初冬の白髪岳・松尾山 山行記


    白髪岳山頂からの眺め
  手前は689mピーク。左奥からから西多紀アルプスの夏栗山・鋸岳
  右に東多紀アルプスの西ヶ岳                     96.12.1. 
 


■目的地:白髪岳(722m)・松尾山(687m)
■日にち:96年12月1日(日)
■天気:晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
  自宅発(8:45)〜住山分岐[約235m](10:10)〜出発(10:20)〜
  白髪岳南尾根道に合流[約365m](10:40)〜NHKアンテナ (10:50)〜
  登山道に合流[約610m](11:10)〜白髪岳山頂(11:30-12:00)〜
  文保寺への分岐(12:30)〜松尾山山頂(12:40)〜仙ノ岩(12:45-13:20)〜
  愛宕堂(13:35)〜住山林道に合流[約320m](13:55)〜住山分岐(14:20)
 

【白髪岳・松尾山】 丹波の名山に行って来ました。
白髪岳は山頂の手前に岩場があり、展望抜群。松尾山は城跡と高仙寺跡の
歴史の山です。季節が良ければ草花も多いと聞きます。
 今日は昨日に引き続き快晴。12月にふさわしく寒気団にみまわれて寒い!。
私の体調の方は、先週来の風邪が治りかけての、病み上がり山行。
ちょっとしんどいが、この空と朝早い目覚め(私としては..)、条件は揃った。
すかさず名山を目指そう!!。
(嫁さんと子供はバレーボールの試合、またも単独行、しゃーないなぁ。)

【峠を越えて篠山へ】 山の色が茶色がかって冬の装いになってきた。走る車の前に
黄色い葉がキラキラと朝日を受けて宙を舞う。澄み切った青空。大野山の写真を撮る。
丹波杜氏が越えた西峠・古坂峠を乗り越えて篠山盆地に入る。
 小金ヶ岳の岩綾がやけに白く見える。篠山市街でおにぎりとジュースを調達し、
古めかしい街道の面影を残すJR古市駅前を通って登山口の住山の里に入る。
 白髪岳の姿が大きく見えてきた。ハイカー2グループが歩いている。
オマケに車が一台も通っていない静かな里、なんだか車で来ちゃいけないようで
気がひけた。

【いきなり尾根道】 白髪岳へは車道を谷の奥まで歩いて取り付くのが正規ルート。
しかし、今日はガイドブックを参考にいきなり南の尾根に取り付く作戦。
 茶畑を通らせていただき、小川に沿って杉林の急登。その源頭部で踏跡不明瞭。
しかし下草もなく難なく尾根道に辿り着いた。落葉がふわふわっと積もった
すがすがしい道だ。道は明瞭だが踏みこなされた跡がない。北西の風がきつく、
頭上でゴウゴウと鳴る。この風に落とされたんだろうなぁ...。
 感傷に浸る間もなく登りがきつくなる。ここでの落ち葉はやっかいものだ。
ずるっずるっと足を取られる。病み上がりも手伝ってか堪えるなぁ。鼻水も出る。
ふうふう言いながらの登りばかり、立木越しに見える景色を楽しむゆとりもない。

【岩尾根】 立ち止まると寒いので、ひたすら登る。途中、NHKのアンテナを過ぎ、
檜林を右に見ながら尚も登りが続く。やがて、「白ヶ岳」と書かれた錆びた道標が
現れ、正規ルートと合流。下から声が聞こえる。車で抜いたパーティのようだ。
追われるように前に進む。岩がゴツゴツしているのが見える。小金ヶ岳や大普賢岳
以来の岩場だ。しかし、ここまでの登りで足がふらふらしている。無理せず
気を確かに行こう。
 最初の岩によじ登る。いい眺めだ。虚空蔵山が目をひく。風が強い。播州の山も
広がる。さらに痩せ尾根をしっかりと登ると山頂だ。先客2名。ヤッケを頭まで被って
昼食の準備ようだ。寒い寒い。

【白髪岳山頂の眺め】 岩が4つ5つゴツゴツとした山頂。右下に松尾山がある。
割と広い。360°の眺めが欲しいまま。しかし、眺めを楽しむには寒い。
 北側の岩に腰を落ち着けることにする。鋸岳がやけに挑戦的に見えるのは気の
せいでしょうか。それはさておき地図を広げて山座同定。...をしようと思ったが
強い風に煽られ満足に地図も開けない。吹きさらしである。仕方がないので
おにぎりを頬張りながらまわりを見渡す。多紀アルプスが秀逸である。東から
黒頭峰・三尾山・夏栗山・鋸岳・西ヶ岳・三岳・小金ヶ岳・八ヶ尾山...蒼々たる
顔ぶれが一望である。大江山がかすかに見えているかな? 但馬の山は雪かなぁ?
千が峰はあの辺だろうか? ...虚空蔵山に登った時から進歩がない。(^^;;

【松尾山へ】 寒くてコーヒーをいれる気も起こらない。人もどんどん増えて
15人位になった。おばさんが松尾山への道を聞きに来た。なんと私の座っている
岩から北に下るようだ。念のため紳士風おじさんにも聞いてみた。
やはりそれらしい。「お先に行きます。」といい残して、出発。
 いきなりの急直下である。日陰のため粉雪が沢山残っている。ロープを片手に
駆け下りる。あぁ高度がもったいない。やがて緩やかになると尾根と巻き道の分岐を
右に取り、巻き道を行く。風が遮られて静かな斜面の良い道だ。途中、木が切ってあり
多紀アルプスが見える。小休止。松尾山への登りに備えてヤッケを脱ぐ。
 道標に従い松尾山山頂へ。霜柱の初物を踏み、笹道の次に直登が始まる。きついなぁ。

【仙ノ岩】 城跡説明の立札がある笹と灌木の山頂。葉を落とした木々の隙間から
白髪岳や北摂の山が見え隠れする。南側の道標に従い次のピークへ向かう。千年杉
という大きな杉を眺め、大木ばかりのピークを越えた所に「仙ノ岩」の道標がある。
ほほう、展望を期待していなかった松尾山に隠れた逸品。南向きで、日射し柔らかく
風もない。冬寒い今日のコースでは唯一ホッと出来そうなところだ。

 早速コーヒーの準備にかかる。お湯が湧く間におにぎりを頬張り、虚空蔵山や六甲、
摂丹山塊を眺める。コーヒーを片手にまた眺める。知らない山に派手な電波塔発見。
うーん、摂丹山塊は藪ばかりのまだまだ未知の世界である。

【高仙寺跡】 仙ノ岩を辞して下りにかかる。またまた急直下だ。こりゃぁ、
登る方はたいへんだぞぅ。そんなこんなを思いつつ卵塔群や愛宕堂など往時をしのぶ
史跡をいくつか通って大きな案内板の所に出た。中年のご夫婦が休憩中。いまから
松尾山に行くとのこと。案内板にはいろんなコースが書いてある。ここはその中心
地点のようだ。「気を付けて」と柄にもない言葉を残して不動の滝へ下る。
 不動の滝は水量がなくて残念だったが、若葉、紅葉の頃はきっと素晴らしいだろう。
沢づたいに杉林を下りると住山林道に着いた。
 住山の静かな里を歩いて車を置いた住山分岐に向かう。住山分岐に句碑ひとつ。

  「 恋しくば尋ねてもこむ白髪峯  かくれはあらじ住山の奥 」  尼僧

 頭もすっきりとなり、病み上がり山行は多大な効能がありました。(^^)v


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1996.12.15. BY M.KANE