靴雑感




靴敗北宣言2005.10

どうも、モノにこだわる趣味というのは飽きやすい。自分だけなのかもしれない。落合正勝は服だの靴だのに何十年も金かけ続けて、それで食ってるわけだし。そんな彼も、普段は気に入った2〜3の品ばかり頻繁に身につけているようで、枯れてきたということか。
たぶん半年前くらいまでは革靴も無理していろいろ履いていたが、現在はほぼ2足のどっちかしか履かない。サントーニ+ビームスのダブルネームの、スウェードでゴム底のデッキシューズみたいなやつ(確か4万くらい、どこで買ったか忘れたがたぶんビームスではない)と、コンバース・オールスターのパチ(1000円くらい)だけである。後者は、さすが安物だけあってフィット感が無く、長時間歩行には向かない。前者はわりと歩ける。が、今考えると、スウェードのスリッポンに4万は高すぎる。この2足以外では、稀にアレン・エドモンズの茶のUチップ、これもソフトカーフにゴム底というやる気の無さである。なぜこれらを履くかというと、気を遣わないからである。オールスターは汚れても惜しくないし、ダメになったら即捨てるという姿勢である。他のは、手持ちの中では特に履きやすい。履き心地が良い、わりと長距離歩行・長時間歩行でも負担が少ない、それでいて無難な外見である。
普通の高級靴、ドレスシューズは高いわりに欠点が多い。スニーカーより優れるのはカッコいい、スーツに合うという点だけである。滑りやすくリラックスできない、長時間歩行で疲れやすく革底で膝への負担も大きく靴擦れもできやすい、それなのにあえて普段から履こうとするのは、余程の情熱がある時だけだった。クッション性と滑りにくくないようゴム底を、リラックスできる柔らかい革を、脱ぎ履き便利のためスリッポンを選ぶと、今の自分の状態になる。どういう状態かというと、パリのJ.M.ウェストンに行っても、ノーザンプトンとは言わないまでもロンドンの靴屋をのぞいても、食指が動かないという寂しい状態である。そして、まともなスニーカーはきっと履きやすいんだろうな、なんて思ったりする。そんなゴムと布でできた使い捨てのスポーツ靴に金を払いそうな自分に嫌気がさす。
それにしても世の靴マニアの方々は、そんな靴をどうやって毎日履いているのだろう?自分の足だけが特殊で合う靴が無いのだろうか?それとも、高級靴を履いた人はあまり歩かないのか?たぶん、調子に乗って買ってはみたが、初期の靴擦れに悩みそこで履かなくなる、なんとかそれを乗り越えてもやっぱり履き心地悪くごくたまにしか履かない、という人も多いと思う。
ヨーロッパは靴を買うには最適である。安くて種類が豊富。ただし良いことばかりではない。サイズ展開が外人向けで、特にバーゲン品は大きいサイズが多く、幅は広めのが多い。自分のフィッティングをある程度わかってないと、言葉の問題もあり、サイズ違いをつかむ可能性がある。どこに店があるか予め調べておかないと、現地でたまたま見つかる可能性は低い。交換等クレームを付けにくい。旅行のついでとなると、半日はそれに費やす覚悟が必要。日曜は休み。など。
気がつけばストレートチップとUチップの黒と茶、あとローファーにスウェードと一通り持ってた。本格的な靴マニアからすると、ほんの入門セットで満足しているようにしか思えないだろうが、これだけ買っても満足な履き心地というのは、上記の普段履きを除いて無かった。だいたいOKというところはある。ここから先は、既製靴をたくさん買って試すか、まともなビスポークで3足目以降、あたりでないと得られないだろう。さらに50万である。
というわけで、たぶんもう革靴は買わないだろうなぁ、牛さんも、なんだかかわいそうになってきたし。







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