような楽曲・音源も公開できるようになりました。
こういう歌の題名。気楽にこだわりなく付けています。ま、いいじゃんという感じ。目立つ題名をつけるとダウンロード数も増えるかなと思って、長い題名をつけたりするんですが、思ったほど伸びなかったり。だから、それで、どうこうというわけでもないのですが、楽しみながらやってます。
ディジタル化された音楽をダウンロードしたり、リアルタイムで聴いていただいたり、そうされるように預かっていただいたりするための費用がどんどん小さくなっていってます。
であるとすれば、仕掛かりのものも、ディジタル化して、ダウンロードしたり、聴けたりしておく方が、節約しようとして結局、自分でも忘れてしまう、なくなってしまう、回復する見込みも無いという事態よりも良いのかもしれぬと思ったりします。
聴いて下さる方の時間は大きく変わらない中、かくして供給される情報量は増えていく。選択するために割く時間が増える、あるいは、「聴いて上げよう」という時間に関する競争率が高くなる。「聴く人」本位に世の中が変わっていくのでしょうか。
°http://www.mp3-tokyo.tv/index.php?command=profile&profid=20020312201208°°http://www.muzie.co.jp/cgi-bin/artist.cgi?id=a004177
今や、デジタル化された音楽情報を蓄積すること、それを聴きたいと思った人が、さっと聴けるようにすること。これが、実質的にタダ(増分費用がタダってことかな)になってしまっています。
おかげさまで、中川のようなものも、自分の音源なり楽曲なりを、いつでも聴いていただける在り方にしておくことが可能になっています。少なくとも、そこに存在させられることができます。それが可能になるまでは、その障壁がとてつもなく高いもののように思えたのでした。
インターネット以前、ムーアの法則がパソコンからデジタル楽器・デジタル器材に及ぶまでの間、それはかつて「絶対零度」というバンドで活動していた80年代の始めあたりまで。
その頃の設備投資や費用の莫大さを考えると、効率的に回収しようとするならば、
音をある時点でパッケージにすること。そのパッケージにした音を一気にさばくこと。
という方法論にならざるを得なかったのであろうと思います。
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締め切りに向かってつくる。一つの完成されたバージョンを大量複製・流通する。というか大量複製・流通されたバージョンが、もう、完成版なのでしょう。
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常時接続インターネット以降においては、パッケージにするために、限られた流通経路のなかで、お店の棚で位置を占める、パッケージにするための工場のラインを一定時間押さえる、そのような配分をするために、締め切りを定めて、音源を、楽曲を「つくる」ことの必然性が、どんどん薄れている。・・・ように思えます。その気になった人が聴けるように存在させること自体は手軽になりました。
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しかしながら、効果的なプロモーションのためのメディア、オンエア時間帯とか、紙面とかには制約というか大変な希少性があり、その希少性ゆえに畢竟大資本力によってそれらプロモーション媒体を押さえることは必然的にそういうものとしてそこにあります。であるからには、やはり、必然性はありまくるのであって、きちんとした納期までに「つくる」ことは、プロダクション・ネックではなく、プロモーション・ネックゆえに厳然としてそこにあるのでしょう。
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また、そのようなプロモーションをいくつものバージョンについて行うわけにもいかず、それはもう短期決戦で投下した資本を回収するわけなのであるから、それはもう、単一パッケージをどれだけ短期間に大量に裁くかということであるわけなので、納期に間に合わせ、短期間にぐわっとプロモーションされまくる。それが「完成」版を「つくる」ことになると。これも尤もとも思えます。
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言葉にせよ、音楽にせよ、フレーズ単位のものが出てくる。
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それをできるだけそのままにやる。するりと逃げたり、消えていったりしそうなフレーズを、ギター弾きながらつかまえる。網をもって、トンボを捕まえに行く。そんな感覚?
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そういうことである。「つくる」ということとは程遠い。「ああ、いいかな?」と思えた時点で、ライブでもやってみたいと思う。それに向けて集中的に練習する。ライブ前は他の人の音楽なんぞ一切聴かずに、音楽を聴ける時間はすべて今度ライブでやると決めたのを何度も聴く。
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が、それから、しばらく、時間が経過すると、膨らむというかなんと言うか、加わったり、削れたりが起こる。なかには、20年越しでそういうことが起こったりするものもある。
ということであり、「つくる」こと、「完成する」こととは程遠いような気がします。そして、「つくる」のではなくて、「出てくる」。その「出てくる」こととは一体何か?ということを考えていくと、あらかじめ、そこにある歌なり、ギターのフレーズなりが、自分の身体に宿って出てくるというか、憑依される。そんな感じなのではないかと思えるのであります。
------- 以下は事前の口上 -----
■■ 中川一郎 第35回 公然ギグ@(「地下から空へ #20」) ■■
【日時】2002年10月12日(土) 18:30開場 19:00開演
【場所】アイリーンホール (御茶ノ水 明大通り OCCビル B1F)
地図などは・・ http://www.rockjazz.com/promo/occ.htm
【出演】真鍋智子、中川一郎、笹山ぜん(出演順) 中川の出番は19:45予定
【料金等】当日券のみ1500円(ドリンク無・持込自由、場内禁煙・出入り自由) 注:受付にて問われし際、中川を見に来たといっていただけると助かります。
【口上】中川です。ご無沙汰してます。しぶとく生きてます。半年ぶりに笹山ぜんとライブをやります。新しい歌もできつつあり、精進してます。
今回はhttp://rockjazz.comの野田さんの紹介で、真鍋智子さんという気鋭のシンガー・ソングライターとの共演が実現しました。
新しい展開があるかも。
真鍋さんの公式ページURL: http://sky.zero.ad.jp/~zaf76494/
【その他】この場限りで、「中川のフレーズの数々」のハードコピーを配布させていただきます。OCPL00000foreverと明示しましてですね。
【打上】いつも出席者数が読めず、当日、ぶらっと近傍の飲み屋に行く・・というパターンになります。が、今回も打上はやるだろうと思います。幹事立候補、御茶ノ水での場所のご推薦など大歓迎。