99.01.25 B-Week on AT&T
経営陣は株式市場(株主?)に対して、どのような成果を上げるかを
約束する。その約束を違えたら、株は売られる。その約束を守れば、
株価に反映される。
そもそもそういうこと・・というようなことがくっきりとわかるような
記事がありました。以下、読みながらとったメモです。何らかのご参考
となれば幸いです。
愕然としたのは、米国では2年以内に長距離通信料金が現在の3分の1になる・・
という記述でした。日本でもそうなるんでしょうか。なるんでしょうねえ・・
Business Week 99.01.25
pp 53-54
"Mike Armstrong's Strong Showing -- AT&T's boss has -surprise-
kept his promises to investors.
P54
How Armstrong Has Made Good on His Word
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1.コスト削減
(1)約束
2年間で15000名から18000名の削減を実施し、AT&Tの間接要員(費用?
Overhead)を業界平均の22%まで削減する。
(2)結果
恵まれた退職金(severence package)を提供することにより、アーム
ストロング会長は1年で要員を18000名削減し、オーバヘッド削減目標をほぼ
達成した。
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2.地域通信サービス
(1)約束
年間売り上げが100兆円(US$100 billion)の地域通信市場に、事務用
顧客、住宅用顧客を求めて参入を果たす。
(2)結果
Teleport社を買収することにより、事務用顧客を獲得した。また、
TCIを買収して、住宅用市場に参入しようとしている。TCIの五社の子会社と
そのネットワークで電話サービスを提供するための提携を結んだ。
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3.ワイヤレス
(1)約束
利益率の高い顧客を獲得するために、業界平均以下の成長率も甘んじて
受けることにする。
(2)結果
長距離料金やローミング料金を徴収しないDigital One Rateのおかげも
あって、AT&T Wirelessは業界平均の成長率を達成するとともに、利益率の
高い顧客もひきつけている。
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4.国際
(1)約束
AT&Tや他の米国キャリアにとって懸案となっていた海外の企業ユーザに
対する電話サービスの品質を向上する。
(2)結果
BTとの合弁を7月に達成し、BTの海外のカバレッジを活用することにより、
サービスが向上した。
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P53
☆このような成果を投資家も評価しており、1月11日には、史上最高値である
85 3/8を達成した。一年前のアナリスト会合以来の、同社の株主に対するリタ
ーンは41%であり、SP500の34%を上回っている。
★もちろん万事が順調ということはない。売り上げの90%を占める同社のコア
事業である長距離通信は、タイタニックのごときである。もっとも脆弱なのが
消費者市場である。専門家は、今日の1分15セントの料金水準が、2年以内に
1分5セントとなると予測している。
★さらに、地域ベル会社やQwest社のような新規参入事業者が参入することによ
って、市場シェアが現在の50%から30%に下落するとも予測されている。ライバル
であるQwestのNacchio会長は、「キャッシュ・カウ・ビジネスの利益の下落傾向
が明らかになるだろう」とコメントする。
P54
☆今年の後半に予定されているケーブルTVのネットワーク経由の電話サービスを
提供する際には、伝統的な回線交換技術ではなく、IPを利用することとしている。
これにより、革新的なサービスの提供が可能となる。たとえば、AT&Tのウェブ
ページから音声メールを取り出すなどのサービスである。AT&T World Netの
社長であるDaniel Schulmanは「AT&T社内での議論はすでに終了している。
すべての社内リソースをIPに集中投入している」とインタビューに応えて
いる。実際、AT&T LABでは、2000名がIP関係の研究に従事している。
99.01.25 中川一郎
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