投稿する時の気の持ち方 971019


最近、メーリング・リスト等に投稿する際、問題提起をする時のスタンスについて考えを巡らせる機会がありました。

大規模で小規模であれ、パブリックなものであれ、クローズドなものであれ、投稿するというのは勇気がいることです。ある種、気負いみたいなもの、自分のなかで盛り上がる何かがないと、投稿するところまでは至らないような気がします。悪い方向にとらえるならば、厄介なことはいくらでも想像できます。誰かにかみつかれるのではないかとか、あるいは、まったく誰も反応してくれないのではないか、等々。心配し過ぎたらその種はつきません。

これまでの経験で、中川なりに抱いたメーリング・リストという仕組みを使ったコミュニケーションに関して、「投稿する際には、こういう気持ちで接したら善いのではないか」ということがあります。「これは、もしかしたら、生き方の基本姿勢とも通ずるところがあるのではないだろうか。」と思えるようなことなので、記してみようと思った次第です。

公式見解を求めるのは、それ専用の「場」や「仕組み」で行うべきだ

規約とか、ルールとかにその旨、明言されている「場」以外で、「正式の回答」なり「正式のコメント」を求めるべく、相手を名指しして「ふる」ということをしてもこれはうまくいかないと思います。

見解を表明しなければならない側は「公式的対外的見解」と受け止めます。

たとえば、

という問いかけをした場合に、その「場」がそういうことを明確にうたっている「場」であって、参加している人も公式の仕事(基準は、上司がそのために時間を使っていることを当然と思うかどうかということでしょう。)として、その「ご説明」を行うのが当然としている場合は、たんたんと進むべき方向が決まっています。

しかしながら、そうでない「場」ではどうでしょう。そうでない「場」の醍醐味は参加者の見解がその「個人」の責任において行われるところにあると思います。言い方を変えると、「公式見解」は他に答えるべき「しかるべき人」がいるという前提があります。だから、そこにある種の安心が生まれて、個人の責任に基づいて、大胆であったり、また、深い洞察を表明したりできるという性格があります。それゆえ、ダイナミックなアイデアの交換や深化ができるのでしょう。

このような「場」において投稿する人の責任というものは、問いかけに対して精一杯の努力をして答えていくということであろうし、答えられないことについてははっきりと理由も明示して答えられないと対応することに限定されるべきでしょう。

そのような「公式見解」中心ではない「場」において・・・例示された問いかけがなされた場合、どうなるでしょう。

そもそも「会社で、そういうことをやるのはPRということを使命として担っている人だから。賃金を得ている先が●●社だからといって、何で俺が個人として参加しているのに、そんなことに答えなければいけないのだ」という反発もわくでしょう。「一体、何なんだ!」という感想が抱かれるでしょう。何となく「答えなくてはいけないかな〜」という気持ちが半分。しかし、反発も半分。

「問題提起」をされたことすべてに答えなければならないとすると そのようなMLに参加するのは余りにツライ

ということになって、沈黙せざるを得なくなってしまうのではないでしょうか。

中川がML等での経験から抱いている仮説として・・・

というものがあります。

ある話題に興味を表明していない人に対して、あるいは、立場的にふられたらレスしなければならないかもしれない人に対してML上で発言を求めるという行為について、これは「●●しなければならない」という要素をその「場」に持ち込むことになるので、自分自身ではやらないように心がけています。

投稿するときには、反応、コメントがなくてもがっかりしない

マイナーな表現者としての習い性でありまして、ML等に投稿する時、「誰かが読んでくれるかもしれない」というだけで自分にとっては十分と思おう。としております。それでないと「悲しい」「寂しい」ことばかりです。

その「悲しさ」を避けようとして、レスを期待して投稿するというスタンスでものを書くと、衒い、媚び、けれんみ、みたいなものがテキストからにじみ出てしまうのではないかと感じるのです。

投稿することで、少なくとも未来の自分がレスしたくなるかもしれない。だから、まず、それで満足しようと。それでレスを誰かが下さったら、それこそ「有難い」ことであり、感謝感激だと。

まあ、そんな感じでないと「悲しくてやりきれない」(フォーククルセダース)ことになってしまいます。

「継続は力なり」といわれます。「がっかりしない」から「継続」できるのではないかと思います。

971019 中川執筆





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