インターネット活用法




インターネット本が減る気配はなく、このメディアがさらに拡大を続け、そして、メディアとして大きな力を獲得しつつあることを予感させる。よりどりみどり。困ってしまうことが多い。ここで、一冊。また座右の銘にしようという本が現われた。何よりである。

古瀬さんのスタンスは一貫している。いかに使うか。いかに活用するか。そのスタンスは決して崩さない。それが古瀬幸広ブランドとでも呼ぶべきところにまで達している。信頼できるのである。その古瀬さんが、今、最も多くのインターネット・ユーザのために「活用法」をコンパクトにまとめてくれた。

何もかもが論じられているかというとそういうことはない。詳細は、他の本なり雑誌なりを参照せよとなっている。これだけのインターネット本、雑誌が豊富にある時代だ。このスタンスが良いのだ。それよりも古瀬さんが痛感している問題意識に基づくポイントが論じられている。

それは第5章の「私家版情報発信作法」である。WWWの本質が、巨大なデータベースであり、それが随時生成される。問題意識をもって使おうとする時には、これほど有用なものはない。ところが、現在の多くのHome Page(中川のこのHome Pageもご他聞には漏れないだろう)は、検索エンジン、エージェントという仕組みが出てきたとしても役立たないという。HTMLのなかのヘッダー・タグの使い方がめちゃくちゃ、そして、定義タグが活用されていないからだという。

これはもったいない話であり、そのロスが蓄積されたら、たいへんなものだ。すべてのWebmasterは、本書の第5章を読み、自らのHome Pageが世界データベースのなかで有効に機能しうるかいなかを検証すべきだろう。(これは自分自身にも言い聞かせているのでもある。)

古瀬さんはネットは「出会いのメディア」(p21)だとしている。人が問題意識を高め、検索エンジンを使ってHome Pageにヒットする。その出会い。それはネットによって初めて可能となった「智縁」だ。これこそ数多くの先人が理想としながらも、実現できなかったことだ。それが可能になろうとしている今日。情報を発信しようとするすべての人々が、本書第5章の最低限の決まりごとに準拠することが仕上げとなる。ベスト・セラーとなってほしい。そして、多くのwebでの発信者が準拠してほしい。

付録の役立つ用語集、URL集も充実している。座右の1冊となるゆえんである。

    目次:初歩からできる使いこなしのテクニック
  1. インターネットの世界
  2. インターネットは”道路”だ
  3. インターネット接続の実際
  4. インターネット縦横無尽
  5. 私家版情報発信作法
Copy Extremely Left by the NAKAGAWAs
(960728)



書評もどき目次へ

メールを出す→