98.10.16 実は・・の数だけ、感動のある出会いがあるはずなのだ。


これまでにぼくが聞いた「実は・・」ではじまるフレーズの中で最も頻繁に頭の中で繰り返すもの。それは、ジャックスの「ラブ・ゼネレーション」のなかの・・ 「実は一人になりたいゆえに、馬鹿みたいにたくさんの人と話すのだ」

というフレーズである。高校生の時に、このフレーズを聴いた時、ぼくはすっかり、このフレーズにやられてしまい、それ以降、ジャックスの音源を求めて四苦八苦し、そのプロセスでさまざまな出会いもあり、そして、CDを手に入れてからは、何度も聴くようになっているのである。

これからも、そうし続けるであろうと思われる。

「実は・・」ではじまるフレーズ。

それは、相手が意外と感じるのが当然という状況なのだけれども、
もしも、それを意外と感じなかったとしたら、
これまで、その相手に表明していたのとは異なる自分のあり方を
これから、示すことができる。

そんな予感、期待が実現する瞬間のキーワードなのだろうと思う。初対面の人と趣味の話をする。「ああ、この人、音楽好きかも」とか思ったら、ぼくの場合、こんな展開になる。

フェーズ      フレーズ
1.        「音楽を聴きます。」
2.        「いわゆるポピュラー音楽です。」
3.        「(実は、)ロックです。」
4.        「(実は、)日本のロックです。」
5.        「実は、はっぴいえんどは25年以上聞いてるんです。身体の一部に
なってます。」
6.        「実は、自分でも歌をつくってやってます。」
7.        「実は、12月に人前でやるんです。」

通常は、フェーズ3か4あたりで「ああ、そうですか」という気のない返事があって、そこでとどまる。それが意外な人との会話でフェーズ7までが示現すると、強烈な「縁」を感じてしまうのであるし、そのような出会い方をした人たちとの「絆」はとても強いような気がする。これは、音楽だけではなく、他のことについても感じられる。

「実は・・・」の出会いを求める自分。それは、きっとそういう出会いはないのだろうと踏んでいるのだけれども、「実は・・・」の出会いがあったら、「実に」素敵だと思う。そんな気持ちでいるのだ。

「実は・・」というコミュニケーションを通じて形成された「絆」。これは強く、濃いものだと思う。Coming Outの瞬間、「実は・・」と語る緊張と開放。そして、「実は・・・」ときいて嬉しくなり、「実は、(ぼくも・・・、私も・・・)」で返す時の連帯感。一人きりではないんだ・・と感じた時の感動、感激。

自分でウェブページを構えることの積極的な意味合いが何かというと、対面的なコミュニケーションにおいて、「実は・・・」とはじめるようなことをどんどん掲載してしまうことなのだろうと思う。

初対面の人といきなり「実は・・・」のフェーズにいくのは、至難に属することなのだろうと思う。名刺なりにURLを掲載しておくと、あとから「実は・・」の種が見つかるのかもしれないと思う。

それから、サーチエンジンなりからぼくのウェブページに辿りつく人とかがいて、その人とは「実は・・」級のコミュニケーションが展開し、そういう絆にもなるのかもしれない。

というようなことを考えつつも・・

やはり・・・

「実は一人になりたいゆえに、馬鹿みたいにたくさんの人と話すのだ」

というフレーズには心惹かれるのである。 な。 9810.16 文責:中川一郎





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