Business Week誌が、AT&Tからの分離以来好調なLucent社について論じていました。最近のAscend社の買収についてコメントする際の論じ方が、当面の信頼性は高く既存通信会社に受け入れられやすいであろうATM技術を獲得したけれども、新興通信会社が取り上げるIP技術について、Ascend社の買収は補完するものではなく、いずれ、IP技術獲得のための買収なども想定されるとしています。当面の通信技術の見方として、興味深く感じられた次第です。
99.02.08 Business Week Lucent's Asccent Will it be the phone gear colossus for the Internet era? p56 ルーセントは株式を公開してから、株価が13 1/2から、1月8 日には120まで上昇した。同時期のSP500の上昇率は二倍に も達しなかった。昨年だけでも、ルーセントは株主にとっての価 値を3倍とした。SP500のリターンは29%であった。 p57 北米におけるMCI WorldCom,Bell Atlantic,Bellsouthの設 備投資は節減されている。しかし、新たな通信事業者がその 減少分を補っている。Ascend社を$20billionで買収したことに より、ルーセントは新たな通信事業者の需要に応えられると、 McGinn会長はコメントする。 Ascendの買収がなかったとしても、99年の売上は20%増であ ると予測している。 データネットワーキング機器市場は、$45billionである。通信 機器市場の10%を占めるに過ぎないが、伝統的な機器の市 場の倍のスピードで成長している。 p58 しかし、技術面から見るならば、McGinn会長の選択が最良で あったかとは言いきれないかもしれない。Ascend社はATM技 術を使った電話交換機のトップメーカーなのである。ATMは、 音声とデータを統合しようとする第一世代の技術である。現 在では、ATMからIPへと技術が変動している。 現在、電話会社の多くはIP技術の信頼性が不充分であると している。しかし、日々向上していることは確かである。ルーセ ントにとっての問題は、シスコがIP関連機器の67%を占めてい ることである。ことIPに関しては、ルーセントはレーダ映像上の 小さな点に過ぎない。 P59 Ascendの実績のあるATM技術は、ルーセントの大電話会社 向けの営業において、シスコやノーザンテレコムが推進する実 績の少ないIPを凌駕させることは確かだ。しかし、規制緩和以 降の新興通信事業者たちにとって、ATMは魅力的ではない。 たとえば、ICGコミュニケーションズがIP電話を提供しようとした 際に、ルーセントにデモンストレーションの機会を与えたが、ル ーセントは合格しなかった。この案件は、かわりに、$5millionで シスコが受注したのであった。 アナリストは、ルーセントが、いずれ、Juniper Network社や、 Nexabit Networks社などのIPの会社を買収するのではないか と予測している。99.02.14 中川一郎