音楽ビジネス参入のすすめ



この一冊。これまで、ぼんやりとしか考えていなかった、音楽業界の構造の概観をつかむうえで役立ちました。自分自身が、歌いながら、やってみたいと思うことをごく小規模で進めるうえでも、参考になったように思います。

著者が解説をうまく進めるために、現在の業界をプロダクション、音楽出版社、レコード会社という3機能に分けて解説しています。また、それぞれが業態としてなりたつために必要な、権利として、タレント等のマネジメント権、著作権、音楽出版権、そして、原盤権が対応するとしておりました。

概念的には、以下のようになりましょうか。

以前は、原盤権を有するレコード会社が、レコード等の流通経路も握っていたけれども、最近は、レコード当の流通がアンバンドルされてきているとか、あるいは、ブロードウェイのミュージカルのように、原盤制作やプロモーションへの小口の出資者を募るバッカーズ(backers)レコードの動き等々も紹介されておりました。

一方で資本力によりワンストップでこの3機能を統合する動きもあり、その一方で、特定の領域に特化して、資金、事業規模の必要なものはアウトソースするという動きも出ているようであります。

音楽関係については、我が強すぎるゆえ、とても他人の音楽表現に携わってそれを生業とすることができそうにありません。しかしながら、自分がやろうとしていることでどのような機能を備えるべきかということの展望が見えたように思います。

980228 中川一郎 




書評もどき目次へ

サイバー梁山泊のwhat's newへ

サイバー梁山泊の目次へ

サイバー梁山泊のホームページへ

メールを出す→