時にこんなこともあるのである。それで、いろいろと思いを巡らす。自分自身、そろそろ不惑の年であるのだが、ことキャリアとか仕事に関する限り、また、会社という仕組みとの関わり方に関する限り、相談にのってほしいと思いこそはすれ、私は正解を知っていますから、だから、どんどん相談にいらっしゃいという状態ではないというのが、実態であったりする。
17年前。会社まわりとかしていたわけだけれども、あの頃は、本当に「終身雇用」を大前提にしていたから、だから、お見合いみたいな感じであったような気がするし、何しろ、財務諸表すらろくによめなかったわけで、塁損をかかえていようが、資金繰に窮していようが、会った人の印象で決めるくらいの感じでしか考えていなかったふざけた求職学生だった。知り合いを通じて、「勤めてみるとどうなんでしょう?」などと問いを発することすらしなかった。だから、会社まわりをはじめる前に本当のところを聴いてみる。それだけでも立派なものだと思ってしまう。
それで、相手から質問される前に、自分なりにこうするべきだったな・・とか思うところを整理して、まず、こちらから問いかけてみようと思ったのだ。
その心は。往々にして直観的に「この会社の社風はいい」とかなんとか。そんな基準でかつてのぼくは考えていたのだったが、しかし、上場している会社と上場していない会社というものはずいぶんと機会は違う。また、上場されている会社だったら、会社情報とかいくらでも公になっている情報が手にはいるのだから、学生さんとは言え、労働市場に参加するわけなのであって、市場に参加するということは結局、リスクは自己責任で引き受けるということなのであって、そのためには「財務諸表」を読める。大体のところだけれども、そうはあるべきなのだ。
当期は黒字かいなか。累積損失はないか。借金づけになっていないか。株式は公開されているか。公開前だったら社員持ち株会とかあって、大きなキャピタルゲインを狙えそうかとか。具体的に株式公開に向けた動きがあってそれは世の中的にも認知されているか?等々。そういうことはやはり知っておいて間違いはない。
面談とかあるわけであって、そこでは基本的にいくつか。自分の言葉で語ってほしいことがあり、それはやはりその人のいいところを知りたいという風に面談をする人も思っているわけであるし。いやいや、そういうテクニカルなことではなくて、そもそも仕事をしてお金をいただくということの根本は、得意なことを得意満面にやってみて、それが評価されるということなのであり、だから、何が得意か。何が得意になりそうなポテンシャルが自分にはあるのか。それはしっかりと自分でわかっているべきであるし、自分の言葉で語れるべきであって、伝わるべきであって、質疑応答を明快にできるべきなのであろうと思うし、また、相手にも検証できるようになっているべきなのだと思う。
これは結構大事な問題。何となく会社が大丈夫そう・・ということではやはりもたないと思う。本音のところで、こうしたいということがわかっているなら、それをもとにして「建て前」をつくるのは簡単だ、比較的。そして、説得力もあるだろう。しかし、その根っこのところがぐらぐらしていると、やはりぐらぐらしてしまう。建て前を自分の本音だと思い込もうとしても、やはり無理なことは無茶なのであって、化けの皮はすぐはがれてしまって、それがまた自分のぐらぐらを増幅してしまう。だからこそ、まず、本音でどうしたい。ということをしっかりと考えるべきなのだ。しっかりと考えてもよくわからない。そういう場合もあるかもしれない。また、答も変わるかもしれない。けれども、そのとき、その時の本音。それが大切なのだ。
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では・・
ぼくは、何を問われそうなんだろう?
ぼくは、通信業界のある一社を選び、15年も勤め続けてしまっていて、だから、その求職学生さんと対応してくれませんかと言われているわけなんだが。
ぼくは、何を問われそうなんだろう?
と思いを巡らせてみようか?
まずは自分が問いかけてみようかと思っている問いに対して、自分が答を用意することからはじめるべきなんだろうな。
中川一郎 2000.2.6 (続く予定)