Asia Logs On p22 アジア各国のメーカーは、すべてのサプライヤーとの取引をネ ット経由で実施しようとするウォルマートやコンパックのような 米国の納入先企業からの圧力に直面している。さらに、昨今 のアジアの不況が、各社に対しより一層のコスト削減と効率 の向上、従業員とのコミュニケーションの改善を迫っている。 米国企業やドイツ企業により近いメキシコや東欧諸国との競 争に直面している多くのアジア企業にとって、インターネット (the Net)の利用は一歩先を行くための欠かせないツールと なっている。 香港のリーマンブラザース(Lehman Brothers)の通信、メディ ア、インターネット専門のアナリストであるRavi Sarathy氏は、 次のような予測をする。「昨年の日本を除くアジアのISPの売上 は$1billionであったが、今後、毎年61%ずつ成長し、2002年に は$8.2billionとなると予測される。現在、日本を除くアジア各国に は1050万のインターネット・アカウントがあるが、利用者は、世界 中で最も急速に成長し、年間で39%上昇する。」 p23 International Data Corporation(IDC)のアジア太平洋地域のシ ニア・アナリストであるPete Hitchen氏は次のようにコメントする。 「昨年、オンラインでの売上はほぼゼロであった。しかし、2002年 には、$15billionに達するだろう。メーカ間の大量の取引やサプラ イやとの取引などによって10倍の成長を遂げるだろう。」 P23 リーマンブラザースは、シンガポールのPacific InternetのNASDAQ のIPOの幹事となる。これは、アジアのISPによる初の米国での株式 公開である。 P24 多くの政府当局者も、インターネットの商業上のメリットが、政治的秩 序に対する脅威というデメリットを上回ると認識している。米国とは異 なり、アジアにおけるインターネット利用が事業用が中心的である点 が、その理由である。IDCの調査によれば、アジアではネットユーザの 51%がビジネスの利用である。個人・住宅用の利用は市場全体の20% であり、米国の54%と比較して、きわめて小さい。 P24 シンガポールでは、政府がインターネット市場を開放したため、同国 のプロバイダは激しい価格競争を展開している。シンガポールテレコ ムは、50%の値下げをしている。 p25 「アジアのインターネットの中心は、いまだにカリフォルニア州のサンノ ゼなのだ」と、シンガポール、香港、台湾においてCNETのニュース・サ イトを提供しているTricast社の創設者であるPeter Schoppert氏はコ メントする。アジア各国間のパイプは細いのである。 P26 香港では、国際インターネット電話が解禁となった。Magictel社は、香 港〜米国間の通話料を1分間19セントと設定している。ピーク時の国 際通話の3分の1の料金である。現在、インターネット電話の占める比 率は、1%であるが、今年末までに、香港の国際通話全体(年間2億分) の10%がインターネット電話に移行すると予測している。 以上99.01.25 中川一郎