「豚の報い」な夏の一日(99.7.31)


99年7月31日。この日は朝から、「豚の報い」だった。大熊君からDMで知らせのあった「豚の報い」のCD。買ってきて、封を開き、聴いてみた。聴いているうちに、むしょうに映画を観たくなり、新宿に出かけた。映画も観た。

どこかに置き忘れている場・・・に思い至る。さりげない。役者なのに、実にさりげなく日常を切り取った感じが良かった。特にネーネーたちの会話。トーンとかイントネーションとか。これほどストレスを人に与えない日本語があるのだろうか、と思わされた。こういう日本語で会話を続けられたら、ゆったりとした人生を過ごせるのではないか。などとの思いに耽った。美しい海と夕焼け、朝焼け。東京で記号をいじることを生業とする抽象的で不自然な平日ではすっかりと忘れていることなのである。

そして、そういえば、この日は吉祥寺star pine's cafeで「豚の報い」CD発売記念の大熊君のライブもあったことも思いだし、夕暮れの吉祥寺へと向かったのだった。

Cicalamvtaは円熟味を増しているように感じられた。こぐれみわさんが、すっかり、発声といい、コーラスといい、堂に入った感じで、ステージをつとめられていたのが傑作だった。坂本さんのチェンソーはお約束になってしまったようであり、そもそもといえば、96年4月のplan Bの時だったよなと思い至る。

ゲストが平安隆であった。この人が三線で歌うと。もうそれだけでひとつの世界というわけであり、それに別のことを絡める必然性があるのだろうか?と感じなくもなかったが、「満月の夕」はより普遍的なものであるゆえに、それもまた包含してしまうのだろうか。

star pines cafeも満杯であり、目出度い限りである。どこでもないどこかのいつでもないいつかの音。でも、それは故郷のような、心が安らぐような場所を思い至らされた。

実に、「豚の報い」な一日であった。

豚の報い・・映画については次のURLに情報があるようである。http://www.nifty.ne.jp/rforum/fcinema/new1999/butanotugunai/

99.8.21 中川一郎@サイバー梁山泊    mailto:nakagawa@aa.uno.ne.jp




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