さて、このインターネット元年とでも呼べそうな95年のしめくくりの時期に、岩波新書から、村井純さんの「インターネット」が出ているのをやっと見つけて、読了した次第です。村井さんの本を読むと勇気が湧くというか、インターネットは新しい文化の在り方なのだということを再認識させられる次第です。
たとえば、
p10これは感涙もののフレーズです。以前から、ぼんやり思っていたことをはっきりと言葉にしてもらったという感じです。
出版も映画もテレビも・・・・規模を拡大する反面で、人間のコミュニケーションのうちの大事なものを犠牲にしてきたのです。それは、「双方向性」と「対等性」と「日常性」です。これをインターネットは持っています。
p158これも、生き様というか人生はこのノリでやっていかないと・・・ということを凝縮しているように思えます。 日本のインターネット牽引してきたご本人の言葉であるゆえ、実に重く深いものを感じるのでした。
人間は理解したり対応するのに時間がかかることが多いので、理解と体験は早めにしなければいけません。規制というのはそう考えると恐ろしいものです。限られた前提のなかで考えることを私たちに強いているのですから。
(960211)
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